電動キックボードは手軽に乗れる便利な乗り物で、東京や大阪などの都市部ではレンタルも可能です。
公道を走っている電動キックボードを見たことがある人も多いかと思います。
ただ、電動キックボードには長い歴史がなく、法整備や人々の理解が追いついていないのも事実です。
よくある疑問としては、免許は必要なのか、走行する上でどんなルールがあるのかなどです。
これらがよく分からないがためにレンタルに手が出ない人もいるでしょう。
この記事では電動キックボードの基本情報から、免許は必要なのか、そして現在と将来のルールを解説します。
電動キックボードは便利な乗り物です。ルールを守って安全に走行しましょう。
※2022年10月23時点で確認した情報です
電動キックボードの基本情報
電動キックボードの基本情報として以下の順番で解説します。
- 電動キックボードとは?
- 2022年4月道路交通法改正案で大きく変化
- 特定小型原動機付自転車という新たな区分
- 道路交通法改正案は2年以内に施行予定
- 2022年9月に新たなモビリティ安全対策ワーキンググループを開催すると発表
電動キックボードとは?
電動キックボードはモーターで自走するキックボードです。
多く流通しているものが出力0.6kW以下で、電動バイクの区分では原付第一種(50cc以下)と同じ区分になるくらい小さなモーターを装備しています。
2022年9月現在、交通ルールも原付と同じなのでキックボードといえ車道を走らなくてはいけません、
一部のシェア業者からレンタルするもの以外は原付と同じ扱いだと思ってよいでしょう。
2022年4月道路交通法改正案で大きく変化
先ほど原付と同じ扱いだと説明しましたが、2022年4月道路交通法改正案で大きく扱いが変わりました。
特定小型原動機付自転車という新たな区分
特定小型原動機付自転車という新たな区分が原動機付自転車の中にできました。
以下の条件に満たしたものが特定小型原動機付自転車とされます。
- 電動で出力が0.6kW以下
- 最高時速20km/h以下
- 長さ190cm、幅60cm以内
- ウインカーやホーンなどの保安部品が装着されている
- 型式認定(対象品が技術基準を満たすか国が確認する制度)を実施
電動キックボードもこの区分の中に含まれるため、特定小型原動機付自転車という扱いになります。
特定小型原動機付自転車になると何が違うのかは詳しく後述します。
道路交通法改正案は2年以内に施行予定
法律は改正されてすぐに適応されるわけではなく、2年以内の猶予期間が設けられます。
そのため、電動キックボードが特定小型原動機付自転車とされるのも2022年4月から2年以内、つまり2024年4月までに施行される予定です。
2022年9月に新たなモビリティ安全対策ワーキンググループを開催すると発表
国土交通省は2022年9月5日に第4回新たなモビリティ安全対策ワーキンググループを開催しました。
ここでは、電動キックボードや電動スクーターなどの「新たなモビリティ」の安全について検討されました。
国として電動キックボードを推進していく姿勢が見て取れます。
2022年9月時点で電動キックボードに免許は必要?
電動キックボードは公道を走るには免許が必要ですが、下記のように必要な免許は異なります。
- 原付免許や小型二輪免許など出力に応じた免許が必要
- 一部シェアリングサービス業者のものは普通自動車免許が必要
原付免許や小型二輪免許など出力に応じた免許が必要
2022年9月時点で、一部のシェア業者でレンタルするものを除き電動キックボードは原付と同じ扱いです。
そのため、下記のよう出力によって必要な免許が異なります。
- 0.6kW以下:原付免許
- 0.61kW~1kW:小型二輪免許
一般的に流通している電動キックボードは0.6kW以下なので原付免許や普通自動車免許があれば運転できますが、念のために運転前に要確認です。
1kWを超える大型の電動キックボードに乗る場合は普通二輪免許や大型二輪免許などさらに上位の免許が必要です。
一部シェアリングサービス業者のものは普通自動車免許が必要
「LUUP」をはじめとする一部業者から貸し出される電動キックボードは、日本から認可が下りているためヘルメット無しでも運転できます。
ただ、扱いが原付ではなく小型特殊自動車(トラクターと同じ)で、普通自動車免許が必要です。
保安部品のない電動キックボードは公道走行できない
たとえ免許があっても、保安部品のついてない電動キックボードは公道で走行できません。
2022年9月現在、保安部品は以下の11個です。
- ブレーキ
- ヘッドランプ
- ナンバープレート照明灯
- テールランプ
- リフレクター
- ウインカー
- ホーン(クラクション)
- バックミラー
- ナンバープレート取付板
ただ、最高速度が20km/h未満の車体ならナンバープレート照明灯・ウインカー・バックランプ・ブレーキランプ・速度計は必須ではありません。
また、長さ190cm、幅60cm以内を超える大きさのものも公道を走行できません。
これらの制限は、将来的に電動キックボードの扱いが変わるタイミングで変わる可能性があります。
電動キックボードの現在と将来のルール
最後に、電動キックボードの現在と将来のルールをまとめます。
最も一般的である0.6kWの電動キックボードの場合とします。
電動キックボードの現在のルール
- 最高速度:30km / 15km(特定のシェア業者)
- 区分:原付第一種 / 小型特殊自動車(特定のシェア業者)
- 免許:原付免許 / 普通自動車免許(特定のシェア業者)
- ヘルメット:必須 /任意(特定のシェア業者)
- 歩道の走行:不可
- 自転車レーンの走行:不可 / 東京や福岡など特定エリアのみ可能(特定のシェア業者)
- ナンバープレート:必要
免許が必要なところがよく間違えられがちです。
思いがけず無免許運転してしまわないように気をつけてください。
電動キックボードの将来のルール
- 最高速度:20km/h
- 区分:特定小型原動機付自転車
- 免許:不要(16歳以上の年齢制限あり)
- ヘルメット:任意
- 歩道の走行:可能(6km/hまで)
- 自転車レーンの走行:可能
- ナンバープレート:必要
年齢制限が付く代わりに免許が不要になること、歩道の走行も可能になるところが大きな変更点でしょう。
まとめ
電動キックボードの現在と将来のルールをまとめました。
現在、出力0.6kW以下の電動キックボードは個人所有だと原付一種、特定のシェア業者だと小型特殊自動車に区分されます。
免許もそれぞれ原付免許、普通自動車免許が必要です。
しかし、2024年4月までに免許が不要になることが決定しています。
歩道の走行も6km/h以下という制限があるとはいえ可能になります。
それでは、より便利になる電動キックボードを正しく安全に利用しましょう!
※2022年10月23時点で確認した情報です