嵐の迫る10月末の2日間、今年もフランス車の祭典である「フレンチブルーミーティング(以下FBM)」が、長野県は車山高原スキー場にて開催されました。実はその前の週にも台風が日本列島を直撃して各地で猛威を振るったこともあり、多くの人が「今週末は天候に恵まれるのでは?」と思いました。しかし、まさかの連続台風の到来、車山は文字通りの嵐の予感に包まれました。
それでもボクらはフレンチブルーミーティングをあきらめない
この台風を受け多くの参加予定者、特に日曜日のみの参加者は二の足を踏まれた方もいらしたかと思います。筆者も前泊をスケジュールとしていたものの、かなりの厳しい展開を想定しておりました。しかし、実際に始まると確かに台数こそは少なかったのかもしれませんが、その車種と参加者はこの天候にも係わらず「よくぞ!」思うほど。
多くの現行フランス車に混ざりシトロエン2CV 勢が今年も多数参加。シムカやパナールといった希少な車種や、Gr.Bマシンであるルノーサンクターボ(Ⅱ)、プジョー205T16といったクルマまでもが、この嵐にもかかわらずエントリーしていました。参加車両については、最後にたっぷりご紹介します。
悪天候にも負けない参加者
FBMは季節柄、何度かに一度は悪天候に見舞われるイベントです。もちろん屋外、しかも山間部であることを考えれば、それは想定されるべき事態ではあるのですが、他のイベントと比べても比較的高い確率で雨に当たります。それゆえメイン会場のグランドは水はけなどに悩まされるのですが、参加者もその辺りはとうに織り込み済み。長靴やカッパ、ポンチョを用意して参加します。
もちろん会場側も手をこまねいているわけではなく、今年は重機で池を本部近くに掘り、そこに一度雨水を溜めてから排水を行うという手を使って対策をとっていました。しかし、さすがに台風の影響下では難しかったようです。それでも地面を気にしながらも多くの方が蚤の市を楽しまれておりました。
メイングランドの水はけを少しでも改善するべく用意された貯水池しかし、雨量はそれをはるかに上回った
恒例のジムカーナや2CVクランク掛け大会も中止に……
それでも多くの参加者が参加するのが年に一度のFBM。屋根のないルノー・スポール・スピダーの姿もあった
長野県には食べるものがイッパイ。FBMは「食」も楽しい
メイングランドには本部テントを中心に蚤の市会場が展開されていますが、ここにはショップやメーカーを始めさまざまなお店が軒を連ねます。最近の傾向としては、こうしたパーツショップでもコーヒーを出すなど、休憩のできるスポットとしても楽しめるスタイルが多いようです。もちろん、食べるためのお店も展開されていますので、地元長野の味やフレンチ関連のお店の味を堪能することができます。
「公現祭」の日に食べるガレット・デ・ロワなどを用意されるケーキ屋さんも
シトロエン・Hトラックのバーガーショップ
地産地消ジビエも立派な郷土料理のひとつ。シカ肉を使ったカレーが販売されていた
ちなみに、車山高原に至る道中にも素敵なお店はたくさんあります。FBM会期中、大門街道など、道すがらあるお店にフランス国旗が掲げられているのは、FBM開催の協力店です。
やはり、長野なら日本そばというところでしょうが、実は今、長野では新たな名物が育ちつつあります。それが信州サーモンと呼ばれる魚料理です。「サーモン? 海のモノじゃないの?」、そう思われても無理はありません。こちらは淡水魚であるマスと同じマス科である、トラウトサーモンを品種改良して育てた長野独自の養殖魚です。
脂ものっていますが、決してしつこくなく、おいしくいただけます。お店には「信州サーモン」と看板がありますし、グルメサイトでも検索すれば出てきますので、FBMを始め長野への旅に訪れた際には一度ご賞味あれ。
また来年も元気な姿でお目にかかりたい
台風にもかかわらず多くの方々、参加車両が集まったFBM、また来年も元気な姿で皆さんとお会いしたいものです。もちろん次回は晴天であることを祈って。それでは、最後にFBM2017の参加車両を見つつお別れしたいと思います。
プジョー406クーペがずらり。同じ車種が並ぶのもFBMならではの風景。手前は日本未導入の限定車「セッタンタアンニ」
リヤにエンジンを積むプジョー205T16。若い方はご存じだろうか? 1980年代にWRC Gr.Bで猛威を振るった怪物マシンだ
1960年代のシムカ1300。シムカはかつてあったフランスのメーカー。この悪天候の中、エントリーされていたのは素晴らしい
国内には正規輸入されなかったルノー・ラグナⅢ。その姿も。こちらはそのクーペ
パナール・ディナZ。パナールもかつてあったフランスのメーカー。このクルマは1950年代のもの
もちろん現行車の姿も多い。こちらはプジョーのグループ駐車コーナー。208、308、RCZの姿が見える
シトロエン・アミ。1960~1970年代に2CVの上級車種として作られたモデル
ルノー・ルーテシアRS(左)とルノー・エスパスⅡ(右)。エスパスは日本未導入のミニバンだ
シトロエン11CV。「トラクシオン・アヴァン」とも呼ばれ、それは「前輪駆動」であることを示す。1930年大に登場したクルマ
多数見られたシトロエン2CVの1台。トランクに貼られたおびただしい数のFBMステッカーが、このクルマの歴史を語っている
奥に並ぶかわいらしい形のクルマがルノー・キャトル。2CVとともに、フランスの足として活躍したモデルだ
アルピーヌA610、カスタマイズだろうか? こちらは珍しいポップアップしないタイプのライトが装着されていた
text & photo by きもだこよし+Bucket
<きもだこよしのコラム>
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