車の故障は誰にでも起こり得ます。
エンジンがかからなくなったり、ワイパーが止まったり、フロントライトが消えたり故障の内容は多岐に渡ります。
そして、自宅の駐車場や道路を走行中など、故障する状況も様々です。
数ある故障の中でも危険度が非常に高いものが「高速道路で車が止まってしまう」という状況です。
命の危険まであるため適切な対処が求められます。
ただ、何度も遭遇する状況ではないため、どうやって対処したらいいか不安な方もいるかもしれません。
例えば、後続車にトラブルを知らせるための発炎筒の使い方を知らない方も少なくないでしょう。
そこで今回は高速道路で車が故障したらどうするべきか、対処法と注意点を紹介します。
いざという時に役に立つのは知識と準備です。この記事を読んで対処法を覚えておいてください。
高速道路で車が故障した際の対処法
高速道路で車が故障したときは自分と後続車の安全を確保するのが最優先です。
そのために以下の手順で対応してください。
- 1.ハザードランプを点灯させる
- 2.できるだけ路肩に寄せて止める
- 3.発炎筒と停止表示器材を置く
- 4.車から離れて避難する
- 5.各所に通報、救援要請をする
それぞれ解説します。
1.ハザードランプを点灯させる
まず自分の車に異常が起きたことを後続車に伝えます。
渋滞でスピードダウンすることを後続車に伝えるのと同じように、ハザードランプを点灯させて減速する意思表示します。
2.できるだけ路肩に寄せて止める
次に、できるだけ路肩に寄せて車を止めます。トンネル内では約750m間隔である非常駐車帯に入ります。
ギアをニュートラルに入れられるなら入れて、車が惰性で動いているうちに対処します。
3.発炎筒と停止表示器材を置く
続いて、発炎筒と停止表示器材(三角表示板)を置きます。
多くの車で発炎筒は助手席の足元にあります。
三角表示板はオプションかつ積載の義務がないので車載されていない可能性があることに注意してください。
設置場所は停車した車の50m以上後ろで、カーブで見にくい状況ならもっと後ろです。
車から近い順に三角表示板、発炎筒の順番で置きましょう。
注意点として、トンネル内では発炎筒を炊けないことを覚えておいてください。
発炎筒の煙がトンネル内に充満してドライバーの視界を悪くしてしまいます。
そのため、トンネル内では三角表示板かLEDタイプの発炎筒を置きましょう。
置きに行くときはガードレールの外を歩いて安全を確保することが鉄則です。
4.車から離れて避難する
後続車に故障者の存在を知らせられたらガードレールの外かつ故障車から十分に距離のあるところに避難します。
5.各所に通報、救援要請をする
最後に通報し助けを呼びます。
「110(警察)」「♯9910(道路緊急ダイヤル)」「非常電話」の中で最も利用しやすいものを選び、状況を説明してください。
非常電話は高速道路上に1kmごと(トンネル内は200mごと)にある緑色の看板が目印の電話で、受話器を上げるだけで道路緊急ダイヤルにつながります。
高速道路で車が故障した際に注意すること
高速道路で車が故障したときは以下のことに注意してください。
- 周りの人に気づいてもらうことが重要
- 急停車でなく徐々に減速する
- ハンドルを左いっぱいに切って停車する
- 必ず車外に避難する
- 慌てて車から飛び出さない
- 左側のドアから降りるようにする
- 高速道路は歩き回らない
- 発炎筒と停止表示器材は表示義務
それぞれ解説します。
周りの人に気づいてもらうことが重要
何より自分と周りの人の安全を確保することが大切です。
高速道路の車は100km/hほどの早い速度で走っているため、前に故障車が止まっていることに気がつくのが遅れるとブレーキが間に合わず突っ込んでしまう可能性もあります。
できるだけ早く周りの人に故障者の存在に気づいてもらいましょう。
急停車でなく徐々に減速する
焦って思わずブレーキを踏んでしまう気持ちもあるとは思いますが、急停車は追突される危険があり非常に危険です。
ハザードを点けながら惰性で進み、徐々に減速していきましょう。
ハンドルを左いっぱいに切って停車する
路肩や非常駐車帯などの安全な場所に車を移動させた後、ハンドルを左いっぱいに切って停車してください。
もし追突された場合、ハンドルを左に切っておけば左に進んでいくのでガードレールや壁で勢いが止まる可能性があります。
必ず車外に避難する
停車した車の中で待機せず、必ず車内に避難してください。
車の中は追突の可能性があり非常に危険です。
慌てて車から飛び出さない
焦って車から飛び出しては危険です。
後ろを見て確実に車が来ていないことを確かめてから車を降ります。
左側のドアから降りるようにする
右側のドアは後続車に追突される危険があるため左から降りるようにしてください。
後続車が遠くにいるからまだまだ安全だと感じても、約100km/hで走る車は思った以上に早く近づいてきます。
大丈夫だと思っても左側から降りましょう。
高速道路は歩き回らない
高速道路は歩き回ってはいけません。
車に忘れ物をした、落とし物をした、などがあっても取りに行ってはいけません。
ガードレールの外で安全に待機してください。
発炎筒と停止表示器材は表示義務
発炎筒や停止表示器材は、高速道路で停車したときは表示の義務があります。
ただし、発炎筒は積載義務がある一方、停止表示器材は積載義務がありません。
つまり、停止表示器材の用意は義務ではないが使用は義務ということです。
ややこしいですが、実質、停止表示器材を持っていなければいけないということなので用意しておくことをオススメします。
高速道路で故障した際に使用する発炎筒について
発炎筒は使う機会が多いものではないので、使い方を知らない方もいるかもしれません。
そこで、以下のことを紹介します。
- 発炎筒とは?
- 発炎筒が装備されている場
- 発炎筒の使い方
発炎筒とは?
発炎筒は非常に明るい炎を出す筒で後続車に危険を知らせる目的で使われます。
発煙筒とよく間違われますが、自動車についているものは”煙”ではなく”炎”です。
発煙筒も存在する器具で、こちらは煙で相手に合図します。
発炎筒は装備が義務付けられていて、有効期限が切れていたりそもそも装備されていない場合は車検に通りません。
発炎筒が装備されている場所
発炎筒は一般的に助手席の足元に取り付けられています。
発炎筒の使い方
発炎筒の使い方は以下の通りです。
- 1. 発炎筒のキャップを外し、本体を取り出す
- 2. キャップに付いている擦り板で発炎筒をマッチのように擦って点火する
- 3. 自分や人に向けないように気をつけながら所定の場所に置く
発炎筒のケースに使い方が載っていることもあるので、落ち着いてチェックして下さい。
まとめ
高速道路で車が故障したときの対処法と注意点を解説しました。
何よりまず自分と後続車の安全を確保することが最重要です。
車を寄せて、発炎筒や停止表示器材を置き、緊急連絡をする、という順番です。
高速道路で車が止まって焦らないことは難しいかもしれません。
しかし、パニックになって間違った行動を取らないように冷静に対処しましょう!
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