【モータースポーツ】最良のコンディションを見極めたものが勝利へ!シリーズ唯一の海外戦 SUPER GT 2018第4戦「タイ」

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SUPER GTで唯一の海外ラウンドとなる「タイ」。ブリーラム県にある「チャン・インターナショナル・サーキット」で行われるこのレースは例年、秋口に開催されていましたが、今年はカレンダーの変更により、6月29(金)~7月1日(日)で行わることとなりました。

この時期のタイは、雨季の真っ只中。いつスコールに見舞われるか見当のつかない中で、タイヤと路面、そしてマシンコンディションを見極めることが非常に重要なものとなりました。

目次

予選直前に降った雨でタイヤチョイスに苦労

予選が行われた6月30日(土)。レース関係者は「いつスコールが起こるか?」でやきもき。というのも、関係者がサーキット入りしてから、夕方は連日スコールが発生していたからです。雨雲が近づいてくるのは目で見てわかるほどですし、今はスマホのアプリで雨雲レーダーを見ていれば、いつごろ雨雲がサーキット上空にやって来るかもわかる時代ですから、ある程度の予想はつきます。しかし、やはり「どの瞬間に降ってくるか」はわからないものです。

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結果的にスコールは、GT300のQ1が始まる少し前に降り、コース全体を濡らして行きました。こうなるともちろんタイヤはウェットですが、その中でもコンパウンドの固さや溝の深さなど、マシンと路面にマッチするタイヤを探し選び出さなくてはいけません。

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写真は決勝時(以下同じ)

その中で地元タイからワイルドカード(特別参加枠)で参戦した、「#32 est cola by AAS Motorsport」のベントレーコンチネンタル GT3がトップタイムを刻み会場を沸かしました。

GT500のQ1が始まるころには路面は乾き始めましたが、ドライで行くかウェットで行くのかは悩ましい微妙な状況。路面温度が下がってしまったことで、各チームともウェットタイヤとドライタイヤのチョイスを繰り返しながらのアタックとなり、「#12 カルソニックIMPUL GT-R」がトップを刻みました。

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Q2スタート時には完全にドライ路面になり、各車タイムアップしていきます。そんな中、GT300では「#88 マネパ ランボルギーニ GT3」を操るアンドレア・カルダレッリ選手が、1’32.554のタイムを刻みます。しかし、最後の最後で「#65 LEON CVSTOS AMG」を操る蒲生尚弥選手が、なんと1’32.554と同タイムを記録しました。

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同一タイムが出た場合、先にタイムを出していた方を上位とするのがSUPER GTでのルール。今回は88号車がポールポジションとなるはずでしたが、予選後の再車検で違反が見つかり失格に。65号車がポールポジションを得ることとなりました。

GT500は、周回ごとにトップが入れ代わる激しい展開。最終的に「#16 MOTUL MUGEN NSX-GT」がポールを獲得します。予選上位をNSX勢が多くを占め、数台の日産が中段に入り、レクサス勢は予選下位に沈む結果となりました。

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賑やかな雰囲気の中いよいよ決勝スタート

タイチームの「#35 arto RC F GT3」と、ワイルドカードで参戦する「#32 est cola by AAS Motorsport」に向けてタイコなどを鳴らした大応援が行われている中、決勝がスタート。

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GT500では、「#16 MOTUL MUGEN NSX-GT」が逃げていきますが、それを上回る勢いでトップを奪ったのは「#39 DENSO KOBELCO SARD LC500」。それに追随した「#6 WAKO’S 4CR LC500」「#36 au TOM’S LC500」が順位を上げていき、気がつけばレクサス勢がトップを占める状況に!

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レース終盤まで激しいトップ争いが行われる中、「#39 DENSO KOBELCO SARD LC500」の小林可夢偉選手が、巧みなライン取りで後続マシンをブロック。最後まで逃げ切り、SUPER GTで初の優勝を勝ち取りました。

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一方のGT300は、トップの「#65 LEON CVSTOS AMG」がスタートからズルズルと順位を落としていき、「#11 GAINER TANAX GT-R」がトップに立つと、徐々に後続を引き離していきました。

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「#55 ARTA BMW M6 GT3」と「#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS」が激しい2位争いを繰り広げますが、アウディがトラブルで順位を落とし、最終的にリタイヤ。さらに55号車は、予選14番手から気がつけば上位にいた「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」と激しいバトルを繰り広げます。そして55号車がコースを少しはみ出した直後にタイヤトラブルに見舞われ、この戦いは集結。11号車が逃げ切り、31号車が2位に入りました。

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各チームが懸念に思っていたスコールは、決勝レース中に降ることはなく、暑いタイの日差しを浴びたままレースは終了しました。シーズンの半分が終わったことで、ウェイトハンデがうまい具合に分散し、後半戦に向けてさらに激しいレースが行われるのは必須です。

特に、8月に行われる次戦の「第5戦富士」は、500マイル(約800km)と長丁場のレースになります。昨年まで夏の長距離レースといえば「鈴鹿1000km」でしたが、今年からは富士がその舞台となるわけです。果たしてどのチームが500マイルを先に駆け抜けるのか。第5戦「富士」は、8月3日(金)~5日(日)にかけて行われます。

<Results>
~GT500クラス~
1位:#39 DENSO KOBELCO SARD LC500
2位:#6 WAKO’S 4CR LC500
3位:#19 WedsSport ADVAN LC500
4位:#38 ZENT CERUMO LC500
5位:#16 MOTUL MUGEN NSX-GT

~GT300クラス~
1位:#11 GAINER TANAX GT-R
2位:#31 TOYOTA PRIUS apr GT
3位:#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
4位:#65 LEON CVSTOS AMG
5位:#8 リーガルフロンティア ランボルギーニGT3

フォトギャラリー

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text & photo by 雪岡直樹, edit by 木谷宗義

▼距離と時期が変わったことでハイレベルなバトルに! SUPER GT2018第3戦「鈴鹿300km」
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▼緊張と興奮! 波乱の中で開幕を迎えたSUPER GT 2018第1戦「岡山」
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▼ここ一番での総合力が勝負の鍵に! SUPER GT2018第2戦「富士」
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▼雪岡直樹の記事
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