「雪道の運転が不安」「スリップしないか心配」「初めての雪道走行で何を準備すればいいか分からない」と悩んでいませんか?雪道は通常の路面と比べて滑りやすく、慣れていないドライバーにとっては大きな不安を感じる場面です。
雪道運転は、正しい知識と事前準備、慎重な運転で危険を大きく減らせます。「急」のつく操作を避ける、車間距離を十分にとる、スピードを抑える、という基本を守るだけでも、スリップ事故のリスクは下がります。
この記事では、雪道運転が危険な理由、スリップしやすい場所、安全運転の7つのコツ、事前準備、スリップ時の対処法、NG行動まで詳しく解説していきます。
- 雪道運転が危険な理由
- スリップしやすい場所と路面状態
- 雪道で安全に運転する7つのコツ
- 雪道運転に欠かせない事前準備
- スリップしてしまった時の対処法
- 雪道運転でやってはいけないNG行動
- 駐車時の注意点
- 「急」のつく操作(急加速・急ブレーキ・急ハンドル)は厳禁
- 車間距離は通常の2倍以上とる
- 速度は控えめに、エンジンブレーキを活用する
- スタッドレスタイヤとチェーンは必須レベル
- 橋の上・トンネル出入口・日陰は特に注意
- 不安なら無理せず運転を控える判断も欠かせない
雪道運転が危険な理由

雪道運転がなぜ危険なのか、まずは仕組みを理解しておきましょう。雪や氷の上では、タイヤと路面の間に十分な摩擦が生まれず、思った通りに車を操作できなくなります。普段の運転とは大きく異なる感覚があるため、知識を持っておくことが事故を防ぐ第一歩です。
ここでは、雪道運転が危険な5つの理由を整理していきます。
タイヤのグリップ力が大きく低下する
雪道や凍結路面では、タイヤと路面の間の摩擦力(グリップ力)が大きく低下します。通常の乾いた路面と比べると、タイヤが思うように力を伝えられず、空転や横滑りが起こりやすくなります。
特にノーマルタイヤは、もともと雪道用に設計されていないため、グリップ力の低下が顕著です。スタッドレスタイヤやチェーンを装着することで、グリップ力をある程度確保できます。
制動距離が長くなる
雪道では、ブレーキを踏んでから車が止まるまでの「制動距離」が大幅に長くなります。JAFのテストでは、時速40km/hから急ブレーキをかけた場合、圧雪路での制動距離はスタッドレスタイヤで約17.3m、ノーマルタイヤでは約29.9mという結果が示されています。
ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤの約1.7倍の距離を必要とすることになり、止まりたい場所で止まれないリスクが大きく上がります。雪道では、停止距離が伸びることを前提に、早めのブレーキ操作と十分な車間距離を心がけましょう。
視界が悪くなる
降雪時や雪道走行中は、視界が悪くなります。フロントガラスに雪が積もったり、対向車や前の車が巻き上げる雪で視界が遮られたりするためです。
吹雪の中ではホワイトアウト(視界がほとんどなくなる状態)になることもあり、前方の状況が確認できなくなります。視界が悪い時は無理に走り続けず、安全な場所で停車して視界の回復を待つ判断も欠かせません。
ハンドル操作が思うようにできない
雪道や凍結路面では、ハンドルを切っても車が思うように曲がらないことがあります。タイヤのグリップ力が低いため、ハンドル操作に車体の動きが追いつかず、滑りながら直進してしまうケースがあります。
無理にハンドルを切ると、車体がスピンしたり横滑りしたりして制御を失う危険があります。雪道では、ハンドルもアクセル・ブレーキと同様に「ゆっくり・滑らかに」操作することが土台になります。
慣れた地元の人でも事故を起こすことが多い
新潟県警の情報によると、雪道のスリップ事故は雪国に慣れていない県外ドライバーだけでなく、雪道に慣れた地元のドライバーも多く起こしているとされています。「自分は雪道に慣れているから大丈夫」という油断が、事故の原因になっています。
雪道は、どんなに慣れていても気を抜けば危険な場面です。雪道に慣れていない方はもちろん、慣れている方も毎回慎重な運転を心がけましょう。
雪道は経験を問わず、誰にとっても慎重な運転が必要な路面です。
スリップしやすい場所と路面状態
