カーシェアとは、会員同士で車をシェアして気軽に使えるサービスのことです。
その多くがスマホのアプリなどで車両予約するシステムで、借りる際にスタッフと対面したりする必要もなく、コロナ禍でも非接触型のサービスとして重宝されています。
今回は、気になっているけどまだ利用したことがないというカーシェア初心者の方に向けて、仕組みやレンタカーとの違い、実際の利用方法などを解説していきます。
また、カーシェア初心者におすすめしたい5社もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
カーシェアリングの基礎知識
そもそも、カーシェアリングとはいったいどんなサービスなのでしょうか。
初心者の方は「誰かから車を借りるの?」「レンタカーみたいなもの?」という疑問がわくかもしれません。
それではまず、カーシェアの仕組みやメリット・デメリットをご紹介していきましょう。
カーシェアの仕組み
カーシェアとは、特定のカーシェアサービスに入会して月額基本料金を払い、そのカーシェアが展開している「ステーション」(カーシェア専用車両の置き場)の空き車両をスマホアプリなどで予約していつでも使えるサービスのことです。
車を使う時は、時間に応じて利用料金を支払います。料金体系はカラオケにも少し似ていて、15分200円だったり、6時間パックやお得なナイトパックなどが用意されていたりと短時間~長時間まで気軽に選ぶことができます。
車のカギの解錠・施錠は専用のカードキーやスマホなどを使い、事務所での鍵の受け渡しなどは発生しません。
利用終了時間までに車を元のステーションに返却すれば1回の利用は終了。利用料金には保険料や駐車場代はもちろんガソリン代まで含まれているので、マイカーのように日々利用したとしても維持費が0円で済むのは嬉しいポイントです。
カーシェアとは?
カーシェアの仕組みがあまりピンとこないという方は、最近街中でよく見かけるようになったシェアサイクル(自転車)を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれません。
専用のポート(駐輪場)にいくつも同じカラーの自転車が並んでいて、カード決済などの手続きを済ませれば、空いている自転車に自由に乗れるというものです。
また、シェアサイクルのような方式の他に、個人間でオーナーと利用者が特定の車をシェアする「個人間カーシェア」というサービスもあります。
ただし今回はこの個人間カーシェアではなく、一般的なカーシェアサービスについてご紹介しています。
カーシェアのメリット
- スマホだけで、対面ナシで手続き完了
- 24時間予約・利用OK
- 数十分単位で安くチョイ乗りできる
- 利用料に保険代・ガソリン代がコミ
カーシェアのメリットは、何といってもスマホだけで手続きが完結し、面倒なやり取りナシで車に乗れるところでしょう。
店舗や事務所で申込書を記入したり説明を受けたりなどは不要で、入会時も利用時もスタッフとやりとりをすることなく車を使うことができます。コロナ感染対策として公共交通機関を使わずに移動したい人や、また人見知りの人なども気兼ねなく利用できる非接触型サービスと言えるでしょう。
また、24時間予約・利用ができ、短時間のみ少額で利用できるのも嬉しいポイント。利用料金に保険代とガソリン代がコミコミになっているのも好評です。
カーシェアのデメリット
- 他会員が予約済みの場合、希望のステーションで借りられない
- 乗り捨てできない
- 車種が限られる
- 清掃が行き届いていない場合がある
一方カーシェアのデメリットは、希望のステーションで空き車両がない場合があるため、必ずしも「いつでも好きな時に乗れる」わけではないことです。
またレンタカーや前述のシェアサイクルのように「乗り捨て」(系列の別営業所やポートに返却すること)ができず、返却の際は必ず借りたステーションに返さなくてはならないので、不便な場所で借りてしまうと返すのも大変になります。
それから、車種についても店舗のような豊富な取り揃えはないので、国産のオーソドックスなものがほとんどとなります。スポーティな車やミニバンなど大きめのものはあまり期待できないでしょう。
なお、洗車や使用後の内装の清掃などはあくまで利用者がマナーとして行うもの。毎日スタッフが巡回しているわけでもないので、その点は理解して綺麗に使いましょう。
おすすめのカーシェア利用方法
おすすめのカーシェア利用法としては、まず、利用しやすい場所にあるステーションをいくつかピックアップしておき、用途に合わせて利用シーンを想像しながら使うということです。
カーシェアはあまりカッチリとした確実な車の利用方法ではありませんが、それをふまえた使い方に慣れると便利に感じるでしょう。
仕事で地方回りが多かったり、旅行好きの方などは、バスやタクシーと並んでカーシェアが使えると快適さや行き先の選択肢も増えてきます。
