交通事故で大きな怪我を負わずに済んだとしても、首の痛みにおそわれることがあります。もしかすると、むちうちといわれる症状かもしれません。
事故において一番多い症状であり、病院に通わなければいけなくなるかもしれません。
(参照:警察庁交通局 平成29年度中の交通事故の発生状況、損傷部位別死傷者数:軽症者において、頸部の比率が59.9%による。)
そのような事故に巻き込まれた際には保険金が支払われるのですが、治療にはお金も時間もかかってしまいます。
どのような保険金を請求できるのか把握しておくことで、骨折り損のくたびれ儲けとならないようにしたいものです。
交通事故によるむちうちとは?
交通事故によるむちうちとは、主に車両に追突した際・された際に首が鞭のようにしなり、「頚椎捻挫」「頸部挫傷」「外傷性頸部症候群」などの症状が現れることを言います。
重い頭部が急激に動かされることで首に大きな負担がかかり、その場で問題がなくとも後日痛みが来るようなこともありますので、事故時に問題がなかったからと言って安心しないようにしましょう。
症状も治療期間も様々で、痛みが強いと日常生活においても、不快感、不便を感じることになります。
主な症状
むちうちの症状は1つではなく、多種多様です。またどの症状が強くでるかも事故の状況・個人によって違いがでます。
主に頭痛・頸部痛・頸部運動痛・視力障害・耳鳴り・めまい・首肩の凝り・吐き気・上下肢のしびれが自覚症状となります。
また自覚症状がなくてもレントゲン検査やMRI検査を行うことで、骨や筋肉、神経へのダメージを調べることが大事です。
治療方法
やっかいなむちうちの症状ですが、どのような治療方法があるのか一般的な例を紹介していきます。
症状や症状の強さなどによって治療法は変わってきますので、必ず医師の指示に従った治療方法を行うようにしてください。
処方薬の利用
鎮痛剤や頭痛薬など処方された薬を利用します。
ブロック注射
痛みを感じる患部周辺に局所麻酔薬を注射します。
患部を麻痺させることで痛みの伝達をブロック、筋肉や神経の緊張を緩和し血流をよくすることで治癒を進めます。
理学療法
患部を温める・電気を流す・振動マッサージ・牽引などの物理療法と、筋肉や関節を適度に動かす運動療法があります。
どの治療法を選択するかは必ず医師と相談してから決めるようにしましょう。
治療期間
むちうちの治療期間は1か月~3か月といわれています。
多くはその期間で症状が治癒されていくとされますが、数か月又は1年以上も症状が続くことがあります。
たかがむちうちと侮らずしっかりと治療をしましょう。
交通事故のむちうちで支払われる保険金の内訳
この項では交通事故でむちうちになった際、加害者に請求できる保険金の内訳について確認しましょう。
また保険金についてはあくまで一般論であり、全ての事故に該当するわけではありません。正確な情報や支払い方法、内訳は加入している保険会社、保険担当者に必ず確認を取って下さい。
治療費
治療にかかった費用を請求できます。
ただし保険会社が病院など治療先はどこか聞いてくるので、直接支払いを行うことも多いでしょう。
通院費
通院にかかった費用を請求できます。自家用車での通院についてもガソリン代を請求できる可能性があり、公共の交通機関はもちろん、タクシーも対象となる場合がありますので保険会社に確認をしておきましょう。
休業損害
休業損害は治療のために仕事を休み、収入が減った際の補償となります。
専業主婦であっても休業損害を請求でき、学生も収入がある場合には補償の対象となる可能性があります。こちらも保険会社にチェックしておくよ良いでしょう。
入通院慰謝料
被害者が入院通院したことで精神的苦痛を負ったとして支払われるものです。
検査の為の受診などでも慰謝料の対象となることがあります。
後遺障害慰謝料
むちうちの症状が完治せず、後遺障害として等級認定がされた場合に請求することになる慰謝料です。
後遺障害逸失利益
後遺障害が認定され、労働能力が減少し将来の収入が減ったとされるので、得られるはずだった収入を請求することができます。
交通事故のむちうちの保険金を決める3基準
上の項で述べたように、保険金の内訳は多岐にわたります。
実際に金額を決める基準とは何なのかについてみていきましょう。示談において相手方はなるべく安い金額で提示したいと考えるはずです。またその根拠について考えていきましょう。
自賠責基準
最低限の金額の基準となります。
法令で決められた最低限の補償がなされることを目的としています。
国土交通省により明確な支払基準が定められています。
任意保険基準
加害者方の任意保険会社が慰謝料を計算するときに用いる算定基準です。
高く算定される可能性もありますが、保険会社は営利企業である以上、安く済ませたいと考えている可能性も否定はできません。
必ずしも鵜呑みにしていいのか、示談交渉を続けるのかといった判断が必要かもしれません。
弁護士基準
裁判基準ともいわれ、弁護士や裁判所が慰謝料を計算するときに用いる基準です。
これまでの交通事故裁判の判例をもとに、被害者が本来受け取るべき金額を算定します。必ずしも実際に裁判を起こさずとも、過去の判例をベースに金額で交渉をするので、希望に近い金額が支払われる可能性があります。
当然、弁護士を通して示談を行うことになりますので、自身の任意保険に弁護士費用が入っているか、入っていなければ弁護士事務所などに連絡する必要があります。
保険会社によっては弁護士を紹介してくれるプランもありますので、手段として覚えておくとよいでしょう。
まとめ
誰しもできれば交通事故にはあいたくないものです。
しかし被害者になってしまい、むちうちを負ってしまったならば、適切な処置を受け完治を目指したいものです。その際は金銭的な被害を少なくするための手段も必要です。
今回の記事が、いざという時の助けになれば幸いです。
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