MENU

【片岡英明さんから出題!】スバル360の誕生日は??

10月31日(月)まで申込受付中の第4回「くるまマイスター検定」。過去問以外にどんな新しい問題が出るんだろう?と気になっている皆さんへ、くる検応援団の方々から毎週予想問題をいただくこととなりました!

第10回は、片岡英明さんからの出題です!

くるまマイスター検定公式応援団 片岡英明さんからの問題

01

問題

富士重工業(スバル)が初めて送り出した、量産型の軽乗用車が「スバル360」です。発売されるとセンセーションを巻き起こし、軽自動車ブームをけん引しました。このスバル360が正式発表された日にちは、何年何月何日でしょう?

A:1955年5月5日
B:1958年3月3日
C:1963年3月6日
D:1966年6月6日

02
高い技術力を誇った中島飛行機を母体とする自動車メーカーが、「スバル」のブランドネームで知られる富士重工業です。その名を多くの人に深く刻み付けた、最初の傑作がスバル360と言えるでしょう。航空機技術を駆使して設計され、限られたボディサイズのなかでスペースユーティリティと軽量化に徹底してこだわりました。1954年9月に軽自動車の規格が見直され、2サイクル、4サイクルともにエンジン排気量は360cc以下と定められます。この直後に、当時の通商産業省から国民車構想が発表されました。これに刺激を受け、富士重工業は新世代の軽自動車の開発に乗り出します。
  030405
この4輪車プロジェクトは「K-10」と名付けられ、開発がスタートを切りました。航空技術者を多く抱える富士重工業が、車体とシャシー設計のリーダーに指名したのが、伊勢崎製作所で敏腕を知られた百瀬晋六氏です。独立したフレームを持たないフルモノコック構造を採用し、駆動方式は当時のヨーロッパのコンパクトカーに多いリアエンジン搭載のリアドライブとしました。三鷹製作所が担当するパワーユニットは空冷の2サイクル2気筒です。
06
57年春に試作第1号車が完成し、精力的にテストを行っています。飛行機の機体と同じようにタマゴの殻の理論によるモノコック構造を採用しているのが特徴です。基本デザインを手がけたのは、工業デザイナーの佐々木達三氏で、4人が乗れる優れたパッケージングと愛らしいデザインが注目を集めました。車重はスクーターのラビット2台分の385kgと、驚くほど軽量です。注目のエンジンは356ccで、横H型の3速ギアボックスとデフを一体にしてリアに収めています。最高出力はグロス値で16ps/4500rpmでした。初期モデルは横H型の3速ミッションを組み合わせ、最高速度は83km/hと発表されています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

サスペンションは、フロントがトレーリングアーム、リアはスイングアクスルで、これにトーションバーとコイルスプリングを組み合わせています。進歩的かつ合理的な4輪独立懸架のサスペンションは、ソフトで快適な乗り心地を実現し、好評を博しました。オーナーは親しみを込め、スバルクッションと呼んでいます。
08
正式発表は、翌58年3月3日の昼12時です。昭和の年号では33年3月3日、3並びの日にベールを脱ぎました。発表会場は東京都千代田区丸の内の内外ビルにあった富士重工業の本社でした。資料とカタログ配布だけの会見をする予定でしたが、実車がないと話にならない、と報道陣が騒ぎ出したので、急きょ、伊勢崎製作所からスバル360を運んできました。
スバル360は、発売されるやセンセーションを巻き起こし、日本の自動車史だけでなく日本の風景を変えてしまいました。日本の自動車技術を大きく前身させ、富士重工業の発展にも大きな役割を果たしています。発売後も開発陣はユーザーの声に真摯に耳を傾け、毎年のように改良を行いました。そして70年まで、12年の長きにわたって第一線で活躍を続けています。

text by 片岡英明

いかがでしたでしょうか?

次週は、竹岡圭さんからの出題です!

くるまマイスター検定公式応援団紹介

09

自動車ジャーナリスト: 片岡英明さん( Hideaki Kataoka )

今につながる自動車が登場して130年になります。

自動車は人類の叡智の塊です。近代史の発展に大きな役割を果たし、これからも発展が期待されています。

21世紀、自動車はますます存在感を増し、活躍の場を広げていくことでしょう。メカニズムや歴史、文化などに関する知識が増えれば、自動車はさらに楽しくなります。

この検定を通して、知識を磨くとともに人間性にも磨きをかけてほしいと思います。