MENU

トルクコンバータとは?故障した時の症状や原因、メンテナンス方法を解説

このページは広告PRを含んでいます。

みなさまは、トルクコンバータをご存じでしょうか。

トルクコンバータとは、スムーズな変速を可能にする、オートマチックトランスミッション(AT)の重要な部品です。メンテナンスを怠り故障すると、最悪の場合車が動かなくなり、修理に多額の費用がかかります。

トルクコンバータの役割や仕組み、故障の原因や症状、トルクコンバータの交換方法を解説します。

トルクコンバータとは?


トルクコンバータの役割、仕組み、必要な理由を解説します。

トルクコンバータの役割

トルクコンバータは、エンジンとトランスミッション(変速機)の間で、振動や騒音を吸収するクッションの役割をしています。

AT車では、エンジンの駆動力は、トランスミッションで変速してからタイヤに伝わります。しかし、エンジンとトランスミッションを常時直接つなぐと、エンジンの回転数とタイヤの回転数の差によって、大きな振動や騒音が発生します。

トルクコンバータにより、エンジンが回転している間でも、滑らかにギアを切り替えられます。

MT車(マニュアルトランスミッション)でいうとクラッチが同様の役割です。
クラッチは、エンジンにつながっている「フライホイール」と、トランスミッションにつながっている「クラッチディスク」を物理的にくっつけたり離したりして、動力の伝達と遮断を切り替えます。

上手にクラッチペダルを操作しないと、大きな振動が起きたり、エンストしたりするのが、自動でスムーズに変速するトルクコンバータとの違いです。

トルクコンバータの仕組み

ATの中に、ATフルードと呼ばれる専用オイルに満たされたトルクコンバータがあります。

トルクコンバータはドーナツのような形状をしており、2枚のプロペラが内蔵されています。1枚のプロペラはエンジンに、もう1枚のプロペラはトランスミッションに接続されています。

エンジンにつながれたプロペラが回転すると、周囲のオイルに流れが発生し、トランスミッションにつながれたプロペラも回転し始めます。
オイルを介して、エンジンの駆動力をトランスミッションに伝えるのが、トルクコンバータの仕組みです。

また、プロペラを介さずエンジンとトランスミッションを直接つなぐこともできる「ロックアップクラッチ」も同時に内蔵されています。
ロックアップクラッチは、ギアチェンジの必要のない一定速度時に作動し、プロペラを介さずエンジンの駆動力をトランスミッションに直接伝えることで、余計なエネルギーのロスを減らします。

ロックアップクラッチが常時作動すると、トルクコンバータが担っていたクッションの役割が失われ、振動や騒音により乗り心地が悪くなるため、これまでは限られた条件でしか使われませんでした。
しかし近年は、複雑な電子制御でロックアップクラッチのオンオフを細かく切り替えることで、振動や騒音が少ない、かつ高効率すなわち低燃費の走行を実現しています。

また、エンジンが回っている間は、オイルの流れが生じているので、動力を完全に遮断することはできません。
オイルの流れが生じた状態でブレーキを離すと、ゆっくりタイヤが動き出します。この現象を「クリープ現象」と呼びます。
AT車特有のクリープ現象のおかげで、MT車ではコツが必要な坂道発進も容易です。

トルクコンバータが必要な理由

エンジンとタイヤの回転数の差による振動や騒音を解消するために、トルクコンバータが必要です。

トルクコンバータがないと、エンジンの回転数とタイヤの回転数の差により、大きな振動や騒音がして、場合によってはエンストします。

他にも、トルクコンバータなしで、エンジンとトランスミッションを常時直接つなぐと、エンジンの駆動力がトランスミッションに常に伝わるため、一時停止するたびにエンジンを切らなければなりません。

トルクコンバータが故障したらどうなる?


トルクコンバータが故障したときに起こる現象、原因、メンテナンス方法を解説します。

トルクコンバータが故障した時に起こる現象

シフトレバーを「N」から「D」にしたときにドスンと大きな振動がある、うまく加速しない、加速中に振動や異音がするなどの現象が起きたときは、トルクコンバータの故障かもしれません。

エンジンは始動できても、最悪の場合、走行不能に陥ることもあります。

トルクコンバータが故障する原因

ATフルードのオイルの経年劣化や、オイルへの異物の混入、指示と異なるオイルの使用などが、トルクコンバータの故障につながります。

トルクコンバータのメンテナンス方法

トルクコンバータに満たされているATフルードのオイルを定期交換する必要があります。

一般的には、走行距離3〜5万km程度ごとや、車検ごとに交換するのが良いとされています。

専門知識がないとDIYで交換するのは難しいため、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。費用は6,500円程度からです。ATフルードのオイルそのものや交換にかかる費用は、車種や型式により大きな差があります。

トルクコンバータの交換方法とその費用


ATフルードオイルの交換をしてもトルクコンバータがうまく動かない場合は、破損の可能性があります。
その場合、トルクコンバータ本体の交換となるかもしれません。トルクコンバータの交換方法とその費用を解説します。

トルクコンバータの交換方法

トルクコンバータの交換は、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。

近年のATには複雑な電子制御が必要なので、ただ部品を交換すれば済むとは限りません。
トルクコンバータ以外の部品の点検・修理が必要なこともあります。

無理にDIYで交換しようとせず、専門業者に依頼することをオススメします。

トルクコンバータの交換費用

トルクコンバータの交換をディーラーや整備工場といった専門業者に依頼すると、車種によって異なりますが、部品代と工賃あわせて、7~10万円程度かかります。

その他のトランスミッションやエンジンに関連した部品の修理・交換も必要だと、20万円を超える可能性もあります。

まとめ


トルクコンバータの役割や仕組み、故障の原因や症状、トルクコンバータの交換方法を解説しました。

トルクコンバータはAT車にとって重要な部品の一つです。オイル交換を怠ると、振動や騒音がして、最悪の場合、車が動かなくなります。

AT車に乗っている人は、本記事を覚えておいて、メンテナンスを怠らないようにしてください。

関連記事

・車のトランスファーとは?センターデフとの違いやオイル漏れについて

・意外と知らないAT車シフトレバーの正しい使い方を徹底解説!

・車のトランスミッションとは?基本構造や種類まとめ!