カーリースは頭金や初期費用が不要で、毎月定額の月額料金で車に乗れる便利なサービスです。
「月額1万円から乗れる」「メンテナンスもコミコミ」など様々な謳い文句がありますが、本当のところ、カーリース料金はどれくらいかかるか知りたいという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、カーリース料金の決まり方や人気3社の料金シミュレーションなどを徹底分析。料金の仕組みや各社の特徴をつかむことで、納得のカーリースライフが始められます。
カーリースの料金はどれくらいかかる?
カーリースには「お得」「手軽」「支払いやすい」などの印象があるかもしれませんが、実際のところカーリースの料金はどれくらいかかるのだろうと思っている方も多いと思います。
それでは早速、カーリース料金の決まり方や相場について解説していきましょう。
カーリース料金の決まり方
カーリースは一定期間のみ月々定額で車を利用できるサービスで、「車のサブスクリプション」とも呼ばれています。
ただし、その料金の中身は、動画見放題のサブスクや長期レンタカー利用料などとは異なるという点に注意しなくてはなりません。
カーリースでは、まずユーザーに代わってカーリース会社が新車を購入し、そこに税金などの諸費用を足して、そこから車両返却時の残価(その時に残っている車の価値のこと)を差し引いたものが総支払額となります。
その総支払額をリース期間の月数で割ったものが、カーリースの基本の月額料金となるのです。
- カーリースの基本の月額料金は、(新車の本体価格+税金や諸費用-残価)÷リース月数 で決まる
- 【例】200万円の新車を5年契約し、諸費用30万円、残価50万円だった場合
- (200万円+30万円-50万円)÷60ヶ月=3万円/月
なお、税金や自賠責などの費用は法律で定められたものであり、カーリースであっても車を購入した場合であっても同じ金額がかかります。
ただ、カーリースの場合は支払いが月額料金にコミコミのため、税金の払い忘れなどもなく利便性が高いことがメリットです。
基本的に含まれているカーリース料金の相場
カーリースの月額料金は大まかに分けて、上述した「基本の月額料金」と、プラスアルファで追加する「オプションサービス料金」で成り立っています。
基本の月額料金に含まれる費用は以下の通りです。
- 車両本体価格
- 車両登録にまつわる初期費用
- 自動車税
- 自賠責保険料
- 重量税 など
上記はほとんどすべてのカーリースで月額料金にあらかじめ含まれている費用です。
これらの基本費用のみの月額料金の相場は、契約期間を5年とすると、軽自動車で約2万~4万円、普通車で約3万~6万円、高級車で5万円以上となることが多くなります。
契約期間を長くしたり、ボーナス払いを併用することによって、月額1万円以下に抑えられるカーリース会社もあります。
オプションでつけるカーリース料金の相場
続いて、オプションでつけるカーリース料金について説明しましょう。
ここでは、「オプション装備」「メンテナンス」「車がもらえるオプション」「その他」について解説します。
オプション装備
オプション装備とは、車両に取り付ける「カーナビ」や「ETC車載器」などの装備品のことです。
カーリースでは、車種によっては初期装備されているものもありますが、基本的にはオプション料金(月額)を払って装備を追加します。
またカーリース会社や車種によっては装備を個別に選ぶのではなく、「カーナビ+ETC+ドラレコセット」のようにおすすめ装備がお得なパッケージ料金になっている場合もあります。
主なオプション装備 | オプション装備の相場 |
---|---|
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1つにつき、月額料金に+数百円~2,000円程度 おすすめ装備セットがパック料金になっている場合も |
なお、カーリース車両はカスタマイズ行為が認められておらず、自分で装備品を取り付けたり、純正品から付け替えたりすることは原則禁止となっています。
オプション装備は契約時にしかつけられず、後から追加できませんので注意しましょう。
メンテナンスプラン
「メンテナンス」までコミコミにできるのがカーリースの大きなメリットであり、様々なメンテナンスプランをオプションで追加することができます。
多くの場合、メンテナンスプランは内容によって2~3のグレードに分けられており、充実した高グレードのプランほど費用も高くなります。
メンテナンスプランに含まれる主な内容 | メンテナンスプランの相場 |
---|---|
|
メンテナンスプランのグレードによって、 月額料金に+2,000円~6,000円程度 |
なお、カーリース会社によってはこれらのメンテナンス内容があらかじめ基本の月額料金に含まれている場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
メンテナンスの中でも特に気をつけたいのが、車検費用についてです。
