車やバイクを運転するのに欠かせない運転免許証。
この記事をお読みの方でも、既に所持している方やこれから教習所に通う方と様々ではないでしょうか。
ところで皆さんは運転免許の一発試験をご存じでしょうか?
多くの方は自動車教習所を利用する、または利用していたはずです。
また一発試験を利用していなくとも、聞いたことがあるという方は多いかもしれません。
一発試験ならば教習所に通いつめなくても免許が取れるらしいが、難易度も非常に高いというイメージでしょうか。
そんな運転免許の一発試験について、今回は基本的な情報やどんな人が利用しているのかご紹介します。
運転免許の一発試験とは?
まずは運転免許の一発試験について、基本情報をまとめましょう。
一発試験は誰でも受けられるのでしょうか。
受けられる条件、難易度、自動車教習所との違いもご説明いたします。
一発試験とは?
運転免許の一発試験とは、自動車教習所に通わずとも、運転試験場や運転免許センターで学科及び実技試験を当日中に行い、免許を取得する方法の事を言います。
他方、免許証を取得するにあたり、公安委員会の指定を受けた自動車教習所に通いカリキュラムを消化、学科試験に合格し免許を取得するのが一般的な方法といえるでしょう。
一発試験を受けられる条件
一発試験を受けるために必要な条件について、確認しましょう。
そもそも一発試験という名前ですが、再挑戦が何度でも可能です。
後ほど触れますが、合格率が大変低いので一回で受かるのは難しいかもしれません。
何度かチャレンジする可能性を考慮しておくと良いでしょう。
具体的な受験の条件を確認しましょう。
・満年齢18歳以上
・視力に係る条件、両眼で0.7以上で、片眼それぞれが0.3以上、または片眼の視力が0.3に満たない、
もしくは一眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上
・免許の取り消し処分や免許停止、保留中、欠落期間内でない
一発試験の難易度と合格率
教習所に通えば技能試験は免除されるのですが、一発試験は初めての方であれば、当然初見のコースで実施されます。
また合格率は5%前後となり、合格には相当の準備と完璧な技術が求められるでしょう。
また過去に免許を持っていた人であれば、技術があり大丈夫だろうと思うかもしれないですが、
例えば右左折をする際の手順が日常の運転の中、惰性で煩雑になっている等、本来行うべき操作手順を省いてしまい落ちることがあり、注意が必要です。
自動車教習所との違いとは?
まず自動車教習所と一発試験での共通項として、どちらも学科試験を受ける必要があります。
つまり違いは実技関係にあります。
まず自動車教習所はカリキュラムを消化、卒業すれば運転免許センターでの実技試験は免除されます。
実技・座学を受講する中で、道路標識や交差点の通行、S字、クランクといったポイントへの理解、技術の習得が可能です。
講習の中で経験値を積み、卒業に向けて着実に歩を進められるでしょう。
一方で、一発試験はその名の通り、試験場やセンターに行き、学科と実技試験を受験します。
学科も独学となるでしょうし、実技試験が初めてであれば試験場のコースも初見です。
実技試験の時間までにコースを頭に叩き込み、「はい、どうぞ始めて下さい。」となります。
運転免許の一発試験を受ける方法や流れ
次に運転免許の一発試験を受ける方法や流れ、概要について確認しましょう。
一発試験の申し込み方法
一発試験が受験可能な運転試験場や運転免許センターにて、申し込みを行います。
一発試験を受験できない施設もありますので、あらかじめ調べておきましょう。
また受付、受験の日時も同様に確認してから、現地に向かいましょう。
一発試験に必要なもの
一発試験の受付、受験前に必要な提出書類と費用についてもご説明します。
・写真1枚 但し、仮免許学科試験を受ける場合は2枚
・運転免許証(仮免許証を含む)
・運転免許証が無い場合の本人確認書類(本籍記載の住民票、パスポート、住民基本台帳、健康保険証等)
外国籍の方は以下を準備
・住民票 国籍・在留資格・在留期間が明記されているもの
・在留カード
・特別永住者証明書
過去に免許証の取り消し処分を受けたことがある場合は以下を準備(但し、1年以内に取消処分者講習の受講がなければ、受験不可)
