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高速道路の渋滞予測はどうやって予測されているの?

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みなさまは、高速道路の渋滞はどうやって予測されているかをご存じでしょうか。

過去の統計やリアルタイムの交通情報による予測をはじめ、今ではAIを活用した渋滞予測もあります。

本記事では、高速道路の渋滞はどうやって予測されているのか、AI渋滞予知とは何か、リアルタイムの渋滞情報はどうやって調べているか解説します。

高速道路の渋滞予測はどうやって予測されているの?AI渋滞予知とは?


高速道路の渋滞をどのように予測しているのか解説します。

渋滞予報士が予測している

高速道路を運営・管理する会社(NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本)に「渋滞予報士」と呼ばれる渋滞を予測する担当者が在籍しています。

渋滞予報士は、気象予報士のように資格が必要ではありませんが、エキスパートとして日々渋滞を予測しています。

過去3年間のデータを元に予測

渋滞予測には過去3年間程度のデータが用いられます。
高速道路に設置された通過する車の速度や台数を計測する「トラフィックカウンター」によって交通量が記録され、日々データが蓄積されます。

また、過去のデータによって交通渋滞が起こる要因の解析も可能です。
工事や事故以外に、地形、天候、イベントの有無、新規路線の開通、料金割引制度の変更などが主な要因に挙げられます。
特に上り坂やサグ部(下り坂から上り坂にさしかかる箇所)では、無意識のうちに速度が低下する車が多く、渋滞が発生しやすいといわれています。
インターチェンジやサービスエリア出口といった合流地点も、渋滞が起こりやすい箇所です。

過去のデータやさまざまな要因、リアルタイムな交通情報を組み合わせて、渋滞予報士が渋滞の起こる時間や距離などを予測しています。

また、Googleマップにも渋滞予測機能が搭載されています。
各ユーザーのスマートフォンから匿名の位置情報と移動速度情報を収集し、リアルタイムに計算して、渋滞を予測していることが特徴です。

新しく開通した高速道路の予測方法

新しく開通した高速道路のように、過去のデータを利用できない高速道路を予測する場合もあります。
その場合「トラフィックカウンター」のデータ、24時間365日巡回をしている交通管理隊や料金所のスタッフからの連絡を活用します。

渋滞予報士は、トラフィックカウンターのデータやスタッフからの連絡を活用して渋滞を予測した後も、実際の渋滞結果を把握・分析して、渋滞予測の精度向上に取り組んでいます。

新たな予測方法にAI渋滞予知がある


新たな渋滞予測方法に、AIを活用した渋滞予知があります。AI渋滞予知の概要、今後期待できることを解説します。

AI渋滞予知とは?

AI渋滞予知とは、携帯電話会社が保有している人口統計データや高速道路運営会社が持つ過去の渋滞実績などを用いて、AIで渋滞を予知するシステムです。

携帯電話会社は、個人の携帯電話通信状況を利用して、どこにどれだけの数の人がいるか把握できます。天気やイベントの有無などでどの程度人出が変化するのか、統計的に推測可能です。

携帯電話会社が保有している人口統計データと、高速道路運営会社が持つ過去の渋滞データを、AIに学習させます。
多くのデータを学習したAIによって、人出と交通量の関係、交通量と所要時間の関係などの算出が可能です。

AIによって、当日の天気やイベントの有無も考慮した、高精度の渋滞予知が実現されました。

AI渋滞予知で今後期待できること

渋滞予知を見た人が出発時間や経路を変更することで、渋滞緩和が期待できます。

現在、AI渋滞予知は、東京湾アクアライン上り線や、関越自動車道上り線といった関東地方の一部の高速道路にしか提供されていません。
東京湾アクアライン上り線では、14時以降の渋滞予測のみが提供されています。

今後、AI渋滞予知の研究が進み、全国的に普及することが望まれます。

高速道路のリアルタイムの渋滞情報はどうやって調べている?


渋滞の定義、「VICS」や「トラフィックカウンター」といった用語の解説をします。

渋滞の定義

NEXCO中日本、東日本、西日本では、高速道路上で「時速40km以下で低速走行あるいは停止発進を繰り返す車列が、1km以上かつ15分以上継続した状態」を渋滞と定義しています。

ただし、統一的な定義はなく、京葉道路や東京湾アクアラインなどでは、異なる基準が定められています。

VICSとは?

「VICS(ビックス)」は、「Vehicle Information and Communication System(道路交通情報通信システム)」の略称で、渋滞や交通規制といった交通情報をリアルタイムにカーナビへ伝えるシステムです。

道路上に設置されたFM多重放送や情報発信装置(ビーコン)から、渋滞、事故、工事、速度規制、車線規制などの交通情報がカーナビへ送信されます。
カーナビは受信した交通情報をディスプレイに表示し運転手に知らせます。

VICSを提供しているのは、一般財団法人道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)で、警察や道路管理者から交通情報を集めているのは、日本道路交通情報センター(JARTIC)です。JARTICが集めた交通情報を、VICSがカーナビへ届けます。

VICSの渋滞情報を活用すれば、早めのルート変更によって渋滞する道を避けられます。
スマートフォンでも渋滞情報を調べられますが、VICSならば、運転中にカーナビを操作しなくても自動的に渋滞情報を得られます。

トラフィックカウンターとは?

「トラフィックカウンター」は高速道路に設置された通過する車の台数や速度、小型車・大型車の判別をする計測器です。
首都圏の高速道路では、約2kmごとに設置されています。

道路に埋め込まれたループコイル式、カメラ撮影による画像処理方式、超音波パルスを利用する超音波方式が、トラフィックカウンターの種類です。

トラフィックカウンターで計測したデータは、道路管制センターに送られ、渋滞予測に役立てられます。

まとめ


高速道路の渋滞はどうやって予測されているのか、AI渋滞予知とは何か、リアルタイムの渋滞情報はどうやって調べているか解説しました。

過去のデータやさまざまな要因を用いて、渋滞予報士が渋滞の起こる時間や距離などを予測しています。
携帯電話会社が保有している人口統計データと、高速道路運営会社が持つ過去の渋滞データを学習したAIが、渋滞を予測するシステムもあります。

運転中に渋滞情報を知りたい場合は、VICSを利用しましょう。

渋滞予測を活用して、渋滞する道を避けながら、快適なドライブを楽しんでください。

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