たくさんのスポーツカーやスーパーカー、レーシングカーが会場を沸かせた「モーターファンフェスタ2017 in 富士スピードウェイ」。その中には、希少なクルマの姿もありました。今回は、実際に見ることは非常に稀な2台のスペシャルカー、「フェラーリ599XX EVO」と「パガーニ・ゾンダ・レボリューション」を紹介します。まずは、この2台の共通点をご覧ください。
●イタリア車
●サーキット専用車
●非常に高額なプライス
●それ(価格)に見合った高性能
●広い意味で一般に販売された
●元々の生産台数が著しく少ない
これだけでもスペシャルなクルマであることがわかりますよね!
約30人のVIPにだけ販売されたフェラーリ599XX EVO
フェラーリ599XX EVOは、2009年に当時のフェラーリのカタログ・フラッグシップモデルである「599GTBフィオラノをベースに開発されたサーキット走行専用モデルで、生産台数は30台強。
車名の「XX」は、フェラーリが厳選した高いレベルのドライビングテクニックと経済力、そしてフェラーリを愛する気持ちを持った特別な顧客にのみ販売された“開発車”に与えられる名称です。このクルマのオーナーには、ただ走らせるだけではなく、フェラーリの開発に協力していくという大きな楽しみが与えられます。これを599XXでは「599XXプログラム」と呼称します。
サーキットを走行する際にはフェラーリ社の全面的なサポートが受けられる他、マシン各所に内蔵されたセンサーが走行データを記録。それがフェラーリ本社に送られ、今後の新型車開発に役立てられる仕組みです。
車両スペックは、599GTBのメカニズムをベースにパワーアップと軽量化が施されています。馬力はベースから100馬力アップの730馬力。必要最小限の装備とサーキット用装備により、アルミニウム製スペースフレームとカーボンを多用した車体はベースから405kgのダイエットに成功し、1,345 kg(乾燥重量)という軽さを実現しています。
今回このイベントに参加していた個体は、生産された30台強の中でも15台にしか装備されていない「エボリューション・パッケージ」を装着している「599XX EVOでした。大きな電動可変式リアウィングを中心にしたエアロダイナミクスと排気系のアップデートが施されています。
実は、599XXはレースに参戦する為のホモロゲーションを取得していません。ですので、サーキットで見ることもとても珍しい1台なのです。今回のイベントでは全開走行を見ることは叶いませんでしたが、ゆっくり走っていてもその甲高いF1サウンドは、今のF1よりも官能的で素晴らしいものでした。
デモラン走行動画(筆者撮影)
https://www.youtube.com/watch?v=5INVR_XBnn4
世界限定5台のパガーニ・ゾンダ・レボリューション
もう1台のパガーニ・ゾンダ・レボリューションも599XXに負けない過激な1台です。ベースとなった「ゾンダは、公式には2010年に生産終了となっていますが、世界中のセレブなクルマ好きの間ではなおも人気の続くクルマだけに、ワンオフ・モデルを始めとした特別仕様車が現在も同社のアトリエで1台1台コツコツと作られています。
このゾンダ・レボリューションは、その中でも数少ないサーキット専用車です。2009年に「ゾンダR」というフルカーボンボディのサーキット専用車が15台限定で販売され、ニュルブルクリンク旧コースで「6分47秒というレコードタイムを記録。その「R」をさらに過激に進化させたのがこの「レボリューションで、世界限定5台のうち1台が、日本の正規輸入代理店「ビンゴスポーツ」の手により保管されています。
メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデルを製作するAMG社がゾンダ用に開発した6.0L V12自然吸気エンジンを搭載し、800馬力を発生。レース用の6速セミオートマチックを通じて「0-100km/h加速2.7秒、最高速度350km/hという性能を発揮します。
ボディは当然ながらカーボン製で、車体重量は驚異の1070kg! フロントカナードとシャークフィンの追加、F1やDTMで使用されている可変リアウィングシステム「DRS」を採用するなど、ニュルブルクリンクでレコードタイムを記録したゾンダRの走行データによりエアロダイナミクスを一新しています。
このゾンダ・レボリューションも、ホモロゲーションを取得していないので通常のレースには出場できないサーキット専用車です。ちなみに、お値段は220万ユーロ(約2億7000万円)とのこと!
動画:エンジン始動からピットロードに押し出される(筆者撮影)
https://www.youtube.com/watch?v=TrraaeRDqug
599XX EVOもゾンダ・レボリューションも、台数が少ないだけでなくサーキットしか走行できないため、このように実車を見られるなんて夢のよう。2台が全開で走る姿が見られなかったのは残念でうすが、それは来年、あるいは別のイベントでのお楽しみにとっておきます。もしもそんな機会があれば、そのときは必ずレポートしますね!
text & photo by クリハラジュン+Bucket
<関連リンク>
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