【モータースポーツ】距離と時期が変わったことでハイレベルなバトルに! SUPER GT2018第3戦「鈴鹿300km」

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SUPER GTの鈴鹿と言えば例年、8月に開催される伝統の「鈴鹿1000kmレース」でした。レース後は、打ち上げられる花火を見ながら、興奮の余韻に浸っていたものです。

しかしながら、レースをプロモートするGTA(GTアソシエイション)は今シーズン、スケジュール変更と距離の見直しを行いました。その結果、開催時期は5月に、距離も300kmと短くなりました。新たに鈴鹿で開催される「鈴鹿10時間耐久レース」との兼ね合いもあっての変更です。

目次

記録ラッシュとなった予選

5月18日(金)には雨が降るなど天候も不良でしたが、予選が行われた19日(土)は晴れ間が見える天候に。とはいえ、観覧車が止まるほどの強風が吹き荒れていました。

この強風は、ホームストレートでは「追い風」に。もともと下り坂となっているホームストレートに追い風が吹けば、タイムへの影響は大きいはず。さらにこの日は思った以上に気温が上がらず、「パワーを出す」と言う意味では好条件でした。

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写真は決勝時

その結果、GT500では全車が昨年更新されたレコードタイム、1分47秒074を上回るタイムを記録。ポールポジションを獲得した「#8 ARTA NSX-GT」にいたっては、2.7秒も上回る1分44秒319の好タイムを叩き出しました。

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写真は決勝時

GT300も予選タイムアタックでコースレコードを次々と更新していき、最終的には今シーズンから参戦している「#96 K-tunes RC F GT3」が、1分55秒531のタイムでトップに立ちました。このタイムもGT300のコースレコードを2秒以上上回るタイムです。

ハイレベルで高バトルは見応え充分なレース展開

迎えた20日(日)の決勝は朝から好天となり、前日の強風も収まり穏やかな陽気に。1000kmレースから300kmレースになったことで「つまらなくなるのでは?」と言う人もいましたが、そんな心配は終わってみれば「不毛な会話だった」と反省しなくてはならないほど、ハイレベルでクリーンなバトルが繰り広げられます。

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なお、サポートレースとして開催されていたFIA-F4とポルシェ カレラ カップジャパンの両レースで大きなクラッシュが起きたことや、鈴鹿サーキットの計時システムにトラブルが起きたことで、40分遅れてのスタートとなりました。

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GT500のトップグループは、レース序盤からライバルとのギャップを築いていきます。10周目にはGT500の中段グループがGT300の集団に追いつき、ヘアピンコーナーでは20台近くのマシンが団子状態に。それでも接触などは起きず、レーシングスピードで駆け抜けていきます。レーシングドライバーのドライビングスキルの高さを改めて感じた瞬間でした。

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14周目に「#39 DENSO KOBELCO SARD LC500」がデグナーコーナー2つ目、立体交差の下あたりでクラッシュ。コース上にストップしてしまいます。これによりセーフティーカーが導入。トップが築いていたギャップは帳消しになり、後方チームにはチャンスが生まれました。

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タイヤ戦略でその後の展開が変わった

300kmレースになったことで、大きく変わったのがタイヤ戦略です。SUPER GTではどのタイミングでタイヤ交換をするのかというピット戦略が勝敗を左右するもの。今回も、セーフティーランが明けてすぐにピットインするチーム、30周近くまで引っ張ってピットインするチームと、各チームともそれぞれのタイヤ戦略が見られました。

GT500では通常、一度のピット作業で4輪を交換しますが、GT300では2輪だけを交換する場合もあれば、タイヤ無交換戦略を採るチームもあり千差万別。ここで勝負に出たのが「#0 グッドスマイル 初音ミク AMG」です。

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AMG GTなどのGT3マシンでは厳しいと想像されていた“タイヤ無交換戦略”にチャレンジ。しかし、ピットアウトからしばらくは上位で奮闘していたものの、タイヤの状況が厳しいことはその走りを見れば明らか。「#96 K-tunes RC F GT3」に抜かれてしまい、0号車を先頭に5台による2位集団が形成されます。

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もともと抜きにくい鈴鹿サーキットで、このようなトレイン走行は各車ともストレスを抱えますが、「#25 HOPPY 86 MC」が少ないチャンスを掴み取り2位に。「#61 SUBARU BRZ R&D SPORT」が3位でチェッカーを受けることとなりました。

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GT500はトップの「#8 ARTA NSX-GT」と「#100 RAYBRIG NSX-GT」が集団から抜け出し、NSX同士の戦いになっていきました。10周以上にわたり、両者の間隔が1秒を切る中での戦いが繰り広げられていきます。その展開は最後まで変わらず、「#8 ARTA NSX-GT」が優勝!

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次戦はシーズン唯一の海外戦、タイ

鈴鹿サーキットでは、300kmという距離だとあっという間にレースが流れていきます。他のサーキットよりもコースが長い分、周回数はトップでも52周という周回数です。しかし、その距離に関わらず、ハイレベルなバトルが繰り広げられたことで、見ていたファンにとってはとても熱く楽しいレースだったはず。

この鈴鹿300kmレースで、シーズンを通して8戦中3戦が終わったこととなります。次戦は、SUPER GTで唯一の海外レース、タイ「チャーン・インターナショナル・サーキット」でのレースです。シーズン折り返しとなる場面が海外レースとなると、ウェイトハンデなどを考えたレース展開が必要でしょう。シーズン後半のチャンピオン争いを考えた場合、非常に重要なレースとなってくるでしょう。第4戦タイの決勝は、7月1日(日)に行われます。

~GT500クラス~
1位:#8 ARTA NSX-GT
2位:#100 RAYBRIG NSX-GT
3位:#1 KeePer TOM’S LC500
4位:#12 カルソニック IMPUL GT-R
5位:#36 au TOM’S LC500

~GT300クラス~
1位:#96 K-tunes RC F GT3
2位:#25 HOPPY 86 MC
3位:#61 SUBARU BRZ R&D SPORT
4位:#88 マネパ ランボルギーニ GT3
5位:#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3

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text & photo by 雪岡直樹 edit by 木谷宗義

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