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【豆知識】試験に出る!? 「草創期の自動車の歴史」超簡単まとめ

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「クルマの歴史」というと、メルセデス・ベンツ300SLやシトロエン2CV、あるいはトヨペット・クラウンなどの姿を思い浮かべるかもしれません。しかし、これらはみな戦後のクルマです。自動車の歴史はもっともっと古いもの。そこで、草創期の自動車史をごく簡単にまとめてみました。

1769年:自動車の起源「キュニョーの砲車」誕生

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フランスの軍事技術者でルイ14世軍の技術大尉だったニコラ=ジョゼフ・キュニョーが発明した「キュニョーの砲車」が、自動車の起源だといわれている。当時、発明されたばかりだった蒸気機関で、大砲を運ぶ運搬車を作ろうと開発されたもの。実戦投入されたことはなかったようだ。

1830年代:電気自動車が発明される

実はガソリンエンジン自動車よりも電気自動車の方が歴史は古く、1830年代に発明されていた。しかし、実用的な電気自動車が作られたのは、それからおよそ40年が経過した1870年代になってから。市販されたのは1885年だとされている。

1870年:世界初のガソリン自動車が作られる

オーストリアの発明家、ジークフリート・マルクスによるもの。ただし、このころまだ4ストロークエンジンは発明されておらず、極めて原始的な内燃機関が荷車に搭載され、動力を得たというものだった。

1876年:4ストロークガソリンエンジンが開発される

ドイツの発明、ニコラウス・オットーが、現在もガソリンエンジンの主流となっている「4ストロークエンジン」を開発。それまでも、4ストロークの概念はあったものの、形にしたのはオットーが初めてだった。開発者の名前から、「オットーサイクルエンジン」とも呼ばれる。

1886年:パテント・モトールヴァーゲン誕生

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馬車に代わる新しい乗り物として、ドイツの技術者、カール・ベンツが開発したのは、「パテント・モトールヴァーゲン」と呼ばれる3輪自動車。「最初からガソリン自動車として設計された乗り物」として、1886年に特許を取得。世界初の実用的なガソリン自動車であったころから、「ガソリン自動車の第1号」とされている。

エンジンは水平単気筒984ccで、15km/hの速度で走行ができた。なお、1885年には、ゴットリープ・ダイムラーもガソリンを搭載した二輪車で特許を取得し、1886年には馬車にエンジンを搭載した4輪自動車を製作している。のちの「ダイムラー・ベンツ」は、この2人の会社が設立した会社が合併したものである。

1907年:日本初のガソリン乗用車「タクリー号」誕生

「自動車の宮様」と言われた有栖川宮威仁親王殿下が、自動車の輸入販売などを行なっていた吉田真太郎と、ウラジオストックで自動車技術を学んだ内山駒之助に作らせた。「タクリー」の名は、「ガタクリ」と走るその姿から。約10台が製作された。東京都国立市の谷保天満宮に、実働するレプリカがある。

1908年:フォードT型の登場で大量生産の時代に

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1908年に登場したフォードT型(モデルT)は、世界で初めての大量生産自動車だ。徹底的な効率化により、当時2000ドル以上だった自動車を850ドルで販売。ベルトコンベアを用いた世界で初めての大量生産を開始すると、265ドルまで価格を下げ、生産を終了する1927年までに1500万台以上が販売された。20世紀を「自動車の世紀」をすることを決定づけた。

1914年:改進社が初の純国産車を開発

改進社は、現在の日産自動車のルーツとなる会社。この改進社が1914年の東京大正博覧会に出品した「脱兎号(DAT号)」が、初めての純国産車だ。それまでも、日本製の自動車は存在したが、主にアメリカ製の部品を利用して作られていたため「純国産」としては、脱兎号が初。「DAT」の名は、3人の開発者「田」「青山」「竹内」の頭文字から。

1918年:国産初の量産乗用車、三菱A型が登場

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陸軍からの要請で、三菱造船がフィアットを参考に製作。1921年までに生産台数は22台が生産され、「国産初の量産乗用車」としてその名を残した。「三菱オートギャラリー」でそのレプリカを見ることができる。

ガソリンエンジンが発明され、自動車が一般に普及し始めるのは、19世紀末から20世紀初頭のこと。この時期は、ベルによって電話機が発明されたりエジソンよって白熱電球が作られたりと、現代の暮らしにつながる多くの技術が生まれたときでもありました。それから120年余りの自動車と自動車文化の進化は今、みなさんが目にしている通りです。この先の100年では、自動車はどんな進化を遂げていくのでしょうね。

text by 木谷宗義+Bucket
photo by トヨタ博物館、三菱自動車

<問題>第4回 1級

1900年代初頭の日本では、主に海外製品を使用したガソリン自動車が生産されていました。では、1914年に日産の前身となる「改進社」が制作した純国産車は何ですか。

(1) 脱兎(ダット)号
(2) クラウン
(3) 改進号
(4) フライングフェザー

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