カーシェアとレンタカーの違い
カーシェアと似たサービスにレンタカーがありますが、具体的にはどこが違うのでしょうか。
カーシェアとレンタカーの比較表
内容 | カーシェア | レンタカー |
---|---|---|
月額料金 | あり(ないプランも有) | なし |
店舗・対面手続き | なし | あり |
走行距離と料金 | 走行距離短いとお得 | 走行距離長いとお得 |
車種・台数 | 少ない | 多い |
乗り捨てサービス | なし | あり |
ガソリン満タン返却 | 不要 | 必要 |
カーシェアの利用がおすすめな人
- 短い時間だけ乗る人
- カーシェアステーションが近くにたくさんある人
- 仕事や旅行などでいろいろな場所を訪れる人
- 車種にこだわらず、移動手段の一つとして使いたい人
- 駐車慣れした人
カーシェアの利用がおすすめな人は、短い時間でのチョイ乗りが多い人でしょう。
前述のデメリットに挙げたとおり、カーシェアはあまり確実な車の利用方法ではありません。都心部などに住んでいてカーシェアのステーションが周りに多くあり、電車やバスなど他の交通手段もある中で、カーシェアも選択肢の一つにあると利便性が高まります。
このため、自営業などでいろいろな場所を訪れたり、旅行によく行く方にもおすすめ。あくまで足としての車であって、車種は何でもいいと割り切っているとなおいいでしょう。
また、出入口が狭いステーションなどがある可能性もあるので、車に乗り慣れた方だとさらに使いやすいかもしれません。
レンタカーの利用がおすすめな人
- 長距離を移動する人
- いろいろな車種から選びたい人
- 車を使う予定日などがしっかり決まっている人
- スタッフがいる方が安心する人
- 運転初心者の人
レンタカーの利用がおすすめな人は、やはり長距離の移動を考えている人です。
長距離ドライブとなれば乗り心地や運転のしやすさの面でも車種選びは大切。車種や台数も豊富なレンタカーなら、たとえ希望の車種が借りられてしまっていても別の選択肢があります。
車を借りられる確実性についても、カーシェアと違って、店舗に車が1台もなくて別店舗に行くしかないなどということはあり得ません。しっかり予定を組んで車を使いたい方はレンタカーがいいでしょう。
また、店舗で丁寧な説明を受けたい方、スタッフの手で綺麗に清掃された車を使いたい方にもおすすめ。狭い駐車場で手間取ってしまう運転初心者の方なども、店舗前で受け渡せばよいレンタカーはラクかもしれません。
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【絶対保存版】カーシェアとレンタカーを徹底比較!メリット・デメリット等を詳しく解説!
初心者でも分かる!カーシェアの利用方法
それでは、カーシェア初心者の方にもわかりやすいように、ここで入会~返却までの利用方法の流れをご説明しましょう。
カーシェアに入会
まずは、気に入ったカーシェアのサービスを選び、入会の手続きをしましょう。
手続きはインターネット上で行い、運転免許証と支払いのクレジットカードなどを用意すればすぐに入会できます。その際、サービスによっては初期費用として車の解錠・施錠に使うカードキー代などがかかります。
そしてこのカードキーが手元に届けば実際にカーシェアを利用することができます。また、最近はスマホなどを用いた「電子鍵」を利用することで、即日利用が可能な場合もあります。
車をネットで予約
入会とキーの入手が済んだら、スマホのアプリやインターネットなどで使いたい車両を予約します。
ステーション別、車種別などで検索し、予約状況をチェックして空いていればすぐにでも乗ることができます。予約は2週間くらい先まで出来ることが多いようです。
会員カードやICカードで解錠
予約の時間に該当のステーションに行き、借りる車を解錠します。
この時使うのは、カーシェアの会員カードか、または入会したカーシェアサービスで利用できる交通系ICカード、スマホなどです。
カーシェアの車には後部座席やリアウィンドウなどにカードやスマホをかざす目印となるシールなどが貼ってあるので、その場所にカード等をかざして解錠します。
車に乗り込んだら、グローブボックスなどに車のエンジンキーが入っていますので、それを取り出して運転します。
なお、利用中の車の乗降時はこのエンジンキーを使用します。
給油・洗車(必要がある際)
レンタカーではガソリンの満タン返却が基本ですが、カーシェアではその必要はありません。
ただし、ガソリンが半分以下くらいになったら、利用者が自分で給油を行いましょう。この時、ガソリン代は利用料金に含まれていますので、車内の給油専用カードを使っての支払いとなり、実費は発生しません。
ただ、当然給油の手間は発生しますので、給油を行うと割引やポイントサービスが受けられることがあります。
