みなさまは、免停が言い渡された後、通知が来なくて困った経験はありますか。
1か月以上経っても免停通知が届かないケースがあります。
免停通知が来ないからといって、処分が免除されたわけではないので、放置してはいけません。
免停の条件、通知が来ないときの対処法、通知の種類を解説します。
本記事の内容を覚えておいて、免停通知が来なかったときに適切に対処しましょう。
免停通知が来ない場合はどうすればよい?
免停になる条件、免停の開始時期を解説します。
免停になる条件とは?
交通事故や交通違反を起こして取り締まられると、違反点数が加算されます。
過去3年間の違反点数の合計が一定を超えると、行政処分で運転免許の効力が停止されます。
運転免許の効力を停止されることが「免停」です。
免停になった場合、免停の期間内は車の運転をしてはいけません。
免停の点数基準・期間は、過去3年間の合計違反点数だけでなく、過去の違反歴も参照されて決まります。
免停期間は、30日、60日、90日、120日、150日、180日の6段階です。
任意の免停講習に参加して考査成績が決められた基準を超えれば、免停期間が短縮されます。
悪質な違反をすると、違反点数は多く加算されます。具体的には、危険運転致死傷や酒酔い運転などです。加算された違反点数が一定の基準を超えたときは、免停より厳しい免許取り消しになります。
免停期間中に車の運転をすると、無免許運転とみなされ、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数25点の加算、免許取り消しが科せられます。
免許の取り消しは最も重い行政処分です。
一定期間は車を運転できないだけでなく、再び運転するためには免許を改めて取得する必要があります。
免停はいつの時点から開始になる?
警察の取り締まりで免停が言い渡されても、その場で免停期間が始まるわけではありません。
取り締まりの後、1か月程度で免停通知書が自宅に届きます。
免停通知書には違反歴、違反点数、免停期間、出頭日、出頭場所が記載されています。
免停通知書には、「出頭要請通知書」と「意見の聴取通知書」の2種類があります。
出頭要請通知書が届いたときは、指定された日時・場所に出頭して免停手続きを済ませた日が、免停の開始日です。
意見の聴取通知書が届いたときは、指定された日時・場所で聴取を受け、免許停止処分書を受け取った時点から免停期間が始まります。
免停に時効はない
免停に時効はないので、適切な処分を受けないと、違反点数がリセットされません。
処分を受ける前にさらに違反を重ねると、より重い処分を科せられます。
免停通知が来ても出頭せずに運転を続けると、「行政処分手配者」と警察に登録され、検問や職務質問などを受けたときに、免許を取り上げられます。
免停通知が来なくても、違反点数が自然にリセットされるわけではないので、必ず下記の方法で確認しましょう。
免停通知が来ない場合の2つの確認方法
1か月以上経っても免停通知が来ないケースがあります。
免停通知が来ない場合、現在どのような状況なのかを確認する方法を2つ解説します。
1.警察署に問い合わせをする
免停通知が来ないときは、最寄りの警察署に問い合わせましょう。
各警察署の「交通反則通告センター」が、交通違反の管轄です。
2.自動車安全運転センターで累積点数等証明書を発行する
自動車安全運転センターで発行できる累積点数等証明書は、本当に自分が免停に該当しているかを確認できます。
累積点数等証明書は、違反歴や違反点数を証明する書類です。
累積点数等証明書を見れば、免停に該当するかがわかります。
免停に該当しているのであれば、最寄りの警察署に連絡しましょう。
警察署や交番などで証明書申込用紙を入手し、必要事項を記入して、手数料を添えて郵送することで申請できます。
直接、自動車安全運転センターに赴いて申請しても構いません。
自動車安全運転センターの多くは、各都道府県の運転免許試験場や警察本部にあります。
証明書を交付するのに、1通につき670円かかります。
免停通知には2種類ある
2種類ある免停通知をそれぞれ解説します。
1.出頭要請通知書とは?
。出頭要請通知書は、免停期間が90日未満の場合に届きます
通知書に記載された日時・場所に出頭を命じられます。
各都道府県の運転免許センターに指定されることが一般的です。
どうしても指定の日時に出頭できない場合は、通知書に記載の電話番号に連絡すれば変更も可能です。
出頭したら、申請書を記入し、運転免許証と共に提出します。
免停講習を受講するならば、印紙を購入するための現金も必要です。
免停期間が短期(30日)ならば11,700円、中期(60日)ならば19,500円、長期(90日以上)ならば23,400円です。
出頭した日のうちに手続きが完了し、免停期間が開始されます。
2.意見の聴取通知書とは?
意見の聴取通知書は、免停期間が90日以上の場合に届きます。
科せられる処分が重いため、事実確認のために聴取されます。
聴取時には、事実確認や状況把握をし、処分対象者が意見を述べたり、有利になる証拠を出したりする機会が与えられます。
通知書に記載された日時・場所に出頭してください。
一般的に、各都道府県の運転免許センターや警察署に指定されます。
出頭する際は、運転免許証や印鑑を持参してください。
事故の相手との示談書や、勤務先の同僚や知人の嘆願書、自筆の反省文も提出できます。
付添人の出席が認められているので、弁護士と一緒に聴取に応じても構いません。
欠席する場合は、届いた通知書の「欠席」の欄に丸を付けて返送してください。
欠席すると、書面のみで審査されます。
聴取の結果、処分が減免されることもあります。
免停処分に不服があるならば、十分に準備して聴取に臨みましょう。
聴取が終わり、免停処分が妥当だとみなされると、「免許停止処分書」が交付されます。
免許停止処分書が交付された時点で免停が始まり、運転できません。
まとめ
免停の条件、通知が来ないときの対処法、通知の種類を解説しました。
約1か月で免停通知が届くのが一般的ですが、2、3か月以上経過しても通知が届かないことがあります。
通知が来なくても、違反点数は消えないので、放置しても得することはありません。
本当に自分が免停かどうか確かめるために、最寄りの警察署に問い合わせるか、自動車安全運転センターにて累積点数等証明書を発行して確認しましょう。
免停通知書には2種類あり、それぞれに適した対応が必要です。
本記事の内容を頭の片隅に置いておいて、免停通知が来なかったときに正しい対応をしてください。