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【車イベントレポート】1200台ものカングーが!カングージャンボリー2017

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初夏に向かう寒の戻りの中、山梨県は山中湖交流プラザ「きらら」にて「カングージャンボリー2017」が開催され、今年も日本全国からルノー・カングーが集まりました。これは、ルノーが毎年行っているイベントで、その名の通りカングーが主役です。

このイベントは、ある種ものすごく特異なイベントです。一般に、同一車種によるカーイベントというと、高級車や特殊なスポーツカーであることがほとんど。しかし、このカングーは、スポーツカーとは真逆のスタイルのクルマでありながら、れっきとした輸入元が主催のイベントです。メーカーが単独の車種を冠にしたイベントを開催することは滅多にないものですが、それができるのがこのカングーというクルマの魅力なのかもしれません。

特異な魅力を持つ車

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ルノー4(キャトル)フルゴネット(photo by renault)

カングーの源流はサンクベースのエキスプレスにあり、さらにたどれば古くはキャトルのフルゴネットまでさかのぼります。フロントスクリーンより後ろを思い切り高くしたそのスタイルは、一般ユースから商業店舗での配送車としてまで幅広く使われていますが、スタイルに似合わず走行性能を決しておろそかにしていないのが、ルノーらしいところ。むしろフランス車らしいしなやかな足回りで、評価され続けています。

その昔、ある自動車ジャーナリストが某軽自動車メーカーで作られた試作車(この時期、ボンネットのあるスタイルが多く試作されたよう)に対して「これではダメだ」と酷評をしたことがあったそうです。制作現場で「このクラスの乗り物なのだから仕方がない」と口にしたところ、彼が「一度カングーに乗っておいで」とアドバイス。その後、もう一度メーカーを訪れると、先の現場のスタッフが皆カングーの虜になっていたという話があるくらい、実力も兼ね備えているのです。

カラフルかつ多彩なバリエーション

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会場に訪れたカングーたちは、様々なカラーリングを持っています。おそらくこれほどにビビッドなカラーを持ち、かつそれらがまんべんなく売れている車両は国内ではなかなかないでしょう。参加者は皆一様にドアを開け放ち、テーブルや椅子を引き出してピクニックスタイルを楽しみます。その姿にカングーの魅力が凝縮され、このイベントがカングーのみで成立する理由があるともいえるでしょう。

このカングージャンボリーは、フリーマーケットも楽しみのひとつで、多くの出展者が軒を連ね(もちろんすべてカングーで)各々が持ち込んだものを売っていります。少し普通のカーイベントとこのカングージャンボリーが違うのは、フリマに並ぶ商品です。よくあるカーイベントでは、“オートジャンブル”と呼ばれるクルマ関連の商品が多く並びますが、こちらでは衣類雑貨といったものが目立ちます。また、カングーのボディを生かした本格的なカフェも営まれています。
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参加協賛企業が大手雑貨メーカー

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イベントで参加するメーカーや協賛社の多くは自動車関連会社ですが、ここではおもしろい企業が賞賛していました。黄色に黒の「LoFt」の文字がおどる雑貨メーカー、そしてシューズメーカーの「TOMS」です。こうした企業が協賛を行なうことからも、いかにカングーがクルマとして以上に生活を楽しむユーザーに支持されているかがわかりますね。

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物販の開始が告げられると本部前には長蛇の列ができ、皆が手に手に謎のバケツを持って自分のカングーへ戻って行きました。そこでちょっと気になりバケツを手にした人に声を掛けてみると、なんとルノージャポンからの販促物で買い物かごを兼ねたものでした。楽しそうにクルマに戻る途中の元気なご家族に少しばかり中身を覗かせてもらったところ、こんな感じでルノーグッズが入っていました。
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長く続くイベントとその成功の秘訣は何か?

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多くのピクニック系カーイベントのベンチマークともいえるカングージャンボリー。筆者はときどきですが、「ルノーのイベントはどうして成功するのか?」という話を耳にすることがあります。普通に考えれば、自動車メーカーなのですから、販売につながらなければ意味がないと思われるのも無理からぬこと。

ですが、このカングーというクルマのイベントを通じて考えるのは、ユーザーを獲得するのではなく、「ユーザーでいてもらうために行われるイベント」だからではないでしょうか? ずっとこのクルマのオーナーでいてもらう、このクルマの魅力を伝えてもらう。その上で新型に乗り換えていただき、またそのクルマをユーザー自身が周囲に紹介する。それこそが1200台以上ものカングーが集まり4000人近いイベントに発展した理由ではないでしょうか。

会場の主役はカングーではありますが、もちろん他の車種で参加することも可能です。あなたも、ぜひ一度このイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか?

text by きもだこよし+Bucket
photo by 一市裕納

▼くるトピが取材したイベントのレポートはこちら!
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