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【カーライフ】さらなる楽しみを求めて限定解除! ―マツダ ロードスター(1998年式)―


あなたは自動車に何を求めますか? みんなとワイワイ乗れるミニバン、それとも街中をスイスイ走れるコンパクトカー? もし、自動車に日常から少し距離を置くような、そんな刺激を求めるならば、“オープンカー”という選択肢はあなたにとって素敵な選択かもしれません。中でも世界中のオープンカーに影響を与えた日本車、そのクルマこそマツダ・ロードスターです。

1989年、当時マツダのプレミアムブランドであった「ユーノス」から発売されたロードスターは日本ではバブルの好景気の発売ともマッチし、オシャレなオープンカーとして老若男女問わずに大ヒット。一躍、オープンカーを身近な存在にします。しかし、その真のポテンシャルは、マシンとドライバーが一体になったかのような「人馬一体」のドライバビリティにありました。

そこから生まれる“オン・ザ・レール”の走り。この上ない運転の心地よさは一度味わうだけで虜になる人も多く、そんなロードスターの魅力にハマったオーナーさんがここにもひとり。

揺れる心、君に決めた!ロードスターとの出会い

2代目ロードスター(NB型)は1998年デビュー。1600ccと1800ccのエンジンを持つ。後期型には1800cc+ターボモデルも用意された

この白い2代目「NB型」ロードスターのオーナーは優さん、今年27歳。社会人生活を始めて数年を経て手に入れたクルマです。まずは購入までのストーリーを聞いてみました。

「大学卒業後、製造関係の会社に入社しました。ものづくりに携わっている影響からなのか、人が日常で使うツールのような側面に興味があり、当初はフォルクスワーゲン ポロか最終型の三菱 ランサーセダンなどベーシックで質の高いクルマを購入しようと考えていました」

しかし入社後、同僚たちが続々とクルマを購入していくなかで、自分の欲しいクルマも次第に変わっていったと言います。

「同期は1990年代のシビックSIRやセリカGT-FOUR、ソアラ、RX-7など、2010年代後半とは思えないような、走りのクルマばかり買うんです。当然みんなで遊びに行くのは箱根のターンパイクなど、車好きが集まるスポット。助手席の私は否応なしに連れ出されていました(笑)」

初代に対し5mm全幅を拡大しつつ全長は15mm短縮されたボディ。デザインでは初代がとり正されることが多いが、NB型も抑揚のある流麗なボディがセクシーだ

始めのうちは、クルマで集まって何時間もしゃべるという行為の何が楽しいのかよくわからなかったという優さん。しかし、同僚たちに連れ回される中で、どんどん自分の車像が変わっていくのが解ったといいます。

「みんな、クルマのことがすごく大事なんです。ときに相棒のようだったり、寒い日でも集まって洗車したりして。そういう時間が羨ましく感じられるようになりました」

そんな仲間たちやクルマと過ごす中で、1台のクルマに惹かれていきます。それがロードスターです。

「同僚が3代目のNC型ロードスターを購入したんです。最初に乗ったときは小さなキャビンのクルマだなと感じていたのですが、幌を開けて乗ると解放感が抜群ですぐに虜になりました。 また、今まで運転したクルマの中でも、挙動や音など体に伝わる感覚がしっくりきたんです。クルマの知識が深くない自分にもその差ははっきりとわかりました」

オープン時。真冬にロードスターは厳しいと思われがちだが、ヒーターがしっかり効くため思ったほど寒くはないそう。オーナーさんいわく”露天風呂”の気分

ロードスターに初めて乗った日から各世代のロードスターを中古車サイトで探す、日々となった優さん。

「最初はリトラクタブルヘッドライトが気に入って、初代のNA型を探しました。でも、友人たちと一緒に探していく中で、NA型をベースに作られた2代目のNB型の方が、基本性能が高くて走りも楽しいのかも、とNB型に的を絞りました」

難航するロードスター探し

そこから数カ月かけてロードスター探しに夢中になっていきますが、その中で気付いたことがあったと言います。

「オートマのロードスターに比べてマニュアルのロードスターって中古の相場が高いんです。今までオートマ限定免許だった自分はオートマに乗ることしか考えていなかったのですが、ひょっとしてそんなに人気のあるMT車って楽しいのでは?と思って、限定解除をするために教習所に通い始めました」

ロードスターという存在に触れてから、行動力が次第に大きくなっていったという優さん。気付けば仕事と教習所とNBロードスター探しを同時並行で行う日々に。そんな中で特に気になるNB型ロードスターが……。

エンジンは1600ccで125ps。MTのおもしろさを引き出せるエンジンはコンパクトボディにもうってつけだ

「実家に近いところで前期型1600CCのNBロードスターを見つけました。正直、走行距離も多く、中古車情報で見る限り少し不安な固体でした。しかし、お店で試乗させてもらうとクルマの程度も悪くなく、ライトチューンされていることや整備が行き届いている雰囲気も好印象で即決してしまいました」

待ちに待った愛車。期待が止まらない!

それからは、納車されるまでMT車のイメージトレーニングに余念がなかったと言います。友人が持っているMTの軽自動車などで練習しながら、心待ちにしていたそう。

「ロードスターが来るまでは、ワクワクしてちょっと子供みたいでした。いざ、自分のモノになって乗ってみると、いつもの街が違うように見えたんです。それまでは何となくクルマに“乗せられている”という感覚が強かったのですが、クルマを“自分で操る”という気持ちが強くなりました」

MTとオープン、2つの憧れを詰め込んだ愛機を手に入れた優さん。これまでのロードスターとの思い出を伺ってみました。

「実家から離れて住んでいる妹にロードスターを見せに行きました。と、いうのも実は妹もオープンカーを欲しがっているのを知っていて、サプライズで見せに行ったんです。妹を助手席に乗せると本当に喜んでいました。最近ではソウルレッドのNDロードスターを買うためにバイトで頭金を始めると意気込んでいます(笑)」

ロードスターで広がっていくオープンカーの輪、運転する人だけでなく、パッセンジャーをも笑顔に、そして非日常へいざなってくれる。そんなクルマの選択肢も素敵かもしれませんね!

text & photo:TUNA
edit:木谷宗義

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