【豆知識】販売台数「33年No.1」のカローラを破った初代フィット

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ここ数年、日本国内の販売台数ナンバーワンは、トヨタの「アクア」か「プリウス」となっていますが、2000年代に入るまで日本国内のナンバーワンと言えば「カローラ」と決まっていました。今年、生誕50周年を迎えたカローラは、1966年に発売されるとすぐにヒット。ワゴン/バンやスポーティな「レビン」といったさまざまなバリエーションをラインナップし、1969年から33年もの長きにわたって日本国内で発売台数トップとなりました。

では、この「33年間 ナンバーワン」の記録を破ったクルマは何だったのでしょうか? 答えは、今も人気の高いホンダのコンパクトカー、「フィット」です。

目次

コンパクトなボディ、広い室内、低燃費で一躍日本のトップに

フィットは、2001年6月にそれまでの「ロゴ」に代わるモデルとして登場。短いボンネットと高めの全高を持つボディは、上級車種に匹敵する広大な室内空間を持ち、コンパクトカーの新しいパッケージングを提案しました。

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フィット(2001年)

このパッケージングは、「メカニズムは小さく、室内空間は大きく」というホンダのクルマづくりの基本、「マンマキシマム マシンミニマム」を体現するもの。今、フィットの他、N-ONEやN-BOXといった軽自動車にも採用される、センタータンクレイアウト(燃料タンクを車体後部ではなく中央に設置するレイアウト)を初めて用いたクルマでもありました。室内高は1,280mmで、これはSUV並みの数値。「コンパクトカーは狭い」という概念を覆す広大な室内空間を持っていたのです。

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エンジンは、2つのスパークプラグを持つ「i-DSI」を採用した、4気筒1.3Lガソリンエンジン。これにホンダ独自のCVTである「ホンダマルチマチックS」を組み合わせ、10・15モードで23km/Lという当時最高水準の低燃費を実現していました。

余談ですがこのマルチマチックSは、トルクコンバーターを用いていないため、ダイレクトな加減速フィーリングが得られ、乗っていても楽しいクルマだったことを記憶しています。

コンパクトなボディ、広い室内空間、そして低燃費と、実用車に求められる要素を兼ね備えたフィットは、発売後すぐに大ヒット。発売初年度の2001年は6月発売だったため販売台数は6位となりましたが、初めての通年販売となった2002年には250,790台を販売し、トップに。カローラが33年間守り続けてきた、年間販売台数ナンバーワンの座を奪いました。

2度のフルモデルチェンジを経てコンパクトカーの定番モデルに

その後、フィットは2007年に2代目へとモデルチェンジ。2008年に再び販売台数ナンバーワンとなった他、2010年にはハイブリッドモデルも追加。人気モデルとしての地位を確固たるものとします。

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フィット・ハイブリッド(2010年)

現在、販売されているのは、2013年に登場した3代目。それまでの柔らかな印象からイメージチェンジを計り、シャープなスタイリングに。アトキンソンサイクルを採り入れたり、ハイブリッドモデルで高出力モーターを内蔵した7速DCTを採用したりと、機構的にもチャレンジングなモデルとなっています。

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フィット・ハイブリッド(2016年)

2度のモデルチェンジを経たフィットは、日本のコンパクトカーの定番モデルとなりました。2001年に登場し、瞬く間にヒットモデルとなった初代モデルは、21世紀のコンパクトカーの礎を築いたと言っても過言ではないでしょう。さらに電動化が進んでいる今、次の世代のフィットはどのような形で私たちの前に現れるのでしょうか?

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text by 木谷宗義/Bucket
画像提供:本田技研工業

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