MENU

【車販売最前線コラム】中古車選びで盲点になりがちなこととは?

皆さん、こんにちは。自動車販売店向け研修講師兼ライターの内田憲志です。

こちらのコラムでは、長く中古車業界に携わってきた経験から、皆さんの中古車購入に役立つ情報をお話しています。

今回は、中古車選びにおいて、“盲点”になりがちなことについてお話します。

安い価格と選択肢の広さが中古車選びの醍醐味

01
車種も価格も多種多彩!選んで楽しい日本の中古車市場

中古車の魅力は何と言ってもリーズナブルな価格です。皆さんも「新車では無理だけど、中古車で安くなったら買いたいな」と思った車があることでしょう。

新車で600万円ぐらいする高級車でも、数年経てば150万円程度で買えます(一部、例外はありますが)。しかし、新車で600万円の車が150万円の中古車になる頃には、ほとんどの車で1~2世代前のモデルになっています。それでも、「古いことは気にしない!オレはこのモデルに昔から憧れていた。大好きなんだよ」という人や、車にあまり興味、関心が無く、機能性重視の人にとっても、中古車は魅力的と言えるでしょう。

そして、中古車は新車以上に選択肢が広いのも魅力のひとつですよね。日本は世界有数の自動車大国。ユーザーの多彩なニーズに応じるように、様々な車が登場してきましたので、中古車の車種は選び放題。楽しい車、快適な車、実用性や経済性に優れた車、そして旧車まで何でもあります。

上級グレードが割安!?日本の中古車市場

02
中古車は、3L超の大排気量車が割安な傾向にある

日本の中古車市場では、同一車種でも、最大排気量のグレードの価格が安いケースがよく見受けられます。4.5L車と3.5L車が設定されているセダンの場合、4.5L車の方が中古車ではかなり安い・・・ということがよくあるのです。もちろん、4.5L車の方が上級グレードで新車価格も高いにも関わらず、中古車になると3.5L車の方が売れるので(人気があるので)、価格で逆転現象が起こるのです。その要因は、高額な自動車税を敬遠するユーザーが多いことです。実際、多くの中古車販売店の人に話を聞くと「4.5L車は税金が高いから買う人がかなり限られる。だから仕入れたくない」と言います。つまり、業者間取引でも人気薄、イコール中古車価格が割安な傾向にあるのです。

因みに自動車税ですが、4.5L車は76,500円/年、3.5L車は55,000円/年です。年間で21,500円の差ですね。それであれば、中古車価格が割安な傾向にある4.5L車を選んでも良いかもしれません。上級グレードですから装備面での満足度も高いはずです。4.5Lにするのか3.5Lにするのか?車両価格に税金などの維持費も含めたトータルコストで検討してみてはいかがでしょう?

100万円の中古車でも○○○は1,000万円級!?

03
中古車では、高級車が驚くような低価格で販売されていることもある

新車だと1,000万円もする高級車の中古車が、数十万円で売られていることがあります。それが大好きな車だったら欲しくなりますよね!しかし、「安いから」という理由だけでそれを選んだら、後で痛い目に遭うかもしれません。と言うのは、中古車では数十万円だったとしても、元々は1,000万円の高級車です。修理の際に必要な部品代やメンテナンスの作業工賃は、1,000万円級の車に相応しい金額を提示されるからです。その点を覚悟しておきましょう。また、高級車ですから大衆車にはない豪華装備もたくさんついています。しかしそれらは“機械”です。故障の可能性がゼロではないのです!1,000万円の車が数十万円で買える頃には年数が相当経っているので、修理に必要な部品が欠品していることもあります。よって、しばらくの間(数ヶ月間)、乗れなくなることがあるかもしれません。

以上のことから、新車だと1,000万円もする高級車の中古車が数十万円で売られていたとしても、ただ「安いから」「見栄を張りたいから」という理由での購入はおススメしません。それは、本当に“その車のことが大好きな人”が乗る車です。

04
自分にぴったりの車を見つけましょう!

どの中古車にも、選ぶ人にとって、また車そのものについても、「良い面と悪い面」、「長所と短所」があります。そういう“両面提示”をきちんとしてくれる担当者、お店から中古車は買いたいものですね。

これからも、ときどきこうしたクルマ購入ノウハウをご紹介していきますので、よろしくお願いします。

text by 内田憲志