車検費用は主に「①法定費用」と「②整備・点検費用」という2つで成り立っています。
「①法定費用」は自賠責保険料や重量税のことで、カーリースの基本の月額料金に含まれています。しかし「②整備・点検費用」については各カーリース会社で扱いが異なるため、事前に確認が必要です。
【車検費用=①法定費用+②整備・点検費用】
車検「①法定費用」 | 基本の月額料金に含まれる(自賠責保険料・重量税) |
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車検「②整備・点検費用」 |
|
車検費用は車の維持費の中でも高額で、不意の出費に慌ててしまうこともあるので事前に把握しておきましょう。
車がもらえるオプション
カーリースではリース車両に残価を設定し、契約満了後に車を返却するのが基本となります。
しかし、この残価設定をしないことで車の返却を不要とし、契約満了後に車がそのまま「もらえる(所有権がカーリース会社から自分に移る)」というオプションを用意しているカーリース会社も増えてきています。
車をもらうためには有料オプションに加入が必要な場合と、無料(月額料金にコミ)の場合がありますが、いずれの場合でもオプションの途中加入はできず、契約時に車をもらうプランを選択する必要があります。
- 0円(基本料金に含む)~月額500円程度
その他のオプション
上記オプションの他にも、カーリース会社によって「ガソリン代が割引になるオプション」「故障や免許返納などのリスクを補償するオプション」など独自のオプションが用意されていることがあります。
定額カルモくんのカーリース料金はどれくらい?
それではここから、人気カーリース会社での月額料金の具体例を見ていきましょう。
まずは、累計申込者数25万人を誇る「定額カルモくん」です。
月額料金(新車リース) | 12,490円~(ボーナス払い無し) |
---|---|
料金に含まれるもの | 車両代金、登録諸費用、各種税金、自賠責保険 |
任意保険 | 含まない |
メンテナンス | オプション |
選べるメーカー・車種 | 国内全メーカー、全車種 |
新車・中古車 | 新車・中古車 |
リース期間 | 1~11年 |
走行距離制限 | 月1,500km、7年以上の契約は制限なし |
契約方式 | クローズドエンド方式 |
公式HP | 定額カルモくん |
では、定額カルモくんで「トヨタ シエンタ」と、カルモくんで月額料金が最安である「ダイハツ ミライース」を利用した場合、カーリース料金がどうなるかシミュレーションしていきます。
基本的に含まれているカーリース料金
まずは、カルモくんで契約した場合に基本となるカーリース料金を見ていきましょう。
<定額カルモくん> | シエンタ(5年契約) | ミライース(11年契約) |
---|---|---|
基本の月額料金 | 39,610円/月 | 12,490円/月 |
- 車体本体価格
- 自動車税
- 環境性能割
- 自賠責保険料
- 重量税
- 登録費用
- 車庫証明手続代行費用
- 仲介手数料
- お客様サポート料
上記が定額カルモくんの基本の月額料金の内容です。
車検(整備・点検)費用をはじめとしたメンテナンス料金は含まれていないため、希望する場合はオプションとして有料メンテナンスプランに加入する必要があります。
しかし逆に、自分でメンテナンスをするという人であれば、有料メンテナンスプランに加入せずギリギリまで月額料金を抑えることが可能だと言えます。
オプションでつけるカーリース料金
続いて、オプションでメンテナンスなどを追加した場合の例を見てみましょう。
なお、カルモくんのメンテナンスプランは「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の3種類があり、契約年数などによって選べるプランが変わります。
<定額カルモくん> | シエンタ(5年契約) | ミライース(11年契約) |
---|---|---|
基本の月額料金 | 39,610円/月 | 12,490円/月 |
オプション①装備 | +計4,477円
|
+計1,815円
|
オプション②メンテナンス |
+5,280円(ゴールドプラン)
|
+6,980円(プラチナプラン)
|
オプション③車がもらえる | -(7年契約以下は設定不可) | +550円 |
月額料金合計 | 49,367円/月 | 21,835円/月 |
総支払額 | 296万2,020円/5年 | 288万2,220円/11年 |
定額カルモくんのメンテナンスプラン「ゴールド」「プラチナ」には、返却時の原状回復費用補償や延長保証といった特別な項目が含まれていることに注目です。
特に長期契約の場合は、このようなオプションがあるととても安心です。
「オプションのメンテナンスプラン」とひとくちに言っても、オイル交換のような整備項目だけでなくこのような補償がついている場合もあるので、隅々まで見ておくことが大切です。
ニコノリのカーリース料金はどれくらい?