洗車も同様で、ガソリンスタンドなどで洗車を行うと割引になることも。
カーシェアは、スタッフや管理人が巡回して給油や洗車を行っているわけではありません。あくまで利用者同士でシェアしていることを忘れず、綺麗に使いましょう。
車を返却
返却は、借りたところと同じステーションで行います。
エンジンキーや給油カードなどを元の場所に戻し、車を降りて、解錠した時と同じ目印にカードやスマホをかざして施錠すれば返却終了です。
この時、車内にゴミや忘れ物などがないよう注意しましょう。
万が一返却が利用終了時間に間に合わない時は、延長手続きができる場合があります。手続きなどを怠ると高額の超過料金がかかる場合もありますので時間厳守を心がけましょう。
カーシェア初心者がサービス選びで注意すべきポイント
慣れると便利なカーシェアですが、初心者は見落としがちなポイントもいくつかあります。
ここで、料金、ステーション、車種、チャイルドシートについて注意すべきポイントをご紹介しましょう。
月額料金と課金ルール
まず料金ですが、基本的には月額料金+時間ごとの利用料金となります。
ただし、6時間以上の連続利用の場合「距離料金」として1kmあたり十数円がかかる場合があります。6時間以上の利用が多い方はチェックしておきたい項目です。
また、長めに借りておいて予定より早く返却した場合、利用分のみの料金で済むカーシェアもあります。これだと返却に余裕が持てるため、カーシェア初心者にはおすすめです。
そして基本的に月に1度も使わなくても月額料はかかりますが、中には時間単位の料金が少し割高な月額料無料プランを用意しているサービスもあります。
使う月と使わない月で入退会を繰り返すことも出来ますが、利用頻度にムラがありそうな人はこういったサービスを探してみましょう。
ステーションは近くにあるか
ステーションは、やはり自宅のすぐ近くに、できれば数ヶ所あるのが便利です。
最寄りのステーションの車両が借りられてしまっていても、いくつか候補があればぐっと利用しやすくなります。
また借りるステーションと返却するステーションが同じことも注意。例えば自宅から離れた沿線の駅前などでふらりと借りてしまうと、深夜に返却したら帰宅手段がないなんてこともあり得ます。
また、ステーション数が多いカーシェアを選べば、お出かけ先などでの選択肢も広がります。
ただ、よく使うステーションはできれば事前に訪れて、車の出し入れのしやすさなどをチェックしておくと安心です。
車種と乗車人数
カーシェアは、レンタカーなどに比べてあまり車種が豊富ではありません。
どうしてもこのメーカー、この車種がいいという好みがある方は、カーシェアにはあまり向いていないでしょう。
また、たとえば家族や親戚など大人数で使いたい場合、6人、7人乗りのミニバンやSUVは品揃えが少ないので利用したいときにすぐ借りられない可能性があります。
レンタカーで用意されている軽トラなども同様で、大きな荷物運びや引っ越しに使いたいというニーズにもあまり適していません。
チャイルドシートの貸し出しの有無
小さなお子さんがいる家庭では、必ず設置が義務付けられているチャイルドシート。
レンタカーの場合は店舗で貸し出してくれることがありますが、あらかじめチャイルドシートが設置されたカーシェアの車両はあまりありません。
もし頻繁に使いたいのであれば、それぞれのカーシェアのホームページなどから、チャイルドシートについて調べておくのがよいでしょう。
ただし、4才~10才ほどを対象とした「ジュニアシート」はトランクに収納されていることが多いようです。
カーシェア初心者におすすめのサービス5選
それでは、ここからカーシェア初心者にもおすすめのサービスを5つご紹介しましょう。
おすすめカーシェアその①:楽天カーシェア
初期費用 | 0円 |
---|---|
月額料金 | 0円 |
利用料金 | 220円/15分~ |
ステーション数 | 2つのカーシェア合計で約2,000箇所 |
楽天カーシェアは楽天グループが運営するカーシェアサービスで、「オリックスカーシェア」「カリテコ」という2つのカーシェアを両方利用できるサービスです。
一番の特徴は、初期費用と月額基本料が0円であること。そのため、利用頻度にムラがある人や気軽に始めてみたい初心者にもおすすめのカーシェアとなっています。
全国のステーション数は、2つのカーシェアで合計2,000箇所以上。利用用途やステーションの場所、料金によって使い分ければ賢く利用できます。
維持コストがかからないので、他のカーシェアと掛け持ちするのもおすすめです。
※2024年6月25日時点で確認した情報です
おすすめカーシェアその②:dカーシェア
初期費用 | 0円 |
---|---|
月額料金 | 0円 |
利用料金 | 200円/15分~ |
ステーション数 | 5つのカーシェア合計で約8,000ヶ所 |