雪道の中でも、特にスリップしやすい場所や路面状態があります。事前に「ここは危ない」と分かっていれば、減速や注意で備えられます。見た目だけでは判断できない凍結路面もあるため、危険な場所の特徴を知っておくことが事故防止につながります。
アイスバーン(圧雪・凍結路面)とは
アイスバーンとは、路面が凍結してツルツルになった状態を指します。雪が踏み固められた「圧雪アイスバーン」、車のタイヤで磨かれた「ミラーバーン」、薄い氷の膜が張った「ブラックアイスバーン」などの種類があります。
アイスバーンはタイヤのグリップ力が極端に低下するため、雪が積もっている状態より危険です。スタッドレスタイヤを装着していても、凍結路面ではチェーンとの併用が安全につながります。
ブラックアイスバーンの危険性
ブラックアイスバーンは、見た目ではアスファルト路面と区別がつきにくい凍結路面です。「黒く濡れているように見える路面」がブラックアイスバーンであるケースが多く、雨上がりの道のように見えても実際は氷の上を走っている状態になります。
冬の早朝・夜間や、橋の上・トンネルの出入口で発生しやすく、気づかないうちにスリップする事故が多い場所です。冬季に路面が黒く濡れて見える場合は、ブラックアイスバーンを疑って慎重に走行しましょう。
橋の上・トンネルの出入口
橋の上やトンネルの出入口は、特に凍結しやすい場所です。橋の上は、橋の下から熱が奪われ、地熱も伝わらないため、周辺の道路より路面温度が下がります。
トンネルの出入口は、日陰になっている時間が長く、冷たい風が吹き抜けるため凍結しやすくなっています。周辺の道路は凍結していなくても、橋の上やトンネル付近だけ凍っているケースもあるため、これらの場所を通過する際は手前で十分に減速しましょう。
交差点・カーブ・坂道
交差点・カーブ・坂道も、雪道で事故が起こりやすい場所です。交差点は車のタイヤで雪が押し固められ、ツルツルのミラーバーンができやすくなっています。
カーブは遠心力でスリップしやすく、坂道は登りで空転、下りでブレーキが効かないリスクがあります。これらの場所では、手前で十分に速度を落とし、ゆっくりと通過することが安全につながります。
日陰・早朝・夜間
日陰・早朝・夜間は、路面温度が低くなる傾向があり、凍結リスクが高い時間帯・場所です。日中に溶けた雪が、気温が下がる夕方から夜にかけて再凍結することも珍しくありません。
ビルや山の影になる場所、街灯のない暗い道なども要注意です。「日中は大丈夫だった道」が「夜には凍結している」というケースを想定し、時間帯と場所を意識して運転しましょう。
【手順】雪道で安全に運転する7つのコツ

雪道で安全に運転するには、いくつかの基本的なコツがあります。「急」のつく操作を避ける、車間距離をとる、速度を控えめにするなど、慎重な運転を組み合わせることでスリップ事故のリスクを大きく減らせます。ここでは、雪道運転で押さえたい7つのコツを順に紹介していきます。
| コツ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 「急」を避ける | 急加速・急ブレーキ・急ハンドル禁止 | すべて滑らかに |
| ② 車間距離を2倍以上 | 通常の2倍以上の距離をとる | 制動距離が伸びる |
| ③ 速度を控えめに | 制限速度より遅めで走る | 状況に応じて減速 |
| ④ エンジンブレーキ | フットブレーキを多用しない | 滑りを防ぐ |
| ⑤ カーブの手前で減速 | 進入前に減速を済ませる | カーブ中は一定速度 |
| ⑥ 坂道は止まれる速度 | いつでも止まれる速さで走る | 下り坂は特に注意 |
| ⑦ 視界を確保する | 発進前に雪を払う | ワイパー・ライトの活用 |
① 「急」のつく操作をしない(急加速・急ブレーキ・急ハンドル)
雪道運転の土台となるのが、「急」のつく操作を避けることです。急加速・急ブレーキ・急ハンドルの3つは、タイヤのグリップ力を失わせ、スリップやスピンを引き起こす大きな原因になります。
発進時はアクセルを軽く踏み、ゆっくりと動き出します。ブレーキは早めに少しずつ踏み、ハンドルも滑らかに操作することが欠かせません。すべての操作を「いつもより半分の速さで」を意識すると、雪道に適した運転になります。
② 車間距離をいつもの2倍以上とる
