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【豆知識】トヨタとダイハツ、ボルボと吉利汽車……資本関係を持つメーカー/グループ(2018年12月現在)

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「ランボルギーニ」といえば数千万円級のクルマだけを展開する、言わずと知れたイタリアのスーパーカーメーカーです。そんなランボルギーニが、ドイツのフルラインメーカーである「フォルクスワーゲン」の関連会社と聞けば、意外に感じる人も多いことでしょう。

そこで今回は、知っているようで意外と知らない自動車メーカー同士の資本関係についてまとめてみました。※2018年12月19日現在

トヨタはダイハツを子会社に。スバルとマツダにも出資

日本でもっとも大きい自動車メーカーといえば「トヨタ」。そして軽自動車や小型車を得意とするメーカーが「ダイハツ」。実は、現在のダイハツはトヨタが資本を100%出資する完全子会社となっています。トヨタや軽自動車を生産していませんが、それを得意とするダイハツと二人三脚で商品展開を強固にしているというわけですね。

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またトヨタは「SUBARU(スバル)」に16.8%を出資して関係を深めています。トヨタ86とスバルBRZの共同開発の背景には、そんな事情があるというわけです。またトヨタは「マツダ」にも5%を出資(マツダはトヨタの株式の0.25%を保有する相互出資)。「アクセラ・ハイブリッド」にトヨタのハイブリッドシステムを供給するほか、電気自動車などを共同研究しています。

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またトヨタは、トラック・バスメーカーの「日野自動車」にも50.1%を出資。かなり深い関係です。以上の4メーカーが「トヨタ陣営」にカウントされます。

日産・三菱とアライアンスを組むルノーはダイムラーとの資本関係も

世界的にみると、トヨタに匹敵する生産規模を実現しているグループがいくつかあります。そのひとつが「ルノー」「日産」そして「三菱」のアライアンスです。

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きっかけは1999年に日産がルノーの傘下に入ったことでした。ルノーが親会社で、ルノーよりも生産規模の多い日産が子会社という関係です。そして2017年には日産が三菱の株式の34%を取得し傘下に収め、「ルノー日産三菱連合」と呼ばれます。また、ロシアの自動車メーカー「アフトバス(AvtoVAZ)」や韓国の「ルノーサムスン」もグループに収めています。

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「ルノー・日産・三菱アライアンス」にはカウントされませんが、実はメルセデス・ベンツを擁するダイムラー社もルノーや日産とわずかな資本関係があり、ルノーや日産とクルマを共同開発したりエンジンを相手に供給したりする他、内外装の一部を変更したルノー・カングーをメルセデス・ベンツで「シタン」として販売するなど、完成車をOEM(相手先ブランド)販売しています。

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ボルボやロータスを参加に収める吉利汽車(ジーリー)

世界を見回すと、グループ内にたくさんの会社を抱えているのが、フォルクスワーゲンです。冒頭で説明した「ランボルギーニ」のほか「アウディ」「ポルシェ」「ベントレー」「セアト」「シュコダ」そして「ブガッティ」など、国をまたいでたくさんのブランドを傘下に持ちます。価格重視のクルマから、超高級車まで用意できる幅広さがすごいですね。合計で年間約1000万台とルノー日産三菱連合やトヨタと同じくらいの生産規模を誇ります。

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傘下に持つといえば、最近の話題は中国の自動車メーカー「吉利汽車(ジーリー)」でしょう(正式名称は「浙江吉利控股集団」)。なんと「ボルボ」やスポーツカーメーカーの「ロータス」を傘下に置くうえに、ダイムラー社にも約10%を出資。一方でインドの「タタ」は「ジャガーランドローバー」に出資して親会社となるなど、後進国が伝統的なブランドを傘下にしているのも、昨今の大きなトピックです。

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ところで、どうして自動車メーカーは連合(アライアンス)を組んだり、他のメーカーを傘下に収めたりして規模を拡大するのでしょうか?

その背景には、近年では開発にかかる費用が高騰し、また規模の論理(たくさん作ったほうが部品調達などコスト面で有利になる)により総生産台数が多ければ多いほどグループとして有利になることが挙げられます。だから、合併(ときには話が合わずに決別)が繰り返されるのです。

<過去問チャレンジ!1級>

2017年10月現在、英国のスポーツカーメーカー「ロータス」を傘下に収める企業はどこですか。

(1)トヨタグループ
(2)タタグループ
(3)ヒュンダイグループ
(4)浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)

text by 工藤貴宏 edit by 木谷宗義

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