【最新ニュース】BMWが開発中のFCVをお披露目
BMWは、開発中の燃料電池車(FCV)を日本初公開しました。
公開されたFCVは、BMW5シリーズ・グランツーリスモをベースとした実験車両で、ドイツでは既に実証実験が行われているものです。
外観は、ほぼノーマルの5シリーズ・グランツーリスモとなっており、内装もベースモデルとほぼ同等の機能を備えます。ただし、水素タンク搭載の影響で4シーターとなることや、FCV化による重量増を押さえるため、ルーフやホイールなどのパーツが軽量なカーボン製に置き換えられるなどの変更が行われています。
発電に必要なFCスタックは、トヨタが開発したものを搭載。これはトヨタとの協業関係により実現した成果のひとつとなります。もちろん、すべてにトヨタのシステムを搭載しているわけではなく、駆動モーターや高電圧バッテリー、水素タンクなどのメカニズムは、BMWが独自開発しています。実験車の性能は、最高出力150kW/200psを発揮し、0-100km/h加速が8.4秒、最高速度が180km/hだそうです。
BMWでは、700barのCGH2（圧縮水素）と350barのCcH2（極低温圧縮水素）という2種類の圧縮水素システムを採用し、開発を進めています。それぞれの水素の充填量が異なるため、連続航続距離は前者が450km、後者が700kmとなります。一見すると350barのシステムのほうが有利に思えますが、車載システムが複雑化してしまうそう。このため、インフラシステムの負荷が増えるものの、車両のシステム負荷が少なくなる700barのシステムはトヨタも採用しています。トヨタとの協業の目的は開発の効率化だけではなく、FCVのスタンダード構築にもあるため、700barのシステムも作り上げる必要があるようです。
既に市販化への技術的問題はクリアしているものの、環境意識が高いドイツのユーザーは、「エコカーへの関心は高いが、コスト面では現行車より少し高い程度でなければ乗り換えない」という調査結果もでているといいます。BMWは2020年の市販化を目指し、価格は既存のEVモデル＋αで納められるように努力しているとのこと。日本への導入は、まだ明らかではないですが、本国デビューから近いタイミングとなる可能性は充分にあるようです。
text & photo by OHTO Yasuhiro