続いて、月額料金が業界最安級のカーリース「ニコノリ」を見ていきます。
月額料金(新車リース) | 5,500円~(ボーナス払い併用) |
---|---|
料金に含まれるもの | 車両代金、登録諸費用、各種税金、自賠責保険、車検代、メンテナンス費用(消耗品のみ) |
任意保険 | 含まない |
メンテナンス | オプション |
選べるメーカー・車種 | 国内全メーカー、全車種 |
新車・中古車 | 新車・中古車 |
リース期間 | 1年~9年 |
走行距離制限 | 個別に相談 |
契約方式 | オープンエンド方式/クローズドエンド方式 |
公式HP | ニコノリ |
では、ニコノリで「トヨタ シエンタ」と、ニコノリで月額料金が最安となる「ダイハツ ミライース」を利用した場合、カーリース料金がどうなるかシミュレーションしていきます。
※下記の月額料金は月々均等払いの場合です。ボーナス併用払いも可能です。
基本的に含まれているカーリース料金
ニコノリで契約した場合、基本となるカーリース料金は以下の通りです。
<ニコノリ> | シエンタ(5年契約) | ミライース(9年契約) |
---|---|---|
基本の月額料金 | 35,230円/月 | 14,766円/月 |
- 車体本体価格
- 自動車税
- 環境性能割
- 自賠責保険料
- 重量税
- 各種登録費用
- 新車点検(1ヶ月・6ヶ月)
- 車検(整備・点検)
- エンジンオイル交換
- ウォッシャー液無料補充
- バッテリー液無料補充
- クーラント液の無料補充
ニコノリでは、有料のメンテナンスパックをつけなくとも、基本の月額料金に車検(整備・点検)や一部の消耗品交換・補充などが含まれています。
オプションでつけるカーリース料金
続いて、オプションでメンテナンスなどを追加した場合の例を見てみます。
なお、ニコノリの下記オプション装備の価格はあくまで一例となり、実際の料金は車種や契約年数によって異なる場合があります。
また、ニコノリのメンテナンスパックは「ライト」「バリュー」の2種類ですが、今回は内容が充実しつつもリーズナブルな料金のバリュープランでシミュレーションしました。
<ニコノリ> | シエンタ(5年契約) | ミライース(9年契約) |
---|---|---|
基本の月額料金 | 35,230円/月 | 14,766円/月 |
オプション①装備 | +計3,630円(価格は一例)
|
+計3,630円(価格は一例)
|
オプション②メンテナンス |
+3,300円(バリュープラン)
|
+3,300円(バリュープラン)
|
オプション③車がもらえる | -(9年契約以外は要相談) | +0円(もらえるパック) |
オプション④ガソリン代割引き | +0円(店舗で契約の場合) | +0円(店舗で契約の場合) |
月額料金合計 | 42,160円/月 | 21,696円/月 |
総支払額 | 252万9,600円/5年 | 234万3,168円/9年 |
ニコノリでは、9年契約で車が「もらえるパック」を選択できますが、追加のオプション料金はかかりません。
また、店舗で契約した場合につけられる「契約期間中ガソリン5円/L引き」のオプションを併用することで、長期契約でのオトク度がよりアップします。
KINTOのカーリース料金はどれくらい?
