雨天時の車の運転では、どうしても水たまりを踏まざるを得ない場合がほとんどです。そんな時に注意したいことが水はねです。歩行者にとって、水はねはケガはないものの非常に不快なこと。思いがけず水をはねてしまった運転手もいい気分ではありません。
実は、車の水はねには罰則があり、れっきとした道路交通法違反です。
この記事では、車の水はねの罰則について、そしてはねてしまったときの対処法と水はねの防止策を紹介していきます。
水はねは雨の多い日本では特に気をつけるべきことです。運転手と歩行者の双方が気持ちがいい運転を目指してください。
車の水はねに罰則はあるの?
泣き寝入りしがち、させがちな車の水はねですが、「泥はね運転違反」という罰則に問われます。
道路交通法71条1号に「ぬかるみまたは水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること」と明記されています。
加えて、過去には以下の3つの交通違反に問われた例もあります。
- 安全運転義務違反
- 通行区分違反
- 歩行者側方安全間隔不保持等違反
以上3つを分かりやすく説明します。
「安全運転義務違反」とは、他人に迷惑をかけない速度や方法で安全に自動車を運転する義務に違反すること。
「通行区分違反」とは、直進レーン・右折レーンなど白線で区切られたレーンを無視して走行すること。
「歩行者側方安全間隔不保持等違反」とは、歩行者や停止している車両の横を安全な間隔をとり徐行して通行する義務を守らないことです。
以上、車の水はねは上のような罰則に問われる可能性があります。
反則金と違反点数
紹介した4つの違反は、以下のように反則金と違反点数が定められています。
- 泥はね運転違反:大型車7000円、普通車・二輪車6000円、原付5000円、違反点数なし
- 安全運転義務違反:大型車12000円、普通車9000円、二輪車7000円、原付6000円、違反点2点
- 通行区分違反:大型車7000円、普通車・二輪車6000円、原付5000円、違反点1点
- 歩行者側方安全間隔不保持等違反:大型車9000円、普通車7000円、二輪車6000円、原付5000円、違反点2点
歩行者に水をかけてしまった時の対処方法
いくら気をつけてゆっくり走っても、水をはねて歩行者に水をかけてしまうこともあります。そんなときはすぐに停車し謝罪しましょう。
もし逃げてしまった場合、ドライブレコーダーや監視カメラ、スマホなどで水をかける瞬間が映像として残っており罪に問われる場合があります。
その場で謝罪すれば許してもらえたりクリーニング代だけで丸くおさまる可能性が高いものが、逃げたら罪になって罰金や違反点数もさらに科される場合もあります。
車の運転時は歩行者の安全が最優先です。事項に紹介する方法を守り、水たまりを走行するときは十分に水はねに気をつけてください。
車の水はねを起こさないようにするためには
車の水はねを起こさないために、以下の3点に注意して走行してください。
- 水たまり付近は徐行する
- 歩行者との距離をあけて運転する
- 天候の悪い日は速度を落とす
スピードを落とし、歩行者との距離を開けて運転するのが基本です。
JAFによると、1cm程度の深さの水たまりに時速40kmで侵入すると、車から50cm離れたところにいる歩行者(身長150cm)の肩の高さまで水しぶきが上がります。車両側方へは2mも水が跳ねるとのことです。
時速20kmでも歩行者の足元に水がかかり、時速10kmで水はねが歩道に到達しないと見解を出しています。
時速20kmは車を運転していると遅く感じますが、実際には少し頑張って走っている自転車程度の速さです。意外にスピードが出ています。
そして、歩行者との距離50cmも狭いように思えますが、幅が狭い道路だとそのくらいの間隔で走らざるを得ない場合も少なくありません。
水たまりに侵入するとき近くに歩行者がいたら、時速10km程度までスピードを落とし、できるだ歩行者との距離を開けることが大切です。
また、天候の悪い日は速度を落としての走行も水はね防止に有効です。車を運転していると、水たまりの存在に気がつかないことも少なくありません。
いくら運転手が無意識でも、水はねは水はねです。十分に歩行者との距離をとって水たまりが無いように見えても、念のためにゆっくりと走ることをおすすめします。
歩行者にも優しい運転を心がけよう
天気の悪い日にやりがちな、車の水はねについて解説してきました。
水はねは「泥はね運転違反」や他の罪に問われ罰金を科され流可能性があります。つい逃げてしまったら、罪が重くなることもあります。
天気の悪い日、歩行者の側を通るときはできるだけ距離を開けて、できれば時速10km程度までスピードを落としたいところです。
今回紹介したことを守って走行し、歩行者と自分を守る優しい運転を心がけてください。