【豆知識】オルタネーターにオイルポンプ…エンジンの「補機」とは?

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エンジンは機械の集合体です。大きくわけると、シリンダーブロックやピストン、バルブなどから構成される「本体」と、本体の動作をアシストする「補機」にまとめることができます。当然、エンジン本体だけでクルマを走らせることはできません。今回はエンジンの「補機」に迫ってみましょう。

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エンジンオイルを循環させるオイルポンプ

エンジン内の潤滑や冷却などに不可欠なエンジンオイル。そのオイルをオイルパンから吸い上げ、エンジン全体に循環させているのが「オイルポンプ」です。

オイルは、ピストンやシリンダーブロックだけではなく、コンロッドやバルブなど、金属同士が擦れ合う部位の潤滑と冷却を行います。そのすべてにオイルを行き渡すために、シリンダーヘッドには「オイルギャラリー」という通路が設けられています。オイルポンプは、その通路にオイルを圧送する役目を担っているのです。

ちなみにポンプにも種類があり、一般的には話の内側に山を刻んだアウターローターに、外側に山を刻んだインナーローターを組み合わせて駆動する「トリコロイドポンプ」が用いられています。そのほか、2枚のギアを組み合わせた「ギアポンプ」や、水車のような仕組みの「ベーンポンプ」も存在しています。

エンジンを冷やすためには水が必要。ウォーターポンプ

爆発により動力を得るエンジンは、高熱を発するもの。そのまま回し続けていれば、すぐにオーバーヒートしてしまい、エンジンを壊してしまいます。エンジンには必ず冷却が必要なのです。

現在は、ほとんどすべてのクルマが「水冷式」を採用しています。文字通り、エンジン内部に水を通してエンジンを冷却する方式で、シリンダーブロックやシリンダーヘッドの周りに「ウォータージャケット」と呼ばれる水路を作り、水を循環させています。この水を循環させるのが、「ウォーターポンプ」です。

なお、エンジン内部をめぐってきた水は高温になります。高温になった水は、ラジエーターを使って走行風によって冷却します。

もうひとつの“エネルギー”、電力を作るオルタネーター

エアコンやカーナビはもちろん、スパークプラグにECU(エンジンコントロールユニット)と、クルマを走らせるためには電気が必要です。そこで、クルマにはエンジンの動力を使って発電する「オルタネーター」と呼ばれる補機が装備されています。

オルタネーターはモーターに似た構造を持っているため、「軸の回転から電気を生み出す」とは逆の作用、「電気を使って軸を回転させる」ことも可能。それを応用してスターターモーターとして使うケースや、出力を大きくして、スズキの「S-エネチャージ」のように走行アシスト用モーターとして使用するシステムも生まれています。

ボンネットを開けてエンジンルームを覗くと、さまざまな機器が搭載されていることがわかります。そのどれもがなくてはならないもの。たくさんの補機が存在し、助け合っているからこそエンジンは回り、クルマが走るのです。ちなみに今回、取り上げた3つの補機は、すべてエンジンの動力を使って作動させているんですよ!

text by 阿部哲也+Bucket
画像提供:日産自動車

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