トヨタのクラウンは日本を代表する車種として、発売当初から「いつか乗れるようになりたい」と皆が憧れたクルマでした。「高級車」のイメージから、黒か白色の角ばったボディを想像する方も多いのではないでしょうか。
しかし、色もカタチも時代とともに変化を遂げています。今回は、そんな進化し続けるクラウンの斬新な色使いについての問題です。
- ①空色
- ②黄色
- ③桃色
- ④若草色
解答:②黄色
いかがですか。「え?そんな色出てたっけ?」と思われた方もいるかもしれませんね。
それでは、解説を見ていきましょう。
CMで松嶋菜々子さんが乗っていたあのクルマ
問題にもある14代目クラウンのキャッチコピーは「CROWN Re BORN」。
これを聞いて、木村拓哉さんやビートたけしさんの出ていた戦国武将シリーズのCMを思い出された方も多いのでは?「桃色」というとピンと来ないかもしれませんが、CM中で松嶋菜々子さんが乗っていたクルマがピンク色のクラウンでした。
CMを見たとき、「え?クラウンがピンク?」と驚いた方も多いはず。このピンク色のボディカラーは、『ドラえもん』の「どこでもドア」をモチーフとしているという話もあるようです。「かわいいから」じゃ、なかったんですね。
ちなみに、特別設定色であるカラーには「モモタロウ」という名前がついています。
インテリアのカラーコーディネートは、くるまマイスター検定の応援団長でもある演出家のテリー伊藤さんが手掛け、ブラックの内装色にシート、ドアオーナメント、シートベルトなどには特別設定のホワイトを取り入れ、メーターやスイッチ系、オーナメント、ステッチ等にはピンクを差し色に使った、特別感のある室内空間になっているそうです。
最初はCM用だけのつもりだった2色
2015年になり、以前からテレビCMに登場していた空色、および若草色のクラウンが1か月間の期間限定にて注文販売されました。誕生60周年記念特別仕様車「アスリートS/アスリートS Four”空色edition”」と、「アスリートS/アスリートS Four”若草色edition”」です。
この2色は、当初CM用に製造されたもので、販売はされない予定だったそうですが、CMを見た多くの人から要望が寄せられたのか、数量限定で発売されることになったようです。
内装はシートやインパネ、シートベルトなどをホワイトで統一し、ボディカラーに合わせたステッチが施されています。ピンクのクラウンもそうですが、白い内装って、個性的でおしゃれですよね。
ということで、正解は②の黄色が、現在までに設定されたことのないカラーでした。
日本人の繊細さを表したカラーも登場
ちなみに現在(2015年10月1日以降)は、「アスリートS」系と「アスリートG」系にはパッケージオプションとして、新ボディカラー12色が用意されています。
「天空(ソラ、ピュアブルーメタリック)」や「茜色(アカネイロ、オレンジメタリック)」など、日本の伝統的な言葉や詩を基にした優美な名前になっています。さらには、熟練者の手吹き塗装で色調整が行われているこだわりぶり。
インテリアカラーは白・黒・こがねの3色があります。こがね色は新鮮です…!
斬新なカラーは「挑戦しつづける姿勢」
14代目クラウンの発表会の際、トヨタ自動車の豊田章男社長は「社内で提案を受けたときに、まさかピンクじゃないでしょ?と驚いた」というエピソードをお話しされたそう。
しかし、誰もが驚くカラーにチャレンジすることは、「Re BORN」というメッセージを分かりやすく伝えるのに、とても効果的でした。クラウンの購入層も幅が広がったのではないでしょうか。
クルマの性能も生活の中での位置づけも、その時々で変化しますが、クルマ業界にはこれからも良い意味で期待を裏切り続けてほしいですね。
text by 早倉咲良(さくら さくら)