車をぶつけてしまったときや、飛び石がボディにぶつかったとき、長く乗った際の経年劣化など、日常の中に車の塗装が剥がれるタイミングは多くあります。
そんな時に塗装を修正する方法は何があるでしょうか?
一般的には、以下の3つかと思います。
- ディーラーに頼む
- 板金屋に頼む
- 自ら塗装修正する(DIY)
今回の記事では、特に上の2つ、ディーラーと板金屋の違いを解説していきます。価格の安さ、仕上がりの綺麗さ、手間の無さなど、一言で修正といえど人によって求めるものは違うはず。ぜひ自分の求めるものにマッチした修正方法を選択してください。
※なお、店舗によって方法は違う可能性もあるので、一般的な話としてご参考ください
ディーラーと板金屋の塗装修正方法の違い
早速、ディーラーと板金屋で分けて説明していきます。
ディーラーで塗装を直す場合
結論から言いますと、ディーラーで直す場合は料金が高めに設定されており、塗装の仕上がりは綺麗になる傾向があります。
ディーラーの仕事は自動車を売ること。アフターケアやメンテナンスなどはサービスの一環で請け負っていますが、本来塗装修正は専門ではありません。大きなディーラーだと板金設備を持っているところもあります。
しかし、ほとんどのディーラーは下請けの板金工場と契約しており、お客さんから自動車の修正依頼がきたら、そのまま板金工場に修理依頼を出します。
そのため、中間マージンをいくらか取られますが、ディーラーの定める基準をクリアした腕の確かな工場で修理してもらえます。
また、塗料などの各種パーツは純正部品を使うことも多いようです。これも値段が高くなる理由のひとつですが、仕上がりが元通りにより近くなる理由とも言えます。
修正中は代車を貸してくれることも多いので、助かりますね。お金はかかっていいけど、とにかく手間をかけたくない方にオススメです。
板金屋で塗装を直す場合
ディーラーと違い板金屋に依頼をすると、料金が多少抑えられます。しかし、塗装の仕上がりは板金屋の腕に左右されるでしょう。ディーラーに中間マージンを取られないため安くできますが、腕がよくて値段の安い板金屋を探すために調査が必要です。
自分の足で板金屋を何件もまわり見積もりを取ってもらったり、ネットの口コミ等で調べる必要があります。結局どこがいいのか分からないなんて事態にも陥りがちですし、なかなか手間がかかりますね。
社外品の使用には柔軟に対応してくれるのは、価格や納期などの面で大きな利点です。代車の有無は板金屋の規模などによるので、修理依頼する前に聞いてみた方がいいですね。
手間がかかっていいけど、お金を節約し、ある程度の綺麗さも求めたい方にオススメの修理方法です。
ボディ(金属部分)とバンパー(樹脂部品)の修正方法
次に、実際にどうやって自動車の凹みや塗装が修正されるのかを紹介します。
ボディ(金属部分)の修正方法
基本的には、凹んだ部分をドライヤーやヒートガンで温めて柔らかくしてから、後ろからハンマーでコンコンと叩いたり、前からベコンと吸引して凹みを直します。非常に細かな作業になるため、腕のあるプロが時間をかけて作業することになります。
その後は、わずかに凸凹になった表面をヤスリをかけたりパテを塗って滑らかにします。そして、周りの色と合うように調合した塗料を塗って、乾かして完成。このように、腕のある技術者しかできない難しい作業を多く必要とするので、どうしても板金代は高くなってしまいます。
また、手に負えないレベルの傷や凹みは、丸ごとパーツ交換。ドアやボンネットはそっくりそのまま入れ替えることもできますし、ピラーなど取り外せない部品も、溶接を剥がして新しいものをくっつけることもあるようです。
ただ、パーツを丸ごと交換しても、経年劣化による色の変化などに対応させるために、塗装修正は必要になってくるでしょう。
参考に、実際に板金屋で修理する様子を紹介します。
出典:日本自動車板金塗装協会
このようなひどい凹みも…
出典:日本自動車板金塗装協会
凹んだドアを叩いたりして形を整えて…
出典:日本自動車板金塗装協会
塗装し直すことで、ここまで綺麗になります。腕のいい板金屋に頼めば、新品のように元通りになりますね。
バンパー(樹脂部分)の修正方法
バンパーも、ボディの修正方法と基本的には同じです。しかし、バンパーの方が部品を丸ごと交換になる可能性は高いです。その理由は、金属より安く、修理するより買ったほうが楽になるからです。
近頃は外板の多くが樹脂という自動車も増えてきましたが、まだまだ主流は前後バンパーのみが樹脂部品です。バンパーは外板の中ではそれほど大きな部品でもないので、手間をかけて凹みを直して塗装を修正するよりは、買った方が安く綺麗に仕上がるというわけですね。
ディーラーと板金屋の違いまとめ
ディーラーと板金屋の塗装修正方法の違いについて解説をしてきました。
簡単にまとめますと…
- ディーラー:高いが綺麗。手間もかからない
- 金屋:安いが、腕がよいお店を探すのに手間がかかる
ディーラーに頼んでも、多くの場合そのまま板金屋に行くため、行き着く先は変わらないとも言えますね。しかし、やはり両者には利点と欠点があります。
ぜひ、自分にあった方法で、自慢の愛車を元通りピカピカにしてあげてください。