dカーシェアはドコモが運営するカーシェアで、東京や大阪を中心にステーションを全国約8,000ヶ所で展開しています。
dカーシェアに入会すると、以下の5つのカーシェアをすべて使えるようになります。
- オリックスカーシェア
- 三井のカーシェアーズ(旧:カレコ)
- カリテコ
- トヨタシェア
- NISSAN e-シェアモビ
入会費、初期費用、月額料金は0円で、月々の負担なく多くのカーシェアを利用できるのがdカーシェアの魅力。上記の5つを合わせると、ステーション数は全国で8,000ヶ所以上にものぼります。
お出かけ先で使えるカーシェアを増やしたい、たくさんの選択肢からピッタリの車を選びたいという方にピッタリ。5つのカーシェアでは初心者でも使いやすい人気車から、自動車メーカーが運営するカーシェアならではの車種などラインナップもバラエティに富んでいます。
ドコモユーザーでなくともdアカウントを無料作成すれば使えるので、カーシェアを検討している方は要チェックのサービスです。
おすすめカーシェアその③:アースカー
初期費用 | 0円 |
---|---|
月額料金 | 0円 |
利用料金 | 1,000円/6時間~ |
ステーション数 | 約18ヶ所 |
「アースカー」は、ステーション数は全国で100以下と少ないですが、何といっても料金の安さが特徴のカーシェアです。
月会費は0円で、利用料金は車種クラスごとでなく、車種ごとに決まっています。6時間1,000円プラス距離料金といったプランもあり、カーシェア業界では激安と言っていいでしょう。
運転免許証をアップロードすれば即日利用可能なのも嬉しいポイント。スマホアプリから解錠・施錠ができます。
また車種はコンパクトカーからミニバン、そしてメルセデス・ベンツのオープンカーにホンダ NSX、さらにはキャンピングカーまでユニークなラインナップとなっています。
もし自宅近くにステーションがあれば、ぜひ利用したいお得なカーシェア。東京・名古屋・大阪を中心に展開しているので、ぜひチェックしてみてください。
おすすめカーシェアその④:タイムズカー
初期費用 | カード発行料1,650円 |
---|---|
月額料金 | 880円 |
利用料金 | 220円/15分~ |
ステーション数 | 約17,000ヶ所 |
タイムズカーは駐車場でおなじみのパーク24が展開するサービスで、全国47都道府県に約17,000ヶ所のステーションを持ち、会員数・ステーション数・車両台数ともにNo.1のカーシェアです。
カーシェア業界の最大手であり、何といってもステーション数が多いのが嬉しいポイント。入会しておけば旅先や帰省時など様々なお出かけ先で便利に使うことができます。
車種はコンパクトカーを中心に、運転初心者でも乗りやすいスズキ ソリオや日産 ノートなどを取り揃えており、カーシェア初心者にも優しいラインナップ。
仕事などで便利に使いたい人から、カーシェア初心者まで誰でも安心して使えるカーシェアと言えるでしょう。
おすすめカーシェアその⑤:Honda EveryGo(エブリゴー)
初期費用 | 0円 |
---|---|
月額料金 | 0円 |
利用料金 | 200円/15分~ |
ステーション数 | 約240ヶ所 |
Honda EveryGo(エブリゴー)は自動車メーカーのホンダが運営するカーシェアで、入会金・月額料金無料で利用できます。
注目したいのは、15分200円という業界最安クラスの料金。しかも、8時間までなら軽自動車からSUV、ミニバンまでどの車種でも同じ料金設定なので、大きな車を使いたい時に特にオトクです。
ステーション数はまだまだ少ないですが、今後増えていく可能性があるので要チェックのカーシェアと言えるでしょう。
ホンダの新型モデルが出た際に、他カーシェアやレンタカーに先駆けて新型車両が配置されることもあるので、いち早く乗ってみたいユーザーにもおすすめです。
まとめ
今回は、カーシェア初心者に向けて利用方法やおすすめサービスなどを分かりやすくご紹介してきました。
カーシェアは気になるけど、いきなり使うのはまだ怖いという方は、まずは月額料金が無料のカーシェアに入会してみてはいかがでしょうか。アプリやネットで近くのステーションを探してみたり、お得な優待サービスなど情報に触れているだけでも身近に感じてくるものです。
気が向いたらステーションを訪れて、実際にカーシェア車両を見てみるのもいいでしょう。
マイカーは持っておらず、旅行の際などにレンタカーを数回使っただけという方も多くいらっしゃるでしょうが、レンタカーよりカンタンに使えるカーシェアは車を身近に感じられるサービスです。
コロナ禍でカーシェアを使い「クルマって便利だな」と再認識した方も多く、気になっている方はぜひこの記事を参考にカーシェアデビューしてみてくださいね。
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