現行のデミオやアクセラ、CX-5といったマツダ車のリヤ周りを見ると、必ず「SKYACTIV TECHNOLOGY」のエンブレムが装着されています。今でこそ「SKYACTIV TECHNOLOGY」は当たり前のように存在していますが、実は画期的なものでした。今回は、マツダの「SKYACTIV TECHNOLOGY」に焦点を当ててみます。
SKYACTIV TECHNOLOGYとは?
「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ・テクノロジー)」とは、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を高次元で調和することを目標に開発したエンジン(ガソリン・ディーゼル)、トランスミッション、ボディ、シャシーなどの新世代技術の総称。エンジンの名称などではなく、「技術群」のことを言います。
7つに増えたSKYACTIV TECHNOLOGY
量産車として世界で初めて14.0の高圧縮比を実現したガソリンエンジン。燃費と低中速トルクを従来比で15%改善した。
ガソリンエンジンと同じ14.0の圧縮比(ディーゼルとしては異例に低い)を実現した、クリーンディーゼルエンジン。走行性能、燃費性能、環境性能を大幅に改善した。
DCT、CVT、従来型のATなど、すべてのトランスミッションの利点を集約した、新世代高効率AT。ロックアップ領域が広くダイレクト感のある走りを実現している。
軽快なシフトフィールと大幅な軽量・コンパクト化を実現した、新世代マニュアルトランスミッション。デミオからアクセラまで、MTをラインナップするのがマツダの特徴。
ロードスター並みの「人馬一体」感を追求し、「走る歓び」を実現すると同時に快適性、安心感を高めた軽量シャーシ。
「走る歓び」を支える高い剛性と、最高レベルの衝突安全性を実現した軽量ボディ。US-NCAP、Euro-NCAP、IIHS、JNCAPなど世界の衝突安全評価を最高レベルでクリアする
2016年に発表された新しい技術。第1弾として「G-ベクタリング コントロール(GVC)」が各モデルに搭載された。これは、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、4輪への接地荷重を最適化。スムーズで効率的な車両挙動を実現するというもの。
進化と深化を続けるマツダ
2010年に発表されたSKYACTIV TECHNOLOGYは、2011年にSKYACTIV-Gガソリンエンジンを搭載したデミオとアクセラを発表。翌年、ボディやシャーシまですべてにSKYACTIV TECHNOLOGYが採用された、CX-5とアテンザがデビューすると、ドライバーの思い通りに走る「走りのよさ」に多くのクルマ好きが驚かされました。SUVのCX-5であっても、ロードスターのように気持ちよく走ることができるのです。
それもそのはず、SKYACTIV TECHNOLOGYは、「世界一のクルマを作るためには、まったく別の発想が必要。クルマの基本を白紙に戻してゼロから作り直す」という思いから生まれたものでした。2012年に登場したCX-5は今年、2代目に進化。デミオやアクセラ、アテンザといったモデルもほとんど毎年改良を受け、クルマとしての熟成が図られています。
SKYACTIVの思想を取り入れてからのマツダは、クルマを「進化」させてきたと同時に「深化」させてきたとも言えるでしょう。SKYACTIV TECHNOLOGYの登場が、マツダの存在感を大きく変えたことは間違いありません。
<関連リンク>
マツダのクルマづくり「SKYACTIV TECHNOLOGY」
http://www.mazda.co.jp/beadriver/dynamics/skyactiv/
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text by 木谷宗義+Bucket
画像提供:マツダ