・取消処分者講習終了証明書原本
費用についても、ご説明いたします。
基本的に仮免許交付時と本免許交付時に費用が発生します。
合格できず、2回目以降の技能試験にも申請手数料・車両使用料は必要になるので、注意しましょう。
仮免許
・申請手数料:2,900円 車両使用料:1,450円 免許証交付手数料:1,150円
本免許
・申請手数料:2,550円 車両使用料:800円 免許証交付手数料:2,050円
技能試験に合格しても終わりとはなりません。
次に指定自動車教習所で取得時講習を受講します。
・自動車などの運転講習:11,200円 応急救護処置講習:4,200円
一発試験の流れ
それでは一発試験の流れを見ていきましょう。
・必要書類を準備
・運転試験場や運転免許センターで受付
・適性試験を受ける
視力検査、色彩識別能力検査、聴力検査、運動能力検査、運転適性検査など、手続き時に問題がなければ受ける必要のない項目有り
・仮免許学科試験・技能試験
学科は50問中45問以上の正解/30分、技能は持ち点100点中70点以上がそれぞれ必要、仮免許証の有効期間は6か月
・仮免許練習期間
1日2時間を5日間、路上練習を行う(普通免許取得後3年以上経過した人を助手席に同乗させ、「仮免許練習中」の標識を自動車に貼ること)
・本免許学科試験・技能試験
学科は文章90問、イラスト問題5問で90点以上/50分、技能は路上試験も含め100点中70点以上で合格
・取得時講習、応急救護処置講習を受講
・運転免許証の交付
運転免許の一発試験はどんな人が受けている?
中々に合格難易度が高いのが、一発試験の特徴です。
実際にはどんな人が、どのような理由で利用するのでしょうか?
過去に運転免許を持っていた人
なんらかの理由で免許証を失効した人が利用するかもしれません。
十分な技術や運転への自信、交通法規の理解があれば、自動車教習所に再度通わずとも合格の確立が高いといえるでしょう。
免許取得にお金をかけたくない人
教習所に入所するほうが、知識・技術ともに確実にステップアップ可能です。
また教官から適切なアドバイスを受けつつ経験を積める為、免許取得後も自信をもって運転できるでしょう。
一方、費用についてはどうでしょうか?
相場としては概ね、教習所では普通自動車AT限定で24万円~、MTで30万円~、追加講習となれば、さらに費用が掛かります。
一発試験なら、初回仮免許からスムーズに合格で1万円強、ある程度早期に合格できればお得といえるでしょう。
また新規に免許を取るだけでなく、免許の種類を増やしたい人にも向いているでしょう。
基本的な運転技術を取得しているので、新しい免許にもチャレンジし易いはずです。
具体的には、普通自動車免許所有者が中型バイクの免許を目指す場合、原付を日常的に使っていれば二輪の運転経験というアドバンテージになるかもしれません。
次に大型自動車免許にチャレンジする場合、仕事で中型以下の車両に乗っているので自信があるということもあるかもしれません。
可能性ということであれば、合格後の講習を入れても、最短1日~2日で免許の発行が受けられます。
免許証がこのスピードで取得できるのは、驚きです。
例えば、広い私有地内で家族や友人の車で運転練習ができる環境がある人は、沢山練習できます。
また自動車学校、教習所で有料の練習が可能です。
納得いくまで練習を積まなければ、当日の緊張の中、思い通りに走ることはできないでしょう。
これは個人の資質にもよりますが、難しいことにチャレンジするのが好きな人にはおすすめかもしれません。
気楽にチャレンジするということではなく、難しいが故にしっかり努力・準備できる人にとっては、という意味です。
たっぷり勉強し練習し、努力を試したいと思える人には、やりがいのあるハードルでしょう。
まとめ
今回は運転免許の一発試験について、ご紹介いたしました。
多くの方は、教習所に通い免許を取得されます。
改めて一発試験は簡単ではないと認識されたかと思います。
一方、一発試験は高いハードルですが、費用も日数も大幅に抑える手段となりえます。
これから免許取得をする方、再度取得を目指す方は、一考の余地ありではないでしょうか。
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