今や軽自動車は国内販売台数において多くの割合を占めています。実際に道路を見渡してみると、とある形状の車種が増えていることに気づかれるのではないでしょうか。
今回の記事で取り上げる、軽ハイトワゴンです。軽トールワゴンと呼ばれるときもあります。ハイトワゴンは軽自動車に限らず車内は背も高く、とても広くつくられています。使い勝手の良さが人気の秘訣といえるでしょう。
その中でも特に今人気で売れている軽ハイトワゴンについて、購入を検討している人も、軽自動車について詳しくない人も売れている理由について考えていきましょう。
軽自動車の規格についておさらい
まず軽自動車とはどういったものなのか、おさらいを兼ねて確認していきます。
自動車にも3ナンバー、5ナンバーなどの決まりがありますが、3ナンバー車に大きさの限度があるわけでもありません(実際に作るかどうかは別ですが)。
しかし軽自動車には厳密に規格、決まりがあります。数値は以下の通りです。
- 排気量:660cc以下
- 全長:3.40m以下
- 全幅:1.48m以下
- 全高:2.00m以下
- 乗車人数:4人
この数値は1998年10月からの規格となっています。基本的には、軽自動車はどんどん大型化しています。ただしこのように規格が決まっているということは、どんなに大きく作ろうとしても限界があるということです。
規格数値の立方体を想像してもらうと、それ以上は大きく作れないということがイメージできるでしょう。
これが軽自動車のネックでもあるのですが、考えようによってはエクステリア、ひいてはインテリアの最適解もみえてくるのです。
軽ハイトワゴンとは
その呼び名自体に厳密な決まりがあるわけでもありません。冒頭でも述べたように軽トールワゴンと呼ばれるケースもありますし、人によってはハッチバック車と捉えるケースもあるでしょう。
軽ハイトワゴンは基本的には背の高いハッチバック車といったところですが、この記事ではもう少し車種を絞って進めていきたいと思います。
普通自動車でいうところのミニバンをイメージしてみてください。スライドドアがついている軽自動車になると各社ラインナップも絞れます。
- ホンダ N-BOX
- ダイハツ タント
- 日産 デイズルークス
- スズキ スペーシア
上記の他にもラインナップや大きくエクステリアの異なるカスタムグレード、スポーツグレードもありますが、各社1台ずつピックアップしました。
実はこの軽ハイトワゴン、最近でてきたカテゴリーかというと、そうでもありません。元々商用車としてスライドドア搭載のバン等も存在しており、基本の形はできていたといえます。以前は通常の3ドア、5ドアハッチバックの軽自動車が多かったものの、車内の広さには限界がありました。
一方、商用軽バンは配達や仕事にと荷物を大量に積みながら活躍していました。軽自動車という規格がある以上、車内長を長く狭さを感じさせないヘッドクリアランスを確保するならば、バンのような形状がマストといえます。
その上で、お仕事感のでないデザインと内装の仕立ての良さを兼ね備えたラインナップを各社競っているというところでしょう。
軽ハイトワゴンのおすすめポイント
軽自動車ゆえの不満点、ウィークポイントは否定できないものの今記事ではポジティブな面を掘り下げていきたいと思っております。
まず普段使いにおいては最高クラスの使い勝手といえるでしょう。普段のお買い物での駐車難易度は普通車と比べて楽といえるでしょう。
リアはハッチバックタイプなので荷物を置くのも楽々ですし、多く置けます。思いのほか荷物が多いならば2列目シートを前に出すか畳んでしまうのも良いでしょう。2列目のシートアレンジは力を加えなくても行い易いよう工夫されています。
それでも狭い駐車場ならばスライドドアを開けて2列目においてしまうのもおススメです。オートスライドドア搭載車ならばより快適にアクセスできるでしょう。
子供の送り迎えにも最適です。先ほども述べたようにスライドドアは園児の乗り降りから、赤ちゃんのベビーシートへの動線も完璧です。ミニバンのように車内高も高いので、必要以上に屈んで子供をシートに乗せる必要はありません。
ファミリーカーとしても大規模なキャンプは難しいかもしれませんが、ちょっとしたBBQやピクニックは十分可能です。勿論手持ちのアウトドアグッズや、どういった使い方をするか、積載物の量はどうかのシミュレーションはしっかりとしてください。
家族4人でBBQとなると積載が難しいですが、3人であれば2列目片側を倒すことで対応可能かもしれません。
現在のソロキャンプや車中泊ブームにおいては、軽ハイトワゴンや軽バンは主力車種と言っていい人気となっています。大人2人であれば、大体のことが可能でしょう。趣味や遊びに特化した使い方も、十分可能です。釣りであれば釣り竿を天井に何本も吊るせますし、シートを倒せばクーラーボックスとボックスも十分に置けるでしょう。
大きさや室内容量がある程度決まってくるがゆえに、オーナーさんの創意工夫によって趣味車としての活用も見いだせるのではないでしょうか。
規格の中で軽を最大限楽しむ
このように軽ハイトワゴンは多くの車種があるものの、根本的な差別化は軽自動車の規格から難しいといえます。このカテゴリー自体の使い勝手の良さは納得いただけたでしょうか。
ファミリーの普段使い、セカンドカー、メインカー、趣味のお伴。軽自動車というと使い方が絞られるというイメージもありますが、実際には懐の深い車種もあるということです。
是非ディーラーに立ち寄る際には、軽ハイトワゴンをチェックしてください。今時の軽自動車を侮るなかれ。