2018年はみなさんにとって、どんな年だったでしょうか? 自動車業界では、完成検査不正や燃費・排出ガス測定データ書き換えといった問題も少なくありませんでしたが、注目すべきニューモデルが多く、トヨタがル・マンで悲願の初優勝を飾るなど、明るいニュースの多い1年でした。2018年最後のKURUTOPiは、今年の自動車業界を振り返ります。
ご長寿モデルが続々とモデルチェンジ
スズキ・ジムニーが20年ぶり、トヨタ・センチュリーが21年ぶり、メルセデス・ベンツが40年ぶり(!)と、長く生産されてきたモデルが続々とフルモデルチェンジを実施し、注目を集めました。
また、1955年に初代モデルが登場したトヨタ・クラウンは、15代目にフルモデルチェンジ。アルピーヌブランドの復活も、車好きにとっては大きなニュースでした。
▼A110で復活した「アルピーヌ」とはどんなブランド?
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SUVのニューフェイスがたくさん!
2017年に発表されたアルファロメオ・ステルヴィオやランボルギーニ・ウルス、ボルボ・XC40、DS7クロスバック、ジャガー・Eペイスなどが日本発売を果たし、ロールスロイス・カリナン、BMW・X7が本国発表され……と、SUVの発表・発売が続きました。
国内メーカーからは、エクリプスクロスやホンダ・CR-V、レクサス・UXが登場。世界的なSUVブームは、まだまだ続きそうです。
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目まぐるしく変わる自動車業界
カルロス・ゴーン氏逮捕ほど、2018年の自動車業界を揺るがせたニュースはないでしょう。ゴーン氏逮捕のニュースが流れたのは、11月19日のこと。ゴーン氏は、日産自動車と三菱自動車の会長職を解任されました。
また、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のCEOを務めたセルジオ・マルキオンネ氏の死去も、大きなニュースでした。マルキオンネ氏は2004年、経営危機にあったフィアットのCEOに就任し、翌年には黒字回復を達成。クライスラーを子会社化させ、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)を誕生させた人物です。
▼日産復興の立役者、カルロス・ゴーンの経歴と実績(2017年の記事)
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初めて自動車税が減額に?
12月14日にまとめれた「2019年度税制改正大綱」で、自動車税の減額が明示されました。自動車税が減額となるのは、1950年の自動車税創設以来、初めてのこと。対象は2019年10月1日以降に購入(新規登録)される新車で、減税幅は排気量の小さいクルマほど大きく、最大は1.0L以下のクルマで4500円減(29,500円→25,000円)となります。
また、自動車取得税も同時に廃止に。ただし、エコカー減税の縮小やグリーン化特例の廃止も行われる他、燃費に応じて課税する「環境性能割」導入の方針も打ち出されており、手放しには喜べない模様です。
▼毎年春にやってくる「自動車税」ってどんな税金?
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トヨタの活躍が目立ったモータースポーツ界
TOYOTA GAZOO Racingの「TS050 HYBRID 8号車」が、「第86回ル・マン24時間レース」で総合優勝。トヨタは、通算20回目のル・マン参戦で悲願の優勝を果たしました。8号車は中嶋一貴選手がドライブしており、ル・マン史上初の「日本人ドライバーと日本の自動車メーカー」による総合優勝でもありました。
またトヨタは、「TOYOTA GAZOO Racing WRT」のヤリスRWCでWRC(世界ラリー選手権)のマニュファクチャラーズタイトルも獲得。トヨタは昨年、1999年の参戦以来、17年ぶりにWRC復帰を果たしたばかり。参戦復帰2年目にしてタイトル獲得という快挙でした。
1990年代車への注目が高まる
「ちょっと古いクルマ」だった1990年代車も「旧車」や「ヴィンテージカー」と言える車齢になり、再び注目が集まるようになってきました。
これまでの旧車事情と少し違うのは、「手の届かない憧れの車種」ではなくて、「子供のころ家にあった」や「小さいころに街で見た」といった理由で、20代の若い人たちがごく普通の乗用車やワゴンモデルに注目していること。新しい旧車文化、若者のクルマ文化が開花したと言えるのかもしれません。
▼くるトピで取材したオーナーさんたち
https://car-days.fun/blog/tag/カーライフ
自動車業界は今、自動運転技術の発達やコネクテッド化だけでなく、「購入からシェアへ」と所有形態の変化なども始まり、「100年に一度の変革期にある」とも言われています。この先、さらにその流れが加速していくことは間違いありません。しかし、続々と未来が現実になっていく一方で、ジムニーやセンチュリーのように“変らない価値”もあるもの。2019年にどんなクルマが姿を現してくれるのか、楽しみにしておきたいものですね。
text by 木谷宗義