高速道路や自動車専用道路を通行する際、ETCを利用する方が多いのではないでしょうか。
支払い時に止まらず通過でき、現金払いの手間もなく、料金は割安と至れり尽くせりです。
基本的にETCの支払いは、クレジットカード情報を利用したETCカードを利用します。
そんな大事なカードですが、抜き差しがめんどくさかったり、挿し忘れが怖かったりと挿入しっぱなしにしてしまう方もいらっしゃいます。
今回はETCカードを挿しっぱなしにしていいのか、またそのリスクについて考えていきます。
ETCカードは挿しっぱなしにしていいの?
早速ですが、ETCカードは挿しっぱなしにしていいのでしょうか。
基本的に推奨される行為ではありません。
では考えられる理由についてご紹介していきましょう。
ETCカードの挿しっぱなしはNG
さてETCカードの挿しっぱなし行為にリスクは無いのでしょうか。
結論を先に述べてしまうと、基本的に良いことはあまりありません。
おおまかに2つの大きなNG理由があります。
1つは暑さによる破損の可能性、2つ目に盗難にあう可能性です。
これらを避ける為にも、カードは毎回抜き保管することを推奨します。
これらのNG理由を、詳細に見ていきましょう。
NG理由①暑さにより破損する可能性がある
特に注意して頂きたいNG理由として「暑さ」を忘れてはいけません。
カード保護の為に、是非覚えて頂きたい内容です。
まず日本の夏はとても暑く、猛暑日となることも珍しくありません。
それが車内ともなると、部位によっては60~80℃にもなります。
こういった環境でETCカードを挿しっぱなしにすると、カード自体がダメージを受けてしまい破損の恐れがあります。
チップが埋め込まれたカードは耐熱温度50℃前後といわれており、車内温度に耐えられず故障してしまうかもしれません。
地下など環境に恵まれた駐車場でない限り、ほとんどの車両が対象となるNG理由です。
このように「暑さ」によるカード破損はとても身近な脅威です。
「暑さ」によるNG理由だけでも十分、ETCカードを挿しっぱなしにしてはいけない理由といえるでしょう。
カードが破損してしまうと、カードの読み取りが出来ない、又は読み取りが不安定になります。
ゲートをくぐる際に正常な通信が行われないと、ゲートが反応しないため事故につながる可能性があります。
カードを破損すると再発行の必要があり、届くまではETCを利用できません。
このように暑さによるカード破損は見えないところで進行し、事故だけでなく時間的なロスも生み出してしまうかもしれません。
NG理由②盗難にあう可能性がある
ETCカードの盗難もリスクとして覚えて頂きたい事項です。
本体が露出していたり、カードが見える位置に設置されていたりと盗難のリスクに違いもでてきます。
見える位置に挿しっぱなしであれば、盗難被害のリスクは高くなります。
一方、カードを毎回抜き保管していると、高速利用時に入れ忘れることもあり得ます。
入れ忘れはしたくないので挿しっぱなしておくという判断を重視すると、盗難のリスクは高くなってしまいます。
カードを挿しっぱなしておくリスクと、高速利用時の挿し忘れのリスク、双方のリスクがあることを覚えておきましょう。
もちろん毎回抜き、利用時に挿すのがベストですが、難しいのであれば個人で判断する必要があります。
ETCカードを挿しっぱなしで問題が起きたら?
ETCカードの挿しっぱなしで問題が起きたら、どう対処するべきでしょうか。
故障・盗難に伴いカードは手元にない又は使用できないので、再発行について考えていきましょう。
カード再発行の手数料がかかる
クレジットカード会社に再発行を依頼するのですが、再発行手数料が発生します。
当然新しいカードが届くまで時間的なロスも発生します。
その間、ETCは利用できないということもデメリットでしょう。
盗難にあってもカード補償がされない場合がある
また規約や状況によるものの、カードの不正利用について補償されない可能性もあります。
挿しっぱなし放置する行為が、所有者の過失となるケースです。
これは盗難の危険性を知っていながらETCカードを挿しっぱなし・放置したので、補償対象にはならない可能性があるということです。
どうしてもETCカードを挿しっぱなしにしたい場合は?
そうはいっても毎回抜くのは大変だよ…という意見があるでしょう。
そもそも抜く行為を忘れてしまうというのも、往々にしてあり得ます。
可能な限り避けていただきたいですが、挿しっぱなしにする際は対処策を設けてみてはいかがでしょうか。
暑い日だけでも抜くように心がける
夏の間、特に暑い日はなるべくカードを抜くよう努力してください。
どのタイミングでカードに限界が来て故障するか分かりません。
暑くなる日、出かけない日が続く場合などはなるべくカードを抜くようにしてみましょう。
クレジットカード分離型にする
クレジットカードとETCカード一体型の利用を避け、クレカとETC機能が分離しているタイプに変更しましょう。
2018年以降、一体型は廃止されていますが、今でも利用されている方もいらっしゃることでしょう。
分離型であれば最悪盗難されても、ETC利用以外で高額請求されるリスクは回避できます。
車のセキュリティを強化する
そもそも車のセキュリティを強化してしまう手法も有効です。
ブザーなども良いですが、タイヤロック・ハンドルロックといった見た目にも盗難防止意識が高いと思わせることで、盗難犯を遠ざけてしまいましょう。
車両荒らし・盗難のついでにカードが盗まれることも減りますし、カード狙いだとしてもあえて狙おうとは思わなくなるかもしれません。
まとめ
ETCカードの抜き差しが面倒に感じている方は多くいらっしゃるかと思います。
またカードを抜くという行為が、次回乗車時・ETC使用時の挿し忘れリスクにつながるということも事実です。
一方で、挿しっぱなしにおけるリスクについてもご理解いただき、可能な範囲での防犯を意識することが大事です。
行楽シーズンはETC利用の機会も増えますので、カード運用について改めて考える機会としてください。
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