雪道では、車間距離を通常の2倍以上とることが安全につながります。雪道での制動距離は乾いた路面よりも大幅に長くなるため、前の車が急ブレーキをかけた場合に追突するリスクが高まります。
また、雪道で滑るのは自分の車だけではありません。前を走る車がスリップしたり急ブレーキをかけたりする可能性もあります。十分な車間距離を保つことで、突然のトラブルにも対応できます。
③ 速度を控えめにする
雪道では、速度を控えめにすることが欠かせません。制限速度よりも遅めに走り、路面状況に応じてさらに減速します。スピードを出しすぎると、スリップした時の被害が大きくなります。
「いつもの速度の半分程度」を目安にすると、安全な速度感覚を維持できます。後続車に追い立てられても、自分のペースを崩さず、譲れる場所では先に行かせる余裕を持ちましょう。
④ エンジンブレーキを活用する
雪道では、フットブレーキを多用すると車輪がロックして滑りやすくなります。早めにアクセルから足を離してエンジンブレーキを活用することで、滑らかに減速できます。
最近の車にはABS(アンチロックブレーキシステム)が標準装備されていますが、過信は禁物です。エンジンブレーキで速度を落とし、最後の停車時に軽くフットブレーキを使うのが安全な減速のコツです。
⑤ カーブの手前で十分に減速する
カーブは雪道で特にスリップしやすい場所です。カーブの中でブレーキを踏むと、車のバランスが崩れてスピンする危険があります。カーブに入る前に十分に減速を済ませ、カーブ中は一定の速度を保ちます。
日陰になっているカーブは、見た目で雪がないように見えても凍結しているケースがあります。冬季のカーブはすべて「凍っているかもしれない」と考えて、慎重に進入しましょう。
⑥ 坂道はいつでも止まれる速度で走る
坂道は、登りでも下りでも雪道での難所です。登り坂はスリップしてタイヤが空転すると進めなくなり、下り坂はブレーキが効きにくく止まれなくなります。
下り坂ではエンジンブレーキを使い、速度を抑えて走行します。前の車との距離も十分にとり、いつでも止まれる速度を維持しましょう。坂道で立ち往生している車を見かけたら、無理に追い越そうとせず、安全な場所で待機する判断も欠かせません。
⑦ 視界を確保する(発進前の雪払い)
出発前に、車体やフロントガラスの雪をしっかり払うことが欠かせません。ボンネットやルーフに雪が積もったまま走り出すと、ブレーキ時に雪がフロントガラスに落ちて視界を遮ることがあります。
スノーブラシで車体の左右に雪を払うのがおすすめです。フロントガラスはもちろん、ライト・ミラー・ナンバープレート・テールランプも雪を払って視認性を確保しましょう。走行中も、必要に応じてワイパーやデフロスター(曇り取り)を活用していきます。
雪道運転に欠かせない事前準備
雪道を安全に走るには、走り出す前の準備が大きな割合を占めます。タイヤ・チェーン・装備品をそろえ、出発前に天気と路面状況を確認することで、トラブルのリスクを大きく下げられます。ここでは、雪道運転で欠かせない事前準備を整理していきます。
スタッドレスタイヤの装着
雪道や凍結路面を走るなら、スタッドレスタイヤの装着が欠かせません。スタッドレスタイヤは、夏タイヤと比べてゴムが柔らかく、溝が太く深く設計されており、さらに細かい切り込み(サイプ)が入っているため、雪道でのグリップ力が高くなっています。
JAFのテストでは、雪が踏み固められた状態の12%勾配の坂道はノーマルタイヤでは登れないという結果も出ています。また、多くの都道府県では、道路交通法施行細則や道路交通規則により、積雪・凍結路面での冬用タイヤ装着等の防滑措置が義務付けられており、違反すると反則金の対象になる場合があります。降雪が予想される地域に行く際は、必ずスタッドレスタイヤを装着しましょう。
タイヤチェーンの携行(凍結路面で有効)
タイヤチェーンは、スタッドレスタイヤだけでは対応しきれない凍結路面で大きな効果を発揮します。JAFのテストでは、凍結状態の坂道はスタッドレスタイヤだけでは登れず、チェーンを併用することで登れるという結果も示されています。
