取扱説明書通り正しく取付けられていたチャイルドシートは、乳児用・幼児用シート全体で38.4%。これは、JAFが毎年行っている「チャイルドシートの取付け状況、着座状況」調査の2018年の結果です。つまり、残りの61.6%の人は、チャイルドシートを“正しく装着できていない(=ミスユース)”というわけ。この数値、ちょっと驚きますよね。
しかも、ミスユースのほとんどは、「腰ベルトの締付け不足」「座席ベルトの通し方間違い」「座席ベルトの長さ不足」など、シートベルトでの取り付けに関するもの。このミスユースを防ぎ、安全性を高めるのが「ISOFIX(アイソフィックス)」です。
ISOFIX(アイソフィックス)って何だ?
ISOFIXとは、自動車のシートにチャイルドシートを装着する固定方法の国際標準規格
その特徴は、従来のようにチャイルドシートをシートベルトで固定するのではなく、車体側に装着された2点の金具(ISOFIX取り付けバー/ロアアンカー)に、チャイルドシートのコネクターを連結することで、簡単かつ確実にチャイルドシートを装着することができるものです。
さらに、下部を支えるサポートレッグ、または上部から支えるトップテザーアンカーによりぐらつきをなくし、しっかりと固定します。
このISOFIXは、1990年代に欧米から普及が始まり、日本国内では2006年より車両側への対応が義務化。2012年7月以降に販売された新車は、すべてISOFIXに対応しています。
もしも、ご自身のクルマが2012年7月以降のクルマなら、チャイルドシートはISOFIXタイプを選ぶといいでしょう。2012年以前のクルマでも、輸入車や一部車種はISOFIXに対応しているので、チャイルドシートを購入する際は、まずはクルマの確認を。
ISOFIXチャイルドシートの取り付け方法
実際にISOFIXチャイルドシートを取り付けてみました。装着するチャイルドシートは、新生児~4歳ごろまで使用できるタカタ「takata04-i fix」、装着車両はフォルクスワーゲン・ポロ(6R/6C型)です。
まずは、ISOFIXの固定用アームとサポートレッグがつくベース部分をシートに装着します。ベース部にある2本のアームの長さをシートに合わせて調整し、車体側に装着された2点の金具と連結します(カチっと音がする)。連結したら、ベースがぐらぐらしないよう、サポートレッグの高さを調整します。
上がベース部の装着が完了した状態。アーム部もサポートレッグも、ロック部分にきちんと装着できていることを教えてくれる、グリーンのサインが出ていることを確認しておきましょう。
ベース部がしっかり装着できたら、チャイルドシート本体をベース部に取り付けます。本体は、数箇所ある固定部の位置を合わせてカチっと載せるだけでOK。乳児期は後向きに、幼児期になったら前向きに装着します。
ロック部分にグリーンのサインが出ていることを確認。さらに、チャイルドシートがぐらぐらしないかをチェックしたら、装着完了です。
日本では、2000年から新生児~6歳未満の幼児にチャイルドシートの着用が義務付けられました。しかし、「義務だから装着する」のではなくて、「赤ちゃんの安全のために」装着するもの。シートベルト装着タイプに比べて価格が高いという欠点はありますが、逆に言うとデメリットはそれだけ。愛車がISOFIXに対応しているなら、チャイルドシートはぜひISOFIXタイプを!
Text & photo by 木谷宗義
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