皆さんは交通違反や事故で違反点数を加算されてしまった経験はありますか?
違反点数が6点以上になってしまうと免停などの行政処分が下されることもありますが、違反点数3点以下の軽微な違反を繰り返して合計の点数が6点になってしまった、もしくは一度の事故で6点になってしまった場合は、「違反者講習」というものを受講することによって免停を避けられたり処分前歴が数えられなくなるなど、処分が軽くなることがあります。
違反者講習は運転免許証の更新時に受講する違反運転者講習とは異なるもので、受講には様々な条件や方法があります。
今回はそんなややこしい違反者講習について、受講するための条件や受講場所などの基礎知識について分かりやすく解説していきたいと思います。
違反者講習とは?
まずは違反者講習とはどういうものなのか基礎的な知識について解説します。
違反者講習とは軽微な違反を何度か繰り返してしまった際に受講できる講習のことで、講習を受講するのとしないのではその後の行政処分や違反点数などに違いが出てきます。
通常では違反点数が6点になると30日間の免停になります。しかし違反の内容が3点以下の軽微な違反の累積、または一度の事故で6点になってしまった場合は違反者講習を受講することによって免停処分が課されません。
これは過去3年以内に免許停止や取り消し処分を受けたことがないことや、過去3年以内に違反者講習を受講していないなどの条件があります。
累積の違反点数が7点以上だったり免停期間が30日以上の場合は違反者講習を受講することはできず、行政処分の対象となります。
違反者講習ってなに?
通常では違反点数が6点以上になると免停処分が課されますが、軽微な違反を繰り返している人に限ってはその後の安全運転を期待するという意味で、講習を受講すればそれまでの違反をカウントされなくなります。
免停になってしまうと最短で30日間(講習を受ければ1日に短縮可能)は運転できなくなってしまうので、日常生活に車が必要不可欠な方への救済措置とも考えられます。
もちろん違反行為はしてはいけませんが、うっかりミスや事故などで違反点数が積み重なってしまった場合でも免停処分等を避けられる制度が違反者講習なのです。
免許更新時の違反運転者講習とは違う
ややこしいですが違反者講習と違反運転者講習は全く異なるものです。
名称が似ているので間違えやすいですが、違反運転者講習とは運転免許証の更新時に受講するもので4つに分けられている区分の中のひとつです。
違反運転者講習は累積の違反点数が4点以上になるか、3点以下の違反が2回以上累積されると受講しなければいけません。
しかもこの4つの区分は運転免許証の更新までの5年間の違反点数で計算されるので、5年の間に2回の軽微な交通違反をしただけで違反運転者講習の区分になってしまいます。
区分が変わると講習の時間や金額が増えていきます。
違反者講習にしろ違反運転者講習にしろ、できるだけ受講しなくてもいいように普段から安全運転を心がけましょう。
違反者講習の基礎知識
それではここからは具体的な違反者講習の内容や対象となる人について解説していきます。
違反者講習は様々な受講条件があり、全てを満たしている人でなければ受講できません。
また受講できる場所や時間が限られていたり、費用が1万円程度必要だったりとお財布にも優しくない料金になっています。
ですが違反を繰り返してしまった時に知っておくと迷わず対応できるようになるはずなので、少し複雑な話にはなりますがぜひ最後までご覧ください。
違反者講習の対象者
違反者講習を受講するには様々な条件があるのでひとつずつ見ていきましょう。
まずは、違反点数が3点以下の軽微な違反を繰り返し累積点数が6点になってしまった。
それに加えて、軽微な違反をしてしまった時に行政処分(免許停止処分など)の前歴がない。
そして過去3年以内に行政処分の対象になる累積点数に達していないこと、とされています。
簡単に言ってしまうと、過去3年で免停になったりしていると受講できないということです。
これらとは別に違反者講習が受講できない条件として、過去3年以内に違反者講習を受講したことがある、「重大違反唆し等」をしたことがある、「道路外致死傷」を起こしたことがある。
以上の3つに当てはまる方は違反者講習を受講することはできません。
「重大違反唆し等」とは自動車のドライバーを唆して重大な違反をさせたり、またはそれを助けたりする行為のことで、酒酔い運転や救護義務違反等をさせることが当てはまります。
重大違反唆し等に当てはまるとドライバーだけでなく唆した人も処分を受けることになります。
「道路外致死傷」とは道路ではない場所、例えば工場内や港湾施設内などの道路ではない場所で人を死傷させることで、道路交通法は適用されないために違反点数が加算されません。
違反点数は加算されませんが免許停止処分を課されたり、場合によっては免許取り消し処分になることもあります。