また、大雪時の高速道路では「チェーン規制」が実施されることがあります。チェーン規制区間では、スタッドレスタイヤを装着していてもチェーンがないと通行できません。チェーン規制の対象区間は国土交通省により事前に指定されているため、冬季に雪深い地域に出かける際は、必ずタイヤチェーンを携行しましょう。
出発前の積雪・天気情報の確認
雪道を走る前は、出発地から目的地までの積雪・天気情報を確認します。気象庁や日本道路交通情報センター(JARTIC)のサイトで、積雪状況や交通規制の情報を入手できます。
天気が荒れる予報の場合は、無理に出かけず予定を変更する判断も欠かせません。「行く」と決めた場合も、最短ルートではなく、雪に強いルートを選んで走るのが安全につながります。
ガソリンを満タンにしておく
冬の長距離走行や雪道走行では、出発前にガソリンを満タンにしておくのがおすすめです。雪で立ち往生したり、ルート変更で予想以上に走ることになったりした場合に備えるためです。
特に雪が降った直後の地方道では、ガソリンスタンドが営業していなかったり、混雑していたりすることがあります。「ガソリンがあと半分」になる前に給油する習慣をつけると安心です。
装備品(スコップ・スノーブラシ・解氷スプレー等)
雪道走行に備えて、装備品を車に積んでおきましょう。雪に埋もれた時に必要なスコップ、車体の雪を払うスノーブラシ、フロントガラスの氷を溶かす解氷スプレー、滑り止めの砂などが代表的です。
長距離移動なら、毛布・防寒着・水・食料・モバイルバッテリーなども備えておくと安心です。雪で長時間立ち往生するリスクに備えて、寒さをしのげる装備をそろえておくことが、命を守ることにつながります。
スリップしてしまった時の対処法
万が一スリップしてしまった時のために、対処法を知っておくことが欠かせません。パニックになって急な操作をすると、かえって被害が大きくなることがあります。落ち着いた対応を心がけることで、被害を最小限に抑えられます。
パニックにならず冷静に対処する
スリップした瞬間は驚いてしまいますが、まずは冷静になることが第一です。慌ててブレーキやハンドルを大きく操作すると、車体がさらに不安定になります。
「滑った」と気づいたら、まず深呼吸をして状況を確認します。スピードが出ていればいるほど判断が難しくなるため、雪道では普段から速度を抑えて、もしものスリップに備える運転が欠かせません。
ブレーキとアクセルから足を離す
スリップした時は、まずブレーキとアクセルの両方から足を離します。ブレーキを踏むとタイヤがロックして横滑りが悪化し、アクセルを踏むとタイヤが空転してスピンする危険があります。
足を離してエンジンブレーキで自然に減速させながら、車体の動きが落ち着くのを待ちましょう。雪道では「何もしない」ことが最善の対応になるケースもあります。
ハンドルは進みたい方向にゆっくり切る
車体が滑り出したら、ハンドルは進みたい方向にゆっくりと切ります。「カウンターステア」と呼ばれる操作で、車体の向きを少しずつ修正します。
ハンドルを慌てて大きく切ると、逆方向に振られる「逆ハンドル」になり、被害が拡大することがあります。あくまでゆっくり、必要最小限の操作で立て直すのがコツです。スリップが収まってきたら、少しずつハンドルを戻していきます。
ABSが作動した時のブレーキ操作
最近の車にはABS(アンチロックブレーキシステム)が標準装備されており、急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防いでくれます。ABSが作動すると、ブレーキペダルがガガガと振動するのを感じます。
ABSが作動しても、ブレーキペダルから足を離さず、しっかり踏み続けます。ABSはあくまでタイヤをロックさせない機能で、ハンドル操作の自由を確保するためのものです。途中でブレーキを離すと性能が下がるため、止まるまで踏み続けるのが正しい操作です。
スタックした時はJAFや救援サービスを呼ぶ
タイヤが雪にはまって動けなくなる「スタック」をした場合は、無理に脱出しようとせず、JAFや任意保険のロードサービスを呼びましょう。アクセルを踏んでタイヤを空転させ続けると、雪が氷化してさらに脱出が難しくなります。
JAFは年中無休でロードサービスに対応しており、雪道のトラブルにも駆けつけてくれます。任意保険にもロードサービス特約が付いているケースが多いため、契約内容を確認しておきましょう。

