【豆知識】向き不向きがある?「残価設定型ローン」のメリット/デメリット

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クルマの買い方には「現金」のほかに、「ローン」があります。最近よく聞く「残価設定型ローン」も、ローンのひとつの形と言えるでしょう。

ローンとは、借りた金額を決められた期限の間に返済していく方法。残価設定型ローン(据え置き型ローンなどとも言う)も同様に毎月返済していく支払い方法ですが、通常のローンよりも月々の返済額を少なくできるというメリットがあります。

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残価を残して支払うから月々の負担が少ない

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月々の支払いを少なくできる理由は、車両代金の一部を最終回の支払い(残価)として設定するから。通常のローンでは借りた金額の100%を返済するのに対し、残価設定型ローンでは残価を30%と設定した場合、残りの70%だけを返済すればいいため、見た目の支払額が少なくなるというカラクリです(いずれも借りた金額に加えて利子の支払いが必要)。

デメリットは、支払いが終わってもクルマが自分の手元に残らないこと。通常のローンは、支払終了後にクルマが“自分のもの”になるのに対して、残価設定型ローンはクルマを返却することでローンの最後の支払い(残価分)とするのです。

残価設定型ローンでも支払いを終えたあとにクルマを自分のものにすることもこともできますが、それには車両を買い取るために残価分のお金(先の例なら30%)を追加で支払う必要が生じます。

残価設定型ローンならではのデメリットも存在する

さらに残価設定型ローンのウィークポイントといえるのが、車両の使い方に関して制約があること。最後に車両を返却するため、価値を高くしておかなければいけないのです。

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たとえば、走行距離は一般的に月あたり1000km以上走ると過走行として減点に。もちろん、事故の修理歴や傷などのダメージも減点となりますし、喫煙車も減点対象です。減点もある程度なら問題ありませんが、一定の基準を超えると追加で支払いが必要になることもあります。特に事故は要注意。現金や通常のローンと違って残価設定型ローンで購入した車両は、「買った」というよりも「借りている」という認識が正しいかもしれません。

また厳密に言えば、残価(最後の車両返却)も含めて計算する支払総額では、通常のローンよりも支払総額が多くなるケースもあります。これは残価にも金利がかかるからです。ただし、残価設定型ローン向けの低金利プラン利用によって支払総額が多くならないこともあるので、金利や総支払額について状況次第だと言えるでしょう。

乗り方に応じた支払い方法を

残価設定型ローンが向いているのは、走行距離が短く、定期的にクルマを乗り換える人。クルマは週末にしか乗らないけれど、3年や5年でクルマを買い替えたいという人にとっては、通常のローンに比べて少ない支払いで乗れるので、メリットが大きいと言えます。一方で1台のクルマに長く(2回目の車検以降も)乗り続ける人や走行距離が多いなどクルマをハードに使う人は現金、もしくは通常のローンがいいでしょう。

text by 工藤貴宏
edit by 木谷宗義

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