最後に、大手自動車メーカーのトヨタが運営するカーリース「KINTO」を見てみましょう。
月額料金(新車リース) | 14,740円~(ボーナス払い併用) |
---|---|
料金に含まれるもの | 車両代金、登録諸費用、各種税金、自賠責保険、車検代、メンテナンス代、任意保険料 |
任意保険 | 含む |
メンテナンス | コミコミ |
選べるメーカー・車種 | トヨタ・レクサス・スバルの一部の車種 |
新車・中古車 | 新車・中古車 |
リース期間 | トヨタ車・スバル車:3年、5年、7年 レクサス車:3年 |
走行距離制限 | 月1,500km |
契約方式 | クローズドエンド方式 |
公式HP | KINTO |
では、KINTOで「トヨタ シエンタ」と、KINTOで月額料金が最安となる「トヨタ ルーミー」を利用した場合、カーリース料金がどうなるかシミュレーションしていきます。
※下記の月額料金は月々均等払いの場合です。ボーナス併用払いも可能です。
基本的に含まれているカーリース料金
それでは、KINTOで契約した場合の基本となるカーリース料金を見てみます。
<KINTO> | シエンタ(5年契約) | ルーミー(7年契約) |
---|---|---|
基本の月額料金 | 46,310円/月 | 33,110円/月 |
- 車体本体価格
- 自動車税
- 環境性能割
- 自賠責保険料
- 重量税
- 登録手続費用
- 任意保険
- ロードサービス
- 代車
- 新車点検(1ヶ月・6ヶ月)
- プロケア10(日常点検と下回りチェック)
- 法定12ヶ月点検
- 車検(整備・点検)
- --車種・必要に応じて下記メンテナンス--
- エンジンオイル
- エンジンオイルフィルター
- エアクリーナーエレメント
- タイヤ
- 補機バッテリー
- ワイパーゴム
- ウィンド・ウォッシャー液
- エアコンフィルター
- ブレーキパッド
- ブレーキシュー
- ブレーキライニング
- ブレーキフルード
- 各種電球
- 各種電池(電子キー・カードキー等)
KINTOの基本料金で注目すべきは「任意保険」と「メンテナンス」です。
一般的なカーリースには任意保険が含まれていませんが、KINTOは最初から任意保険がコミになっています。
また、車検(整備・点検)費用だけでなく自動車メーカーならではのフルメンテナンスや代車までもがコミコミになっているため、基本料金の充実度はバツグンです。
KINTOは高いと感じる方もいると思いますが、この内容を勘案すればかなりリーズナブルだと言えるでしょう。
オプションでつけるカーリース料金
続いて、オプション装備などを追加した場合のシミュレーションです。
<KINTO> | シエンタ(5年契約) | ルーミー(7年契約) |
---|---|---|
基本の月額料金 | 46,310円/月 | 33,110円/月 |
オプション①装備 | +計2,090円
|
+計2,310円
|
オプション②メンテナンス | +0円(基本月額にコミ) | +0円(基本月額にコミ) |
オプション③車がもらえる | -(KINTOは設定なし) | -(KINTOは設定なし) |
月額料金合計 | 48,400円/月 | 35,420円/月 |
総支払額 | 290万4,000円/5年 | 297万5,280円/7年 |
KINTOでは上記の他にもオプション装備・内装・ボディカラーなどがかなり細かく設定できるほか、独自の特別仕様や特別価格などもあり、内外装に凝りたい方にはおすすめです。
ただし、KINTOでは「車がもらえる」というオプションがなく、リース車両は必ず返却となる点には注意しましょう。
まとめ
最後に、上記3社のシエンタのカーリース料金をまとめてみます。
カーリース会社 | 定額カルモくん | ニコノリ | KINTO |
---|---|---|---|
シエンタ(5年) 基本月額料金 |
39,610円/月 | 35,230円/月 | 46,310円/月 |
シエンタ(5年) オプション追加時の月額料金 |
49,367円/月 | 42,160円/月 | 48,400円/月 |
シエンタ(5年) オプション追加時の総支払額 |
296万2,020円 | 252万9,600円 | 290万4,000円 |
金額は以上のようになりましたが、定額カルモくんでは返却時の原状回復費用補償や延長保証などが付き、ニコノリではガソリン代割引があり、KINTOでは任意保険がコミになるなど、それぞれに異なるメリットがあります。
カーリースでは契約期間が長ければ長いほど、単純な金額だけではなくカーリース会社ごとの利便性やサービスが重要となり、自分に合う会社を選ぶことが大切です。
下記の記事ではたくさんのカーリースの特徴が比較できますので、ぜひ自分にして自分にピッタリのカーリース会社を見つけてみてください。