11月27日(日)に開催される第4回「くるまマイスター検定」。過去問以外にどんな新しい問題が出るんだろう?と気になっている皆さんへ、くる検応援団の方々から毎週予想問題をいただくこととなりました!
試験直前となる最終回(第16回)は、石川真禧照さんからの出題です!
- 1.日産 スカイラインGT-R
- 2.トヨタ 2000GT
- 3.三菱 ギャランGTO-MR
- 4.ホンダ T360
解答:4.ホンダT360
T360のTはトラックのT。日本ではじめてDOHCエンジンを搭載したのは、2人乗りではあったが、スポーツカーではなく、トラックだった。
なぜトラックにレースにも使えるDOHCエンジンをホンダが採用したのか。その理由は、ホンダの乗用車戦略の読み誤りがあった。ホンダは1962年の東京モーターショーに、同社初の4輪車としてS360とS500という2人乗りのスポーツカーを出品した。その後、市販化に向けてテスト走行を行ったが、S360はエンジンがあまりにもピーキーだったので、市販化を断念し、S500のみが1963年に発売された。
同じ頃、ホンダの営業部隊は、スポーツカーだけでは商売にならないと考えた。しかし、技術部門には他にエンジンがなかった。そこで大胆にもスポーツカー用だった360ccのエンジンをトラック用に転用したのだ。このエンジンがDOHCだった。ピーキーだったエンジンは、ギア比などを変えたが、それでも3000回転以下のトルクはかなり細かった。その代わり、最高回転は8000回転を誇ったのだ。
しかも、このトラックのシャーシは基本的にS360を流用していた。こんな、途方もないトラックだったが、荷台は当時の軽トラの中ではもっとも広く、実用性も持ち合わせていたのだ。
発売当時の車両価格は34万9000円で、他社の軽トラよりも1割以上高かったが、走り好きのユーザーに人気だった。ちなみにT360はのちにT500という500ccエンジンにスケールアップしている、これもS500用。さらに1965年にはL700というライトバンとP700というトラックを発売した。LMというデラックスモデルもあった。このクルマたちは商用車だが、700ccのエンジンはS600用をスケールアップしたスポーツカー用のDOHCだった。
つまり、ホンダは日本のDOHC車の1号と2号をラインナップしていたのだ。
L700はその後、スポーツカーのS800と同じエンジンのL800に発展し、販売されたが、販売不振で1968年に消滅した。かなり貴重なモデルだが、商用車だったので、現存するクルマは少ない。
text & photo by 石川真禧照
いよいよ11月27日は検定試験、皆さん頑張ってください!!
自動車生活探検家:石川真禧照さん( Makiteru Ishikawa )
「実はボク、クルマ好きなんです。」「アラッ、ワタシも。」
こんな会話をしていても、どのくらいクルマ好きなのかわからない。
何か基準はないのだろうか、と思っていたら、ありました!「くるまマイスター検定」が。
調べてみると、この検定試験はクルマ好きがホンモノと認定してもらえる素晴らしい資格だった。これを取得しておけば「実はボク、、、。」なんて言わずに、「ボク、この間くるまマイスターに合格したんだ」といえばよろしい。「ワタシ、まだ持ってないっ!」と会話も弾むのです。
だから「くるまマイスター検定」を受けて、くるまマイスターの資格を自分の物にしましょう。