以上の条件を全て満たす方のみ違反者講習を受けることができる対象者ということになります。
違反者講習の受講時期
では違反者講習はどのタイミングで受講すれば良いのでしょうか。
違反者講習を受講する資格がある人は、違反点数が6点に達する違反をしてからしばらくすると、配達証明郵便で「違反者講習通知書」が送付されます。
講習を受講できる期間は通知書を受け取った日から1ヶ月以内で、通知書には受講場所と受講日が記載されています。
指定されている受講場所と受講日は変更が可能で、その場合は事前に変更の申請が必要です。
また、「やむを得ない理由」で受講できなかった場合は期間の延長も可能です。
違反者講習は平日しか実施されていないので注意しましょう。
違反者講習の受講場所
違反者講習の受講場所は各都道府県によって異なりますが、運転免許センターまたは運転免許試験場で行われることが多いようです。
講習場所の詳細は違反者講習通知書に記載されているはずなので間違った場所に行かないように注意しましょう。
違反者講習の受講費用
違反者講習は受講するコースにより費用が異なります。
コースの詳細については後ほど詳しく説明するとして、受講費用は13,400円と9,950円の2種類あり、これは全ての都道府県で共通です。
東京都を例に挙げると、コースがA・B・C・Dの4つに分かれていてAコースのみ13,400円で他の3コースは9,950円になっています。
コースにより受講費用と講習の内容も少しずつ変わってきますので次に解説する講習の内容を読んでみて、もし違反者講習を受講する機会があれば参考にしてください。
違反者講習の種類とその内容
違反者講習の基本についてはお分かりいただけたかと思いますので、続いては実際の違反者講習の内容はどのようなものか解説していきましょう。
違反者講習には社会参加活動コースと実車指導コースの2つがあり、社会参加活動コースはさらに2つのコースに分かれます。
コースごとの細かな内容は都道府県ごとに変わりますが、ほとんどの場合は実車もしくはシミュレーターを使用した安全運転指導と座学、そして周辺地域に貢献するためのボランティア活動を行います。
ではこの2つのコースの詳しい内容について詳しく見ていきましょう。
社会参加活動コース
社会参加活動コースでは主に交通安全に関するボランティア活動を行います。
例を挙げると、車を運転している人に安全運転を呼びかけるチラシを配布したり、歩行者が安全に道路を通行できるよう誘導したり、中には放置自転車の撤去作業などを行なっている自治体もあるようです。
ボランティアに加えて安全に運転するための知識やルールを学ぶための座学も行われます。
社会参加活動コースは当日体験コースと呼ばれる1日で終わるコースと事前体験コースと呼ばれる2日間のコースがあり、事前体験コースは予約制になっている場合が多いので日にちや時間を確認してみて都合の良いコースを選ぶのが良いでしょう。
実車指導コース
社会参加活動を行わないコースの場合は実際に車を運転するか、シミュレーターを使用した安全運転講習が開催され、これ以上交通違反や事故を起こさないための指導が行われます。
実車もしくはシミュレーターでの講習に加えて、こちらのコースでも車を運転する上で必要な基礎知識やルールについて改めて学ぶための座学が開催されます。
運転に関する技術に自信がない方は実車指導コースを体験してみて、改めて自分が不得意な点やこれまで意識していなかった運転に関するポイントについて学ぶのも良いかもしれません。
軽微な違反と考えず、日頃から安全運転に努めましょう!
違反者講習を受講すると免停処分を免れ、それまでの違反点数はカウントされなくなり、処分前歴が付かなくなります。
逆に違反者講習を受講しなかった場合は免停処分になり、免停期間を短縮するための停止処分者講習が受けられなくなり、それまでの違反点数が累積されていくので違反をするたびに行政処分が下されることになります。
もし皆さんが違反者講習を受講しなければならない状況になった時、時間がないとかお金がもったいないなどの理由で受講しなかったとしたら免停処分になってしまいます。
仕事や日常生活で車が欠かせない方は特にですが、違反を繰り返して違反点数が6点に達してしまった時はしっかり違反者講習を受講し、日常生活に影響が出ないよう注意しましょう。
今回は違反者講習について詳しく解説しましたが、最も重要なことは違反者講習を受講しなくて良いように普段から交通ルールを守り、事故を起こさないことです。
小さな違反でも積み重なれば大きな事故に繋がることも考えられます。
事故のない社会を作るため、それぞれがルールを守り安全運転に努めましょう。
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