車買取は愛車を手放す際、多くの方に利用されているサービスです。
買取サービスを上手く活用できれば、車を少しでも高く売ることができるはずです。
その際、どうしても買取店との商談・やりとりしだいで、価格は決まるものと思ってしまいがちです。
しかし車の価格を決める要素は、店舗からいかに商談を上手く運び条件を引き出すか、だけではありません。
今回は車の相場動向に注目し、車買取相場はどのような推移を辿り決まるのか、また変動する時期についてご説明いたします。
車買取相場の推移に影響を与えるもの
早速、車買取相場の推移に影響を与える要素を考えていきましょう。
需要と供給
経済学の観点から、商品の価値は市場における需要と供給の関係により決まります。
その車に対する需要が多く、供給が少なければ価格は高くなります。
人気の車種は多くの方が欲しいはずで、どんどん売れてしまい市場に少なければ、価格は上がってしまいます。(需要>供給)
逆に需要が少なく供給が多ければ、価格は安くなっていきます。
つまり人気のない車種(又は流通量が多い車)は、買い手も少ない(又は在庫が多い)ので価格は下がっていくはずです。(需要<供給)
人気がある車種でも台数が多いと相場は抑えめといった動きもありますが、需要と供給という概念は根本的な価格推移を決める要素といえるでしょう。
またこのバランスは車の流行にも左右されますが、車両販売当時は人気がなく販売量も少なかったが、数年後そのカテゴリーが人気になると中古価格が高くなるといった需給バランスの変動も考えられます。
車種
そもそも車種は何なのか、という非常に重要な要素です。
例えばTOYOTAのアルファードであるかもしれませんし、あるいはミニバンという大きな括りでも相場の推移に影響を与えます。
まずカテゴリー、ここではミニバンとしますが、ミニバンのトレンドはどうか?その中でアルファードの人気はどうか、と互いに影響を与えあう要素でもあります。
勿論カテゴリー内でも不人気車種はありますし、不人気カテゴリーにおいて人気車種も存在します。
愛車の車種が何か、というのはダイレクトに相場の影響を受ける要因であると覚えておきましょう。
車両状態
次に車両の状態です。
査定をする時、愛車の状態がどう判断されるかは、オーナーにとって気が気でないはずです。
車両状態も査定において、大きな価格決定のファクターとなります。
その要因として挙げられるものは、主に以下のような点です。
- 年式
- 色
- 走行距離(少ない程、高評価)
- キズ凹み等の外観評価(少ない程、高評価)
- 内装の痛み評価(痛みが少なく、喫煙・ペット無しの方が高評価
- オプション・装備品の状態(人気オプションの付属、状態が良好なほど高評価)
これらはまさに査定の際にチェックされる項目の代表的な要素ですが、他にも詳細には価格を決定する要素があり、あくまで代表的な項目となります。
季節
なかなか季節を意識して買取りを利用したり、待ったりする方は多く無いかもしれませんが、相場の推移を見る上で欠かせない要素です。
季節によって車の売行きには大きな違いがあり、これには売り手側・買い手側の動きが関係してきます。
買い手としては、季節の変わり目、例えば春の新生活時に必要となり、車の購入を検討する方が増えます。
あるいは夏や冬のボーナス時に検討する方もいらっしゃると思います。
また車種によって需要が増えるものがあります。
オープンカーを春や秋に乗りたい、夏のレジャーを家族と過ごす為にミニバンが必要、といった理由はイメージしやすいでしょう。
売り手としても、そういった需要に合わせてキャンペーンを打ち、販売量を上げようとします。
また上期・下期の決算時期は車購入のタイミングと認識している方も多いでしょう。
毎年、お決まりの時期ですので、購入の検討にはもってこいのタイミングです。
車買取相場の推移が変動する時期
買取相場は緩やかに推移しているものですが、分かりやすく変動する時期があります。
その動きが、売り手側にとってプラスに作用するか判断できれば、より良い買取時期が選べるはずです。
自動車業界、国内・国外経済、社会情勢が複雑に絡むことで、相場の推移に影響を与えています。
あくまで推移が変動してきた過去があるという点をご了承ください。
決算期の前
決算期(前期・後期共に)の前には、車買取相場の推移に変動が起きやすくなります。
これは中古車市場において、決算の商品=車の仕入れ量が増える為です。
買取会社はこの時期、積極的に買取りを進め決算期に拡販するので、仕入れ量も増やす傾向にあるのです。
大型連休の前後
世間が大型連休を迎える前後も中古車市場は活況です。
夏休み前にミニバンやファミリーカーの代替え需要が少なからずあるはずです。