雪道運転でやってはいけないNG行動
雪道では、普段の運転では問題ない行動も大きな危険を招くことがあります。これらのNG行動を避けることが、命を守ることにつながります。
ノーマルタイヤでの雪道運転
ノーマルタイヤで雪道を走るのは、最も避けたい行動です。JAFのテストでは、ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤの約1.7倍の制動距離が必要で、雪道の12%勾配の坂は登れないという結果も出ています。
「少しの雪なら大丈夫」という油断は禁物です。降雪が予想される地域に行く場合は、必ずスタッドレスタイヤに履き替えるかチェーンを装着しましょう。
急ブレーキ・急ハンドル・急加速
「急」のつく操作は、雪道で最も危険な行動です。タイヤのグリップ力が低い雪道では、急な操作が即座にスリップ・スピンにつながります。
走行中はもちろん、発進・停止・カーブのすべての場面で、なめらかな操作を心がけましょう。「いつもの半分の速さで」を意識するだけでも、安全度は大きく上がります。
雪を載せたまま発進する
ボンネットやルーフに雪を載せたまま発進するのは、避けたい行動です。ブレーキ時に雪がフロントガラスに落ちてきて、視界を完全に遮るリスクがあります。
ボンネットの雪はワイパーや空調機器の故障の原因にもなります。出発前にスノーブラシで車体の雪を払うことを習慣にしましょう。
雪の積もった場所でアイドリングを続ける(一酸化炭素中毒)
雪深い場所でエンジンをかけたまま長時間停車するのは、命に関わるNG行動です。マフラーが雪で塞がると、排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こすリスクがあります。
立ち往生してエンジンをかけ続ける場合は、こまめにマフラー周辺の雪をかき出すことが欠かせません。可能であればエンジンを切り、防寒着で寒さをしのぐ方が安全です。
スマホ・ナビ操作などのながら運転
雪道では、ながら運転も特に危険です。スマホやナビの操作で一瞬目を離した間に、路面状況が変わったり、前の車が急ブレーキをかけたりするケースがあります。
ながら運転は道路交通法で禁止されています。雪道では普段以上に集中力が必要なため、ナビ操作などは停車してから行うことを徹底しましょう。
駐車時の注意点
雪道での運転は無事終わっても、駐車時にも注意点があります。一晩で大雪が降ったり、気温が下がって凍結したりすると、翌朝の発進が難しくなります。雪道の駐車時に意識したいポイントを整理していきます。
ワイパーを立てておく
雪が降る日に屋外駐車する場合は、ワイパーを立てておくのがおすすめです。ワイパーを倒したまま雪が積もると、ワイパーが凍り付いたり、雪の重みで曲がったりすることがあります。
ワイパーを立てておけば、翌朝の発進前に氷を取り除く手間が省けます。降雪が予想される夜は、ワイパーを立てて駐車する習慣をつけましょう。
マフラー周りの雪をかき出す
長時間駐車する際は、マフラー周辺の雪を確認しましょう。マフラーが雪に埋もれると、エンジンをかけた時に排気がうまく行われず、一酸化炭素中毒のリスクが高まります。
特に大雪の後は、マフラーが雪で完全に塞がっていることもあります。エンジンをかける前に、車の周囲とマフラー周辺の雪を取り除く確認を習慣にしましょう。
風通しを考えて駐車場所を選ぶ
駐車場所を選ぶ際は、風通しを意識します。車の前方(エンジンルーム)に風が直接当たる場所に長時間駐車すると、エンジンルームに雪が入り込んでエンジンが凍結するケースがあります。
可能であれば、屋根のある駐車場や風が当たりにくい場所を選びましょう。屋外駐車しか選択肢がない場合は、フロントガラスや車体にカバーをかけるなどの対策も有効です。
早めにエンジンを切る
休憩中などに車内で待つ場合は、早めにエンジンを切ることが欠かせません。マフラーが雪で塞がるリスクや、ガソリンの無駄遣いを防げます。
寒さが心配な場合は、防寒着や毛布などを車に常備しておき、エンジンを切っても暖かく過ごせる準備をしておきましょう。長時間の車内待機は、定期的にマフラー周辺の雪を確認することが安全につながります。
車の雪道運転に関するよくある質問
雪道初心者でも安全に運転できる?
