5月28日(日)、アメリカ・ インディアナ州インディアナポリスの「インディアナポリス・モータースピードウェイ」にて開催された「インディアナポリス500マイルレース(通称:インディ500)」で、佐藤琢磨選手が優勝。101回の開催を数える同レースで、日本人初の優勝となる快挙を遂げました。ではこの「インディ500」とは、どんなレースなのでしょうか?
※トップ画像は2016年参戦時
世界3大レースのひとつ
インディ500は、アメリカで行われるフォーミュラカーレースの最高峰「インディカーシリーズ」の1戦として行われるレース。F1モナコグランプリ、ル・マン24時間レースとともに世界3大レースのひとつとして数えられるこのレースの歴史は古く、第1回大会はなんと1911年のこと。佐藤琢磨選手が優勝した2017年のインディ500は、第101回大会となります。
ちなみにインディカーシリーズは、F1などの国際レースがFIA(国際自動車連盟)主催で行われるのに対し、アメリカのレース団体「IndyCar」によって開催されています。アメリカによるアメリカのためのレースだといっても過言ではないでしょう。佐藤琢磨選手は、2010年からインディカーシリーズに参戦。2017年はホンダエンジンを搭載する「Andretti Autosport」チームのマシンのステアリングを握ります。
オーバルコースを380km/hで駆け抜ける
アメリカらしいサーキットといえば、楕円形の「オーバルコース」でしょう。インディ500が行われる「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」も複雑なコーナーのないオーバルコースで、1周は2.5マイル(4.023km)。「インディアナポリス500マイルレース」の名の通り、このコースを500マイル(約804km)、200周にわたって走ります。その平均速度はなんと350km/h以上! 最高速度380km/hにも達する超ハイスピードなレースなのです。
マシンは2.2L V6ツインターボ(550~700PS)を搭載。シボレーとホンダの2社がエンジンを供給しているものの、シャシーは1タイプのみであることから性能差はあまりなく、ドライバーのテクニックが表れるレースだといえます。
アメリカが熱狂するレースを体感してみよう
アメリカ人にとってインディ500は、年に一度の一大イベント。一般的なレースは、練習走行・予選・決勝を3日間で行いますが、インディ500のイベント期間はなんと2週間以上にもなります。トップスピードが高いレースだけにプラクティス(練習走行)を入念に行ったり、独特の予選方式を採用していたりすることもありますが、直接レースと関係のないイベントもたくさん行われるお祭りなのです。サーキットを訪れる観客も、毎年40万人以上にのぼります。
アメリカ中が注目するインディ500での佐藤琢磨選手の優勝は、歴史的な快挙。日本では当初、「なぜ、この歴史的なニュースが注目されないのだ?」という意見もありましたが、8月4日(金)には安倍総理大臣から佐藤琢磨選手に総理大臣顕彰が送られましたし、これからさらに注目されるレースになるのではないでしょうか。みなさんもぜひ、インディ500やインディカーシリーズに注目して、アメリカが熱狂するワケを感じてみてください。
Text by 木谷宗義+Bucket
Photo by 本田技研工業
<関連記事>
写真で見る!魔物に翻弄され続けたSUPER GT第4戦「SUGO」
https://car-days.fun/blog/article/6657
2年ぶりのオートポリス!SUPER GT第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300KM」をレポート
https://car-days.fun/blog/article/5641
SUPER GT開幕!第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の様子をレポート
https://car-days.fun/blog/article/4991
競女だ!F3だ!ポルシェだ!インタープロトだ!「富士チャンピオンレースシリーズ第2戦」
https://car-days.fun/blog/article/5908
ジャッキー・イクスも登場!「ザ・ワンメイク祭り」@富士スピードェイ
https://car-days.fun/blog/article/6024