また休みが終われば、休みで用事を済まし使用予定のない車両を手放そうとし、査定数が増えるかもしれません。
これは大きな車を手放し、手ごろなコンパクトカーにしようとする動きや、夏休みにコンパクトカーでは手狭だったのでミニバンにしようとする動きかも知れません。
いずれにしよ、ユーザーが自動車を集中的に利用するタイミングの前後は、買取市場において相場の変動が起きうる時期です。
ボーナス期の前後
手元にまとまった資金が入るボーナス期も、中古市場に動きが起きます。
そもそも車は高価な買い物なので、ボーナスが入ったら検討しようという方は多いはずです。
そのタイミングに、選択肢に富んだ中古車ラインナップを揃えたい買取店は、買取りに積極的になっている可能性があります。
円高・円安
国内中古市場とはいえ、円高・円安の影響は避けられません。
円高になれば、多くの日本製品がそうであるように、国外販売=輸出が鈍り、国内での販売・在庫が増えます。
結果として、国内の買取相場推移は下落傾向となり、買い手としては安く購入できるはずです。
逆に円安ならば、海外輸出が良好となり、国内在庫は減少し、結果相場は上昇トレンドを示すでしょう。
車買取相場の推移に影響しない売却時期
次に買取相場の推移に影響しない、つまり売却のタイミングとしておすすめできる時期についてご紹介します。
この時期を逃す=過ぎると、マイナスの影響を受ける可能性が高いという点を覚えておきましょう。
車検前
可能な限り、車検が期限を迎える前に売却するようにしましょう。
シンプルに車検は残っている期間が長い程、プラス査定となります。
車検が残っていれば(車検残が短い場合は、早めに車検を取り直して販売する場合もありますが)、そのまま売りに出すことができるでしょう。
しかし車検が切れていたり車検残が余り無い場合、車検を取り直さなければならず、その費用が価格に転化され車両価格が高くなるか、買い手が購入時に車検整備に出すことになり、その車両に対する購買意欲を下げる結果になるでしょう。
これは車検期限以外が同じ条件の車であれば、どちらを選ぶかは明白だということです。
買取店からすると、車検が残っている車は即戦力かつ高価値の商品なのです。
年式が落ちる前
車の年式は新しいほど、相場が高い傾向にあります。
新しければ新しいほど、査定は高くなるという基本的な構造が存在します。
経過月でも価値は逓減するものの、年をまたぐと査定価格は大きく変動しますので、翌年に売却する明確な理由がないのであれば、早い検討がお得です。
走行距離が大台になる前
走行距離が大台に乗るか乗らないかも大事なポイントです。
中古車の検討をしたことがある方は覚えがあるかもしれませんが、ほぼ同価格帯で2万キロと3万キロ、5万キロならばどれを選ぶかということです。
また10万キロに達するかそうでないかも、車の価値を大きく変えてくる要素です。
現在の車は、仮に10万キロ走行だから状態が悪いとは必ずしもいえませんし、メンテが疎かな低走行距離車よりもメンテがされている車両ほど、コンディションが良い可能性も否定できません。
しかし一般論として、走行距離は少ない方が人気があり、販売価格は高い=査定価格も高いのです。
もし走行距離が大台に乗ってしまう前に売却の検討が可能なのであれば、その段階で買取店に相談してみるのも良い選択となるはずです。
フルモデルチェンジ前
フルモデルチェンジを迎えるか否かは、相場の推移に最大級のインパクトを与えます。
現行モデルか否か、これは購買層の動きを大きく変えます。
とかく新型を求める層は、もはや新車にしか目がいきません。
一方、旧型になっても良い、価格が落ちるのを型落ちになるまで待っていた人にとっては最適のタイミングです。
つまりあなたが所有している旧型車は、中古での購入を想定している購買層にしか訴求できません。
数か月前まで、現行モデルの間であれば、新車の購買層にとっても選択肢として残り、強気の値段で中古販売されていたのにです。
フルモデルチェンジによる型遅れ化は、特に意識をしていなければ誰でも迎えかねません。
可能であれば、新車の販売サイクルを意識しつつ売却時期を検討したいところです。
まとめ
さて今回は車買取の相場の動き、推移について記事にさせていただきました。
車は財産であり、決して安くない価格で購入・維持されたはずです。
なかなか相場を意識して早めに処分、と簡単に動きを変えるのが難しいものです。
しかしより早い段階で、相場の推移やポイントを意識することで、適切な売却時期を逆算することも出来るのではないでしょうか。
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