何日も続いていた強風が嘘のようにおだやかによく晴れた4月8日(日)、埼玉県は秩父郡にある道の駅「和紙の里ひがしちちぶ」にて、旧いアルファロメオの集まりである「カフェ・ド・ジュリア」が開催されました。
今年の参加対象車両は、1960年代から1970年代に作られたアルファロメオ「ジュリア」シリーズ、型式で言うと「105」や「115」と呼ばれる時代の車種が対象です。俗に“段付き”と呼ばれるボンネットに段差のあるクーペを中心にTIなどの「ベルリーナ」と呼ばれるセダンモデルや、カロッツェリアザガートの手による「ジュニアザガート」など幅広い、そして貴重な車種がこの道の駅の中庭に集合しました。
「カフェ・ド・ジュリア」が始まったのは2003年で、アルファロメオ好きのオーナー同士で、コーヒーを片手に大いに語り合いたいという思いから始まったもの。こうしたオーナーズイベントは小規模から始まるのが一般的ですが、「それでは最初は数台からですか?」と伺うと、いきなり現在と同じぐらいの台数が集まったと言います。こんなイベントの成り立ちは、熱いオーナーが多いアルファロメオならではかもしれません。この日も、40台以上のクラシック・アルファロメオが参加していました。
アルファロメオ・ジュニアZ
アルファロメオ・ジュリア ベルリーナ
アルファロメオ・ジュリア クーペ
アルファロメオ・スパイダー
今年は、桜の見ごろこそ外れてしまいましたが、イベントとしては絶好のロケーションで、会場では参加オーナー以外にも多くの観光客も訪れており、日ごろとは少し違った景観にカメラを構える姿も見られました。
V8のアルファロメオ「モントリオール」は別格のオーラ
「コーヒーを片手にアルファ談義を」という趣旨から始まったイベントだけに、無料でコーヒーが振る舞われます。例年は、機械で入れていたそうなのですが、今年は諸事情により異例のハンドドリップコーヒーが振る舞われました。参加者のみではなく、観光で訪れた方にもお配りしているそうですが、過去には、ウォーキングの団体がたまたま立ち寄ったために、大量のコーヒーを必要とすることになるハプニングもあったそうです。
アルファロメオ・モントリオール
会場の一角で人だかりがあり、その場所だけが異彩という空間がありました。そこにいたのはアルファロメオ・モントリオール。1970年台に作られたこのクルマは当時、ベルトーネに所属していたマルチェロ・ガンディーニがデザインしたもので、2.6LのV8エンジンが搭載された、スーパーカー的な位置づけのクルマです。105/115系ではないように思われるかもしれませんが、スタッフの方にお聞きしたところ、広い意味ではこちらも範疇に入るのだとか。V8モデルの特別なアルファ、やはり一味違います。
会場の外にも華が集まる
イベント会場内には105系あるいは115系といわれるアルファロメオがところ狭しと並びますが、実は場外にもさまざまな年代のアルファロメオが訪れており、来場者の目を楽しませてくれました。
その中には、もちろん今回のテーマであるジュリアシリーズもいれば、155やSZといったモデル、同じジュリアでもフランコスカリオーネの手によるスプリントスペチアーレの姿もありました。
アルファロメオSZ
アルファロメオ・ジュリア スプリントスペチアーレ
そのほかにASAやフィアット、アウトビアンキといったイタリア車も多数訪れ、この空間に華やかさを添えていました。
道の駅「和紙の里ちちぶ」で行われたアルファロメオのお茶会「カフェ・ド・ジュリア」。本来であれば桜が満開の中、開催されるのですが、今年は例年にない暖かさもあって開花が早まり残念ながら桜の中で開催とはなりません。しかし、このお茶会の開催そのものが、アルファ乗りにとっては季節を感じるものであるようです。
text & photo by きもだこよし, edit by 木谷宗義+Bucket
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