【豆知識】ブームが生んだ1990年代の“クロカン四駆風”クロスオーバー

2019.03.22

1990年代前半は、クロスカントリー4WD(クロカン四駆)ブームの真っ只中。「1980年代後半~1990年代前半のクロカン四駆ブームを盛り上げたクルマたち」で取り上げたように、トヨタ ランドクルーザーや三菱 パジェロ、日産 テラノといったクロカン四駆が飛ぶように売れました。

しかし、当時のクロカン四駆は、いくら乗用車的に洗練されてきたとはいえ、乗り心地や操縦性の面で劣る部分もあり、また取り回しの点や価格の面でもデメリットはあったもの。そこで、よりクロカン四駆の雰囲気を気軽に楽しめるよう、各社は“クロカン四駆風”の乗用車をラインナップしていました。その中からいくつかのモデルをご紹介しましょう。

ダイハツ ミラRV-4

1992年、3代目ミラのマイナーチェンジ時に追加されたのが、ミラRV-4。3ドアのターボエンジン搭載モデルをベースに車高をアップ、フロントグリルガードや背面スペアタイヤ、ルーフレールなどを装備して、クロカンライクなエクステリアを実現していました。キャンバストップ仕様も用意され、その名のとおりRV(レジャーヴィークル)の要素を強められたモデルです。

三菱 RVR スポーツギア

RVRは、1991年に登場した三菱のライトデューティRV。左側にスライドドアを持つ、ユニークなスタイルのコンパクトワゴンです。1992年に追加されたスポーツギアは、このRVRの車高を上げてグリルガードや背面スペアタイヤなどを装備した、クロカン風モデル。2トーンカラーを採用するエクステリアは、どこかパジェロに似た雰囲気を持っておりヒットしました。ランサーエボリューションと同じ「4G63」の型式と持つ、2.0Lターボエンジン搭載モデルも登場。

三菱 ギャラン スポーツ

パジェロやRVRのヒットによりRVイメージが定着した三菱は、主力セダンのギャランにもクロカン風仕様を用意します。1994年に登場したギャラン スポーツです。ベースは、欧州仕様にラインナップされていたハッチバックボディ。GTグレードは、フロントガードや2トーンボディカラー、ルーフレールを装着しながらも、スポーツグレード「VR-4」と同様のV6 2.0Lターボエンジンを搭載。大型リヤスポイラーを備えるなど、ユニークな存在でした。

ホンダ シビックシャトル ビーグル

2代目シビックシャトルは、1987年~1996年の9年にわたって生産されたシビックのワゴンモデル。その中で、1994年に登場したクロカン風テイストを持つモデルが「ビーグル」です。専用のバンパーガードやアンダーガード、2トーンボディカラーで、雰囲気を一新。このビーグルによって、モデルライフ後半で落ち込んでいた販売台数を大きく向上させました。なお、初代CR-Vは、翌年の1995年にデビューしています。

スバル インプレッサ グラベルEX

「エポックカー図鑑」でも取り上げたレガシィ グランドワゴンと同じ1995年、インプレッサにはよりクロカンテイストを強めた「グラベルEX」が登場しました。手法はRVRスポーツギアなどと同じで、車高をアップした上でフロントグリルガードや背面タイヤ装着、2トーンカラー化したもの。しかし、エンジンは「WRX」と同じ2.0Lターボが搭載され、“走りのRV”であることが強調されました。

1990年代も半ばになるとCR-VやRAV4、ハリアーといったクロスオーバーモデルが続々と登場し、こうしたクロカン四駆風は一定の役目を終えます。しかし、近年のSUVブームの中で再び世界でこうした乗用車ベースのクロスオーバー風モデルが数多く登場しているのは、おもしろい現象と言えましょう。また車高を上げたその使い勝手については、メルセデス・ベンツEオールテレイン、フォルクスワーゲン ゴルフ オールトラック、ボルボV60クロスカントリーといった車に受け継がれていると言えそうです。

ext by 木谷宗義
photo credit:SUBARU、ダイハツ、三菱自動車工業、本田技研工業

▼パジェロにプラド……1980年代後半~1990年代前半のクロカン四駆ブームを盛り上げたクルマたち
https://car-days.fun/blog/kuruken/12993

▼【エポックカー図鑑】Vol.09 レガシィグランドワゴン
https://car-days.fun/blog/kuruken/11786