JAIA試乗会レポートの第4弾は、Audi S4をご紹介します。AudiS4は、昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤーでインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたアウディA4シリーズの高性能モデルで、昨年10月にデビューしたばかり。A4シリーズの完成度の高さから、その出来が気になっていた一台でもあります。
新型S4は、昨年にフルモデルチェンジしたA4をベースとしているだけに、こちらも大幅に進化しているのがポイント。パワートレインも一新され、新開発の3.0LのV6ターボエンジンに8速ATを組み合わせて搭載しています。その性能は、最高出力354ps/5400~6400rpm、最大トルク500Nm/1370~4500rpmとかなりパワフルで、0-100km/hを、4.7秒(セダン仕様)で駆け抜けます。しかしながら燃費性能は、12.7km/Lというバランスの良さを見せてくれます。
専用デザインのエクステリアは、小ぶりながら各部の空力性能を強化。派手さはないものの、インチアップされた大径ホイールや左右出しのデュアルエグゾースト、そして特別なモデルであることを示すSのエンブレムが、このクルマが只物でないことを訴えています。
インテリアは、基本A4に準じますが、カーボンパネルなどを取り入れたブラックに統一されたクールな仕上げ。アルカンターラとレザーのスポーツシートも装着され、メーターパネル表示もS仕様となるなどスポーツドライビングを楽しむ環境が整えられています。
走りは、優等生のA4と比べると、かなり刺激的。ただ良く躾られており、乗り心地も硬質でありながら、快適性もしっかり加味したものに仕上げられています。このオールマイティさは、S4伝統の持ち味でもありますが、新型A4の進化がプラス要素として働いているように感じられます。家族を乗せたり、スポーツを楽しんだりするなら、より実用性の高いワゴン仕様のS4アバントを選ぶことも可能。そんな欲張りを受け入れてくれるのも、アウディSモデルの魅力といえそうです。
text & photo by OHTO Yasuhiro