1980年代にスズキから登場したユニークなコンセプトの“ピックアップ”軽自動車”。その現代版が昨年、東京モーターショーに登場しました。今回は、そんな「遊べる軽」の元祖ともいえるクルマに関する問題です。
- ①キザシ
- ②マイティボーイ
- ③オールマイティ
- ④カルタス
解答:②マイティボーイ
いががでしたか?解説文の中に正解がありますので、確認していきましょう。
“マー坊”の再来
「第44回東京モーターショー2015」にてスズキから発表されたコンセプトカー「マイティデッキ」は、ずばり”マー坊”の再来と言われています。
この”マー坊”が解答の大きなヒントなのですが、もうわかってしまいますよね。正解は、”マー坊”と呼ばれていた②の「マイティボーイ」でした。
そう、マイティデッキは1980年代の軽商用車「マイティボーイ」をアレンジしたとされるコンセプトカー。独特のスタイルや懐かしさに、いまなおファンが多いクルマです。
特に50~60代の方は、昔乗っていた思い出や当時のCMなどが思い出され、感慨深いのではないでしょうか?
ただの焼き直しじゃない!新しいこだわり
「マイティデッキ」は「マイティボーイ」の再来といわれるものの、ただの焼き直しではありません。現代の技術を生かした、スズキのこだわりが詰まっています。
まず、「マイティボーイ」はデッキと車内が完全にセパレートされた2シータータイプのピックアップでしたが、「マイティデッキ」はその名の通りリアにオープンデッキをもち、後席背もたれを起こせば4人乗車も可能としています。
さらに、リアのデッキは電動で位置を上下させることまで可能。上昇させた際にはその下にできた空間を荷室として使えるようになるなど、デッキを中心にかなりの工夫がこらされています。軽自動車とは思えない収納力や使い勝手ですね。
軽自動車以外も作ってるんです!
マイティボーイやマイティデッキに代表されるように、スズキは軽自動車のイメージが強いかもしれませんが、実は普通車のセダンも作っています。
代表車種としては、問題文②の「カルタス」や「エリオ」です。
そして最新のものは、2009年に米国スズキにより発表された問題文①の「キザシ」。米国スズキにより発表ということからも分かりますが、北米市場向けのモデルという位置づけのため、日本のユーザーにはあまり馴染みがないかもしれません。
ごく少量ながら日本でも販売はされていて、2009年10月から完全受注生産で販売を開始しています。北米市場の後は、欧州市場や中国市場へも投入され、2015年には日本国内での販売を終了しています。
実はこのキザシ、2007年の第62回フランクフルトモーターショーで初公開され、斬新な和テイストの名前と流麗なボディデザインで話題を呼んでいました。
また、日本国内でも一時的にキザシの知名度が上昇したことがあります。
それは、2013年のパトカーや覆面パトカーとしての正式採用です。カルタスもそうだったのですが、スズキの普通車は価格が安いこともあり、警察車両への採用数が多いのです。
国内での通常の販売台数が少なすぎて、キザシを見かけたら覆面パトカーだとすぐにばれてしまうのではないか、などと心配の声も出たくらいでした。
34年間連続 軽自動車界No1!
スズキは、1973年~2006年の34年間もの間、連続で軽自動車販売台数No.1を誇っていました。
そして、2014年には約8年ぶりに、No.1に返り咲いています。大躍進のきっかけとなったのは、軽自動車初のクロスオーバーSUVとなる「ハスラー」の発売でした。
ハスラーに代表されるように、スズキはこれまで実用や車内空間の拡充一辺倒だった軽自動車の世界に、趣味性を持ち込むことで大成功したのです。
このハスラーの成功を見た各社も後に続き、本格オープン2シータやSUVなどの趣味性の高い車が次々に発売され、軽自動車業界は活況を見せています。この状況でマイティデッキも市販化されれば、過去のマイティボーイを上回る人気が期待できるのではないでしょうか。いまから待ちどおしいですね!
text by マサユキ