【コラム】イラストで語るクルマと衣装のナショナリズムVol.02 アメリカ×フォード F100

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前回から少しばかり間が空きましたが「クルマと衣装」で綴るお話、今回の主役はフォードF100トラック、舞台はアメリカです。

このフォードF100はピックアップトラックとして、それこそ日本で言えば戦後さほど時を経ていないころの1948年にデビューしております。そのときには、一桁のナンバーが付けられたFシリーズとして世に出ているのですが、ご紹介するのは「100」となった2代目です。

通称「パンプキン」と呼ばれるモデルで、アメ車関係のイベントでもたびたび目にいたします。このトラックがどうして今回、お話に出てきたかといいますと、ピックアップトラックこそが、もっともアメリカンなクルマだと思えたからですね。

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なぜアメリカはピックアップなのか?

日本の軽自動車という特殊な規格に対し、アメリカはよく「この規格を撤廃してほしい」といってきます。それではアメリカはどうでしょうか。もちろん、世界中からさまざまなクルマが入ってきてはいるものの、実はこのピックアップトラックだけはそれを許していません。

いえ、許してないわけではないのですが、アメリカに輸出しようとすればものすごい関税がかかります。実は乗用車が2.5%なのに対してピックアップトラックの関税はなんと25%! これでは誰も輸出したいと思いませんよね。

またピックアップトラックは、保険料や税金が安いなど、さまざまな優遇措置が図られているのです(みずほ銀行調べ)。この状況、日本の軽自動車と似ていますね。ですからアメリカでは、地方での足グルマやセカンドカーとしてピックアップトラックがよく使われるのです。

みなさんもアメリカ映画の片田舎でのシーンで、ピックアップトラックが出てくるのを見たことはありませんか? あれは「路面がアスファルトじゃないから」といった機能的な理由ではなく、買いやすいクルマだからみんなが乗っているのです。だから、奥さんや若い子が乗っているんですね。

劇中で主人公の少年の敵役が旧いスポーツカーなんかに乗っていることがありますが、実は彼はとても頑張って保険料なんかを払って乗っているわけです。そう考えるとちょっとしたワルでも嫌な奴でも、思わずほほえましくなってしまいます。

今回の衣装は「アパッチ族」

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アメリカを代表する衣装としてモデルに立っていただいたのは、こちらの衣装の女の子。そう、ネイティブアメリカンの娘さんです。ひとくちに“ネイティブアメリカン”といってもさまざまな部族があり、また部族ごとに特色や風習があります。ホンネを言ってしまえば、彼らは一括りにせずに部族名ごとで呼んでほしいところです。

少なくとも200年以上前なら国と言っていいレベルで決まりごともあったんですよ。

そういうわけでひとつの部族に限定するよりないので、代表で「アパッチ族」の衣装を用意しました。今でこそ彼らも普通にトレーナーやジーンズを着て過ごしていますが、100年前にはそれはもう趣のある姿でありました。現代のお祭りなんかに登場する姿はだいぶ華やかになっていますが、意外にシンプルであり、かつ魅力的な衣装に身を包んでいました。

もともとは北方(カナダの方?)に住んでいたアパッチ族は、現在は他部族とも合流をし、その多くがオクラホマ辺りに在住しているようです。

大航海時代に白人がやってきてからというもの不遇に会い続け(たぶん今もそんなにいい思いはお世辞にもできてはいないと思う)ていた彼らですが、その境遇とは裏腹にとても素敵な言葉や、我々にハッとさせるような言葉を多く残しています。興味が出ましたらぜひ探してみてください。あなたのためになる言葉が見つかるかもしれません。

Text & illust by きもだこよし+Bucket

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