皆さん、こんにちは。自動車販売店向け研修講師兼ライターの内田憲志です。
こちらのコラムでは、長く中古車業界に携わってきた経験から、皆さんの中古車購入に役立つ情報をお話しています。今回は、他人と“かぶらない”車選びとそのポイントと注意点についてお話します。
“かぶりがち”な軽自動車
販売台数が多い軽自動車は“かぶりやすい車”
洋服で友人らと“かぶる”ことを嫌がるように、車でも“かぶる”ことを嫌がる人がいるでしょう。維持費の安さと実用性の高さから、幅広い層に人気がある軽自動車は、“かぶりやすい車”と言えます。軽自動車の種類は豊富ですが、人気が集中する車は限られますからね。欲しい車種があったとしても、それを既に所有している友人や知人がいたり、近所の家にあったりして、「同じ車はイヤだな」と購入を思い留まった経験をお持ちの人がいるでしょう。
同じと言えば同じ?違うと言えば違う!?
「あの車が欲しかったのに、友達に先に買われてしまった・・・」そういう時は、欲しかった車が別ブランドで売られていないのか、調べてみると良いでしょう。例えば、スズキの『ハスラー』は、マツダで『フレアクロスオーバー』という車名で、ダイハツの『タント』は、スバルで『シフォン』という車名でそれぞれ販売されています。このように、あるブランドが製造販売している車を別ブランドに供給することを『OEM供給』と言い、販売されている車を『OEM車』と言います。特に軽自動車では、このOEMが活発に行われています。
“本家”とOEM車を比較すると、軽自動車の場合、エンブレムが異なる程度が多いのですが、車種によってはフロントマスクで差別化を図ったり、グレード展開が異なったりする場合があります。それらは、同じ車をベースにしているとは言え、そもそものブランドも異なりますので、違う車と言えば違う車と言えるでしょう。他の人と「かぶりたくない」と思ったら、OEM車に目を向けてみると良いかもしれません。
ダイハツ ミライースは、トヨタとスバルにOEM供給される
「街中で、同じ車とすれ違いたくない」という車選び
輸入車は台数の少なさが魅力のひとつ
「街中で見かけない車が良い」ということであれば、輸入車という選択肢があります。「私だけの車」という感覚で高い所有満足度を得られるモデルが、手頃な価格で探せますから。特に市場での人気や知名度がイマイチの車なら、街中で見かけることはほとんどありませんし、それが中古車なら驚くほどリーズナブルなプライスでゲットすることができるでしょう。
街中ですれ違うことがない車の注意点
「街中で同じ車はまず見かけないよね」という車は希少車です。「他人と同じ車はイヤ」という人にとっては、その希少性が所有満足度を高めてくれます。しかし、注意したい点もあります。それはメンテナンス関連です。点検修理をしてくれる整備工場は探せばあるでしょう。困るのは、正規輸入車でも「部品が日本国内に無い!」という時です。比較的新しいと思える車でも、何か部品交換をしようとすると「国内で1個だけ在庫がありますね」と言われたらまだラッキーな方です。日本国内に部品の在庫が無いと、本国から取り寄せとなり、整備や修理で思わぬ日数を要することがあるのです。それが、本当に愛せる車ならば、多少修理に時間を要しても、苦にはならないとは思いますけどね。しかし、“希少車”は部品在庫も僅少である可能性が高い、ということを十分に理解した上で購入するようにしましょう。
「自分だけの車」そういう感覚になれれば、輸入車の所有満足度は高い!
私自身、他の人とかぶらない車選びをしていまして、所有しているのは知名度が低い、もしくは国内での流通台数が少ない車ばかりです。よって、部品のことで「困ったな」と思ったことが何度かありました。それから、「今、車は何に乗っているの?」と聞かれた際、車名を答えても「何それ?聞いたことがない。見たこともないかも。どんな車?」という反応なので、説明をするのが面倒ですね(苦笑)。でも「ナイスなチョイスですね!」とか「そんな車、よく探し出しましたね」と言われるのが、ちょっぴり快感でもあります(笑)。
これからも、ときどきこうした車購入ノウハウをご紹介していきますので、よろしくお願いします。
text by 内田憲志