少し前のことになるが、7月2日(日)に開催された「ワークスチューニングサーキットデイ」の中で、ひときわ目立つクルマがあった。トヨタiQ、それもGAZOO Racingによって開発された「GRMN Supercharger」だというから、その存在感はただなぬものだった。ドライブするのは東山貴幸さん。初の愛車がこのiQ GRMN Superchargerというから驚きだ。
iQとの出会いが人生を大きく変えた
東山さんは2輪歴が長く、16歳で2輪の免許を取得してからずっと2輪車を所有しており、今もスズキのグラディウスをゆったりと走らせている。4輪の方はといえば、実家のプリウスにたまに乗っていたぐらいだったという。聞いてみればこのプリウスもG’sバージョンだというから、もともとクルマ好きの家柄ではあったのだろう。
そして初めて自分専用のクルマを購入するとなったときに出会ったのがiQだ。ちょうどGRMN Superchargerが発売されるタイミングで、「抽選で当たったら購入しよう」と軽い気持ちで応募したところ、見事に当選。これが人生を大きく変えるきっかけとなった。
ノーマルでも十分に楽しめるGRMN
iQ自体も比較的めずらしい車種ではあるが、GRMN Superchargerとなれば、かなりレア度の高いクルマである。東山さんも平日は使用しておらず、休日のドライブや買い物に使うことが多く、たまに箱根やサーキットなどを走ることもあるが、年に数回程度だとか。おかげで5年目にして走行距離は約18000kmと少ない。
「iQ用のパーツはほぼない」という状態らしいが、GRMNならではの素性の良さを体感しており、「いろいろなパーツを付けてGRMNの良さがなくなってしまうのは避けたいと思っているので、今のままで十分。乗っていてワクワクして気分も高まります」という。走りのよさだけでなく、独特の造形をしているバンパーやフェンダーなどによる、他にないデザインが気に入っているそうだ。
他には考えられない
5年も乗れば他のクルマも気になりそうだが、「愛着が深すぎて乗り換えは考えられないですね」と東山さん。スペースはミニマムだが2人乗りだと考えれば使い勝手も悪くなく、シートを倒せばタイヤも4本積める。普段の生活には「必要にして十分なスペースがある」という。2000mmという超ショートホイールベースであるがゆえに、実家のプリウスG’sや他のクルマに乗ると「内輪差に気をつけなくては」というからちょっと驚きだ。
バイクを通じて「運転する楽しさ」を知っていたからこそ、操作感を楽しめるクルマに惹かれたのではないか? 東山さんの話を聞いていてそう思った。そして、深く愛せるクルマに出会えたことは運命なのだろう、とも。東山さんは最後に、「これからもこのiQをいろいろな場所に連れて行きたい」と語ってくれた。
バンパーだけでなくフェンダーまで専用パーツとなる独特なデザイン
スポーツモデルらしい大型リアスポイラーも目を引く部分
ドアには「GRMN」の型押しが。ステッカー類は東山さんのセンスで貼られる
専用のENKEI製アルミホイールにブリヂストン ポテンザRE-71Rを組み合わせていた
1.3Lスーパーチャージャーエンジン(90kW/122ps)は軽やかに回って走りやすいという
インテリアもGRMN専用のパッケージ。トランスミッションは6速MT
Text & Photo by 雪岡直樹+Bucket
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