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【豆知識】北米で大ヒット!日産を代表するスポーツカー「S30型フェアレディZ」

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日産「フェアレディZ」は、「GT-R」と双璧をなす日産を代表するスポーツカーです。そんなフェアレディZが生まれたのは1969年。北米で大ヒットし、日産どころか日本を代表するスポーツカーの地位を固めます。初代S30型フェアレディZは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。

新時代の日産のイメージリーダーに

日産の前身にあたるダットサンは1960年から「フェアレディ」というオープンカーを製造していました。
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ダットサン・フェアレディ1500(1965年)

特に1962年に登場したSP310型フェアレディは、本格的なスポーツカーとして開発され、1963年の第1回日本グランプリで、ポルシェをはじめとした海外の強豪車種を相手にクラス優勝を果たすなど華々しい活躍を見せ、国民を沸かせました。

S30型フェアレディZは、そんなフェアレディのイメージを大きく昇華させるモデルとして1969年に発表。このときダットサンは、すでに日産と合併していて日産は新時代のイメージリーダーをフェアレディに託し、究極を意味する「Z」の文字を新たに付して「フェアレディZ」として再出発させたのです。

累計販売台数52万台という空前のヒットを記録

S30はそれまでのフェアレディとは一線を画すモデルとなりました。北米マーケットでのシェア獲得を強く睨んでいたからです。

まずデザインは、日本車ばなれした流麗なスタイリングが与えられています。先代はオープンボディでしたが、S30は騒音や機密、居住性の観点からクローズドの2シーターとされました。ロングノーズとコンパクトなキャビンが生み出すアイコニックなスタイリングは、現代でも色あせない美しさがあります。
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日産・フェアレディ240ZG(1972年)

走行性能にも注目です。ピュアなスポーツ性を追求し、エンジンは2Lの直列6気筒エンジンを搭載しています。ちなみに北米には2.4L直6エンジンを採用した「240Z」が先行投入されていました。

画期的なスタイリングと高い性能を持ったS30は、そのパッケージに見合わず乗用車並みの価格ともあり北米で大ヒット。アメリカでは「Z-car」(ズィーカー)との愛称で親しまれ、10年間で世界総販売台数52万台という当時空前の記録を樹立し、名実共に世界に認められました。ちなみにあのポルシェは、S30に対抗するためにポルシェ914を開発したと言われています。日本のメーカーに対抗するために世界に名だたるメーカーが動いたということも興味深いエピソードですね。

2Lから2.8Lまで幅広いエンジンを搭載

1969年から約10年間生産されたS30ですが、その間には様々なバリエーションが登場しました。ボディ面では、1974年に後席を新たに設けた4人乗りの「2by2」が追加されています。
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日産・フェアレディZ432(1969年)

しかし注目は、さまざまなエンジンが搭載されたことでしょう。2Lや、2.4Lのほか、なんとプロトタイプレーシングカー「日産R380」のエンジンがベースの「S20型エンジン」を搭載した高性能バージョン、「フェアレディZ 432」も登場。最高速度は210km/hに達する圧倒的なパフォーマンスを見せました。ちなみに432とは、「4バルブ」「3キャブレター」「2カムシャフト」のエンジンの仕様を表しています。

さらに海外向けには240Zの排気量を2.6Lした「260Z」も登場。最終的には2.8Lの「280Z」に進化を遂げます。そして1977年には、電子制御燃料供給装置「EGI」などを採用し、当時の排ガス規制に適合したS31型をリリースして最後を飾り、1978年に2代目のS130型にバトンタッチしました。
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日産・フェアレディ 2シーター 280Z-L(1978年)

今や日本車ブランドは、グローバルに通用していますが、そのブランド力を世界に知らしめたのは、フェレディZのおかげとも言ってもいいかもしれません。Zのエンブレムには、その誇りが込められているのです。

問題(第4回1級)

「日産フェアレディZ43」は初代「フェアレディZ」の高性能グレードで、
“432”とは、4バルブ、3キャブレターを指します。では、“2”は何を指しますか。

1.2.0Lエンジン
2.2WD
3.2シーター
4.2本カム

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text by 阿部哲也+Bucket
画像提供:日産ヘリテージコレクション