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【豆知識】日産の特装車を手掛ける「オーテックジャパン」とは?

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みなさんは、「オーテックジャパン」という名前を聞いたことがあるでしょうか?

日産車に詳しい人なら、きっと知っていることと思います。オーテックジャパンは、1986年に設立され、2016年に30周年を迎えた日産車をベースに特装車を作るメーカー。乗用車ベースのカスタムカー(SV・スペシャリティビークル)、福祉車両(LV・ライフケアビークル)、商用特装車(WV・ワークユースビークル)、3つのタイプの特装車を作っています。「ライダー」や「アクシス」だけではないんですね。

デザインだけじゃない!走りにもこだわったカスタムカー

スポーティなスタイリングの「ライダー」や上質な内外装を持つ「アクシス」、走りを追求したNISMOシリーズなどは、すべてオーテックジャパンによって作られています。クラシカルなデザインの「マーチ・ボレロ」もオーテックジャパンによるもの。30周年を記念して30台だけが作られる「マーチ・ボレロA30」ももちろん、オーテックジャパン製となります。

ノート・アクシス

ノートとキューブに設定される「アクシス」は、上質な内外装を施した上級仕様。専用のバンパーやフロントグリル、アルミホイール、そしてインテリアには専用本革シートが採用され、落ち着いた雰囲気のクルマに仕上げられています。

マーチ、ノート、ジュークにラインナップされるNISMO(ニスモ)シリーズは、専用チューンのエンジンやボディ、サスペンションを持つスポーツモデル。剛性感の高いボディは、走りにこだわりを持つ人たちをも唸らせる、走り好きのためのシリーズです。設計・開発は、その名の通り日産グループでモータースポーツ関連のパーツ開発やレース参戦を行う会社「NISMO」で行い、オーテックジャパンが製造を行っています。いわば、純正ワークスコンプリートカーというわけです。

ノート、キューブ、ウイングロード、セレナ、キャラバン、エルグランドに設定されるライダーは、迫力のあるエアロパーツを身にまとったスポーティなシリーズです。キューブ、セレナ、エルグランドのライダーには、YAMAHA製パフォーマンスダンバーを装着するなどして走りの質感を高めた「ハイパフォーマンス・スペック」も設定し、走りを追求するミニバンユーザーに応えています。

他には、リーフ・エアロスタイルやジューク・アーバンセレクション、エクストレイル・エクストリーマーX、といった、特別仕様車も手掛けています。ちなみに、オーテックジャパンが手掛けるクルマは、どれも日産のディーラーで買うことができますが、車検証上は日産車をベースとした「改造車」となります。そのため、登録時には運輸支局にクルマを持ち込む「持ち込み登録」が必要です。

福祉車両の開発・製作もオーテックジャパンが担当

日産の各モデルには、乗り降りを楽にしたり車椅子のまま乗降できたりする、福祉車両がラインナップされていますが、これら開発・製作もオーテックジャパンの手によるもの。

助手席やセカンドシートが回転して、足腰が弱い方の乗り降りを助ける「アンシャンテ」、スロープやリフトがついていて車椅子のまま乗り降りができる「チェアキャブ」、下肢の不自由な方がご自身で運転できる手動運転装置「ドライビングヘルパー」、福祉施設や介護タクシーなどに使われる「介護サービス向けLV」と、さまざまなニーズに対応するラインナップを持っています。

アンシャンテはカタログモデルのひとつとしてラインナップされますが、ドライビングヘルパーなどは、ユーザーの使用状況に応じた特注仕様に対応。さまざまな人のカーライフをサポートします。

究極の特装車!? 商用特装車

さまざまな種類の特装車を作るオーテックジャパンの中でも、ひときわ異彩を放つのが商用特装車でしょう。NT100クリッパーやアトラスといったトラックの荷台を架装して、ダンプカーや保冷車にしたり、大型トラックをベースに放送中継車を製作したり、あらゆるプロ仕様のクルマを製作します。「NV350キャラバン 幼児通園専用車」など、幼稚園バスもオーテックジャパンが作っているんですね。

過去には、「オーテック・ザガート・ステルビオ」や「スカイラインGT-Rオーテックバージョン 40th ANNIVERSARY」といった名車も生み出してきたオーテックジャパンは、日産とともにこれからも日産のレギュラーラインナップにはない、オーテックならではの魅力あふれるモデルを作り続けていくことでしょう。日産だけでなく、オーテックジャパンのWebサイトもぜひ見てみてくださいね。おもしろい発見がありますよ!

text by 木谷宗義/Bucket
写真提供 日産自動車