雪道運転は経験が必要な場面で、初心者にとってはリスクが高いのが現実です。スタッドレスタイヤを装着し、「急」のつく操作を避け、車間距離を十分にとり、速度を控えめにする基本を守ることで、危険は大きく減らせます。ただし、慣れていないうちは大雪の日や凍結路面を避け、可能なら経験豊富な人に同乗してもらうのがおすすめです。無理だと感じたら、運転を控えて公共交通機関を使う判断も欠かせません。
4WDなら雪道は安心?
4WD(四輪駆動車)は2WDよりも雪道での走破性は高いですが、過信は禁物です。4WDは発進や登坂で4本のタイヤが駆動するため有利ですが、ブレーキの効きやカーブでの安定性は2WDと大きく変わりません。「4WDだから止まれる」「4WDだから曲がれる」というわけではないため、4WDでもスタッドレスタイヤやチェーンは必要です。雪道では駆動方式に関わらず、慎重な運転を心がけましょう。
スタッドレスタイヤだけで凍結路面は走れる?
スタッドレスタイヤは雪道では効果的ですが、凍結路面(アイスバーン)では性能が落ちる場合があります。JAFのテストでは、凍結状態の坂道はスタッドレスタイヤだけでは登れず、チェーンを併用することで登れるという結果が示されています。凍結が予想される路面では、スタッドレスタイヤに加えてタイヤチェーンを携行・装着することで、より安全に走行できます。特に橋の上やトンネルの出入口、日陰などの凍結しやすい場所では注意が必要です。
チェーンはどのタイヤに装着すればいい?
タイヤチェーンは、基本的に駆動輪に装着します。前輪駆動車(FF)なら前輪、後輪駆動車(FR)なら後輪、四輪駆動車(4WD)は車種によって異なるため取扱説明書で確認しましょう。駆動輪以外にチェーンをつけても、車を動かすための駆動力が伝わらず、効果が十分に得られません。チェーンを装着すると速度制限があり、急な操作はさらに危険になるため、装着後も慎重な運転を続けることが欠かせません。
雪道で事故を起こしたらどうする?
雪道で事故を起こした場合の基本は、通常の事故対応と同じです。まず安全な場所に車を停め、ハザードランプを点灯させ、三角停止板や発炎筒で後続車に知らせます。負傷者がいる場合は救急車を呼び、警察にも連絡します。任意保険会社にも連絡して、その後の手続きを相談しましょう。雪道では二次事故の危険も高いため、車外に出る際は周囲の交通に十分注意することが欠かせません。
まとめ
雪道運転は、正しい知識と事前準備、慎重な運転で危険を大きく減らせます。雪道が危険な主な理由は、タイヤのグリップ力が低下し、制動距離が長くなり、視界が悪く、ハンドル操作も思うようにできないためです。慣れた地元のドライバーでもスリップ事故を起こしやすい路面のため、油断は禁物です。
雪道で安全に運転する7つのコツは、①「急」のつく操作をしない、②車間距離を2倍以上とる、③速度を控えめにする、④エンジンブレーキを活用する、⑤カーブの手前で十分に減速する、⑥坂道はいつでも止まれる速度で走る、⑦視界を確保する、の7つです。事前準備としては、スタッドレスタイヤの装着、タイヤチェーンの携行、積雪・天気情報の確認、ガソリン満タン、装備品(スコップ・スノーブラシ・解氷スプレー等)の用意が欠かせません。スリップした時は、パニックにならず、ブレーキとアクセルから足を離し、ハンドルを進みたい方向にゆっくり切ります。橋の上・トンネル出入口・日陰などはブラックアイスバーンが発生しやすいため、特に注意が必要です。ノーマルタイヤでの雪道走行や、雪を載せたままの発進、マフラー塞がりによる一酸化炭素中毒などはNG行動です。
- 「急」のつく操作(加速・ブレーキ・ハンドル)は厳禁
- 車間距離は通常の2倍以上をとる
- 速度は控えめに、エンジンブレーキを活用する
- ノーマルタイヤはスタッドレスの約1.7倍の制動距離
- 凍結路面ではスタッドレス+チェーンが有効
- 橋の上・トンネル出入口・日陰は特に注意
- ブラックアイスバーンは見た目で判別困難
- 出発前に積雪・天気情報を確認する
- スリップしたらブレーキとアクセルから足を離す
- スタック時はJAFや保険ロードサービスへ
雪道は誰にとっても慎重な運転が必要です。無理に走らない選択肢も大切にしながら、安全に冬のドライブを楽しんでいきましょう。
