さまざまなパーツメーカーやチューニングショップ、自動車メーカーが自慢のカスタムカーやチューニングカーを展示する「東京オートサロン」。その中で毎年、異彩を放っているのが専門学校の学生たちが制作するカスタムカーです。
メーカーやショップにはない自由な発想でできたクルマたちが、来場者の興味を惹きます。今年のオートサロンでもおもしろく、かつクオリティの高い学生カスタムカーが多く出展されていたので、いくつかご紹介しましょう。
日本自動車大学校(千葉県成田市)
千葉県の「日本自動車大学校(通称NATS)」は、学内敷地にサーキットコースがあり、SUPER GTで実戦講習を行うなど、日本屈指の規模とレベルを持つ自動車整備士養成学校です。同校には「カスタマイズ科」があり、チームを組んで卒業作品として製作したクルマを毎年、オートサロンに出展しています。
今年の出展台数は10台。国内外で人気のワゴン「トヨタ・ヴェルファイア」をベースにピックアップ化した「NATS VELLFIRE PICKUP」は、「SUV部門最優秀賞」を獲得していました。それ以外にも「トヨタ・カムリ」をベースに、オーストラリアの「ホールデン」社が販売しているピックアップ「Ute(ユート)」をイメージして作られた「NATS CAMRY GTU」、移動教室車として製作された「NATS Traveling classroom」など、非常にレベル高い作品ばかりで、他の出展メーカーの関係者も多く見学にきて学生に質問を投げかけていました。
「NATS Traveling classroom」の後部には、織戸学選手(同校の非常勤講師でもある)のシミュレーターショップ「130R Yokohama」特製のレーシングシミュレーターが設置されている
花壇自動車大学校(宮城県仙台市)
宮城県仙台市にある「花壇自動車大学校」は、トヨタのコンパクトカー「ポルテ」をベースにした「Kadan PJ Cruiser」を出展しました。ポルテは使い勝手の良いスライドドア車として人気のある1台ですが、そのエクステリアは少々地味な印象。そこで同校の学生たちは、「カッコかわいい」オープンデッキ付の、サマーレジャーにピッタリな1台にカスタムしました。側面のハイビスカスのペイントは、なんとフリーハンドで描かれているとか! 学生一人ひとりのスキルの高さがわかります。
小さなデッキがかわいいリヤスタイル。夏の湘南の道沿いをドライブしてみたくなる
国際情報工科自動車大学校(福島県郡山市)
福島県の「国際情報工科自動車大学校(通称WiZ)」も、毎年オートサロンに出展している自動車専門学校の1つです。今年の出展で注目を集めたのは、トヨタの名車「ハチロク」にスバルの名機・EJ20ターボエンジンを搭載したコンセプトカー「WiZ CONCEPT EJ86」です。
この「EJ86」は「若者の車離れを何としてでも止めるため、スポーツカーのカッコよさ、カスタムカーの素晴らしさをもう一度皆様にお届けしたい! そんな想いで制作した」とのこと。
外観はハチロクの最速カテゴリーであるN2クラスのワイドボディキットを装着。足回りはレーシングカー譲りのWiZオリジナルパーツを装着しています。現代の86/BRZのご先祖様のような感じもしますね。筑波サーキットのスーパーラップなどに挑戦してほしい1台です。
埼玉自動車大学校(埼玉県北足立郡伊奈町)
埼玉県の「埼玉自動車大学校」は、ちょっと懐かしいホットハッチ「トヨタWiLL VS」をベースしたコンセプトカー「WiLL式 戦闘機」を展示。
オリジナルのエアロパーツやテールゲートによって、戦闘機チックに仕上がっています。インテリアは黒を基調し、ドライバー側にオフセットされた追加メーターと左右後部のカメラビューモニターがアクセントに。こういった遊び心満載のカスタムは、学生ならではですね。
今年も筆者は学生カスタムカーに感心させられっぱなしでした。クルマだけではなく、ブース内の対応も学生が行っていますが、みなさん喜々として自慢の1台の説明してくれます。その姿は羨ましくもなるほど。中高生の中で、将来クルマ業界で活躍したいを考えている人は、オートサロンという晴れ舞台で実績を持つ学校を選択肢の1つとしてみるといいかもしれません。
text & photo by クリハラジュン, edit by 木谷宗義+Bucket
▼東京オートサロンにまつわる記事はこちら!
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