白煙を上げながらタイヤを滑らせ、その美しさを競うドリフト選手権「D1GP」の2018年シーズンが、今年も3月31日(土)~4月1日(日)の「2018 OSAKA DRIFT」を皮切りにスタートします。しかし、SUPER GTなどのようにチームごとの参戦体制発表会は、あまり行われません。その代わり、例年1月に開催されるオートサロンでニューマシンが発表(もしくはさりげなく展示)されることが多いのです。完全な状態のニューマシンこそ1台しかなかったものの、今年もD1GP2018年シーズンを占う発表や展示が見られました。
RE雨宮は13B×2基で組み上げた4ローターエンジンを搭載
完璧な形として展示されていた唯一のニューマシンは、ロータリーエンジンチューニングで有名な「RE雨宮」のマシン、「RE雨宮 K&N D-1 RE4ROTOR」です。
このクルマは、マツダ13Bロータリーエンジンを2基合体させた4ローターの「RE4ROTOR」エンジンを搭載。ギャレット製タービン(キャパシティは1200馬力!)やワンオフのインタークーラー&オイルクーラーを装着。パワーは未公表ですが、800馬力以上を目標に製作されているとのこと。ドライバーは昨年に続き、松井有紀夫選手が担当するようです。
D-MAXのS15 シルビアはホワイトボディの状態で展示
2017年シーズンは全戦を通じて安定したパフォーマンスを披露していた「D-MAX」。東京オートサロン2018では、ホワイトボディ状態のS15シルビアを展示していました。エンジンはトヨタの2JZを搭載し950馬力を発生するとか。D-MAXオリジナルの足回り、エアロで製作が進められています。3月末の開幕戦まで時間的猶予は少ないですが、どんなマシンになってファンの前に出てくるか楽しみな1台です。
モンスターエナジーカラーのコルベットは2号機が完成
屋外の特設コースの横には、昨年のD1GPで強烈な加速ととんでもない角度のドリフトでチャンピオン争いをした、齋藤太吾選手が駆るモンスターエナジーカラーのコルベットの姿がありました。注目すべきは、昨年のパートナーであった中国・WANLIタイヤのロゴがなくなっていたこと(装着しているタイヤは暫定的にWANLIタイヤだった)。D1GPは、SUPER GTに負けず劣らずの”タイヤ戦争”が繰り広げられている競技。このコルベットが、どのタイヤメーカーと組むのか楽しみですね。
マシンはショー直前に走行可能まで仕上がった2号機で、昨シーズンに頻発した駆動系トラブルとトルク不足が解消されているとのこと。開幕戦はこの2号車で参戦。昨年のマシンも駆動系一新しているとのことで、スペアマシンとして使わるか、もしくは他のドライバーのマシンとなる可能性もありそうです。
昨年のD1GPと、初めて開催された世界統一大会でチャンピオンとなった川畑真人選手率いる「TOYO TIRES GLION TRUST RACING」では、新車のアナウンスはありませんでした。昨年の「GReddy 35RX spec-D」を引き続き使用すると思われます。
ちなみに下の映像は、東京オートサロンの特設コースで行われたD1GPマシンによるデモラン「D1GP KICKOFF」の様子です。デモランが行われた3日間は、溢れんばかりの来場者が訪れ、大いに盛り上がっていました。
https://www.youtube.com/embed/ppTtlhhu7ik
D1GP2018年シーズンは北海道から九州まで!
写真は2017年のもの。上から舞洲、筑波、エビス、お台場、最後がFIAンターコンチネンタル・ドリフティング・カップ
D1GP2018年シーズンは、3月31日(土)~4月1日(日)に大阪・舞洲で行われる「OSAKA DRIFT」から始まり、4月には4年ぶりに大分・オートポリスで開催。さらに、6月にはD1GP史上初めて北海道・十勝サーキットでも行われます。九州から北海道まで、今年のD1は忙しくなりそうです。その後は、筑波、エビス、そしてお台場でシーズンを締めます。
北海道での開催はエントラントのロジスティクス、費用などやや不安な声を聞きますが、北海道のドリフトファンにとっては朗報ですね! また、昨年初開催された、世界統一ドリフト大会「FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ」も11月は控えていますから、ドリフトファンにとって充実した1年になりそうです。
text & photo by クリハラジュン, edit by 木谷宗義+Bucket
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