電気自動車は次世代の技術。まだ自分には関係ないかな、と思っていませんか。
しかし電気自動車のシェアは世界中で徐々に増えており、欧州では早い国で2025年からガソリン・ディーゼルエンジン車の販売禁止、それ以降も各国で販売禁止予定となっています。
我々には関係のない話でしょうか。遠い国の話だろうと思ってしまいますが、日本においても菅総理大臣は2050年までに国内の温室効果ガスを実質ゼロとする方針を表明しています。
当然、温室効果ガスの発生源であるガソリン・ディーゼル自動車自体のあり方にかかわってくるでしょう。
迫る2030燃費規制・CAFE方式
車好きの方ならピンと来るかもしれませんが、CAFEという単語を聞いたことはありますか?現在の電気自動車化が加速する背景には、このCAFEが関係しています。
自動車業界のCAFEとは?
自動車業界におけるCAFEとは、Corporate Average Fuel Efficiency(企業別平均燃費基準)の頭文字を取ったの略称です。
具体的にどういう事かというと、自動車の燃費規制に関する基準の1つで、メーカー全体の平均燃費(過重調和平均燃費)に対する規制です。このCAFE(企業別平均燃費基準)のポイントは、記載の通り平均という点です。メーカー全体の出荷量で算出するので、特定車種の燃費が仮にそこまで良くなかったとしても、基準をクリアすることが可能です。
ですので、この取り組みが進むことでガソリン車が禁止になるというわけではないでしょう。ただし新しい車種の開発には時間がかかりますので、各メーカーが様々な技術を駆使して省エネに取り組んでいく中で電気自動車や水素自動車等の開発に力を入れていくことになるでしょう。
電気自動車をマイカーにする未来
いかがでしょうか。こういった規制が進む背景を踏まえると、そう遠くない未来に読者の皆さんは電気自動車か水素自動車などの脱ガソリン車を購入しドライブをしている可能性が高いと言えるでしょう。勿論PHEV等も現役かもしれませんが。
そこまで先の話をせずとも、今でも電気自動車を購入することはできますし、街中でもみかけるようになってきました。
そこで多くの方が疑問に思うであろう、電気自動車たるゆえん、「充電」についてのお話をさせていただこうと思います。電気自動車のメリットと現在で起こり得るデメリットについて参考にしていただければ幸いです。
本記事では国産電気自動車の日産リーフをメインとして進めていきますが、一部テスラ社についても言及させていただきます。
電気自動車の充電方法
国産車、外国車を含め電気自動車に共通するのが「充電」です。概ね2通りの方法があります。
自宅で充電ケーブルに接続するのか、街中やディーラーに設置されている急速充電器を使用するのかです。
それぞれの概要について記述していきます。
充電ケーブルによる充電
自宅駐車場などに充電器を設置し、車両を使用しない際に充電します。
電気自動車やプラグインハイブリット車といえばこのイメージではないでしょうか。
電気代の不安を抱く方も多いと思いますが、例えば夜間に電気代を安く抑えるプランを契約するといった対策を行うオーナーさんもいらっしゃいます。
急速充電ユニットからの充電
こちらは販売店やパーキングなどに設置される急速充電設備です。
自宅充電よりも大電流なので早い時間で充電でき、ドライブの合間や休憩中に走行可能距離を回復してくれるでしょう。パーキングエリア設置の急速充電スタンドでのチャージに際しては有料です。
自宅充電であれば電気代を自身で払いますが、販売店の充電スポットを使用する際には充電会員となり定額を払う、又はチャージごと課金といった方法が用意されています。
充電方法ごとの注意点と準備
自宅と出先での充電はどちらも使えるにこしたことはありません。
自宅に充電設備を置かずとも、電気自動車の維持は不可能ではありませんが、自宅充電ができるほうが便利なことは間違いありません。
ただし自宅充電について、特に準備について知っておいたほうが良いことがいくつかあります。購入の検討をするならば、是非予習しておきましょう。
充電ケーブルと急速充電ユニットからの充電時間の違い
メーカーや車両によって充電時間は大きくかわってきますので、基準として日産リーフについてピックアップします。
充電時間は毎日の車両運用にかかわります。自身の生活スタイルを思い浮かべ、充電時間を確保できるかシミュレートしてみて下さい。
自宅での充電ケーブルを使用すると8時間~16時間、公共の急速充電器では40分~60分となっており、大きな違いがあるのです。
自宅での充電はかなり時間の幅があるようですが、グレードごと、充電器による違いがあります。
まずバッテリーサイズには62kWhと40kWhの2種があります。グレードにより違いがあるので、購入を検討する際には注意が必要です。
さらに設置する充電器による時間の違いも生じます。
- 62kWhバッテリー搭載車/6kw普通充電器使用で12,5時間
- 40kWhバッテリー搭載車/6kw普通充電器使用で8時間
- 40kWhバッテリー搭載車/3kw普通充電器使用で16時間
つまり大きなバッテリーは充電時間が長くかかり、充電器の電力が多ければ充電時間は短くなる。
自宅において充電設備の性能は快適な電気自動車ライフにかかわってくるということなのです。
ちなみに62kWhバッテリー搭載車では6kw充電器が標準装備となっておりますが、40kWhバッテリー搭載車についてはメーカーオプション設定となり、3kw充電器が標準装備です。
メーカーオプションということは車両購入後に6kw充電器を購入しても使用できないということです。
充電装置の設置工事について
充電器について前項で説明させていただきましたので、なんとなく充電のイメージがわいてきたでしょうか。
ところで充電器はどこにつながっているのでしょうか、駐車場にあるコンセントでしょうか。
ご存じない方も多いと思いますが、コンセントにケーブルを差せばOKではありません。
自宅にも充電設備の設置が必要で、基本的には工事が必要なのです。
屋外コンセントを使うわけではなく、配線工事と屋外専用200Vコンセントタップ(3kw充電器)か壁掛けユニット(6kw充電器)を設置します。
電気設備に興味がない人はうんざりしてしまうかもしれませんが、自宅充電にはマストな作業となります。
勿論費用もかかり、補助金やメーカーからのサービス費を利用しても自腹は5万~10万円はかかるでしょう。
購入の検討時にはこういった設備についての知識も必要となります。
またテスラでも同様に200V対応のウォールコネクター(要工事)と電源コンセント使用のモバイルコネクターがあります。
工事が難しい駐車場でも対応可能としているものの、充電時間にはリーフ同様に差が生まれます。
電気自動車の駐車場ごとの注意点
次に皆さんの駐車状況で電気自動車を購入する場合、どのような注意点があるか考えていきます。
持ち家、自身所有又は家族所有地の駐車場
持ち家に駐車場があれば問題なく充電設備を設置できるでしょう。家族や親族所有の住宅でも許可を得やすいはずです。
電気自動車を検討する方の多くはこういった環境かもしれません。
月極駐車場
大家さんや管理している不動産屋さんの許可が必要です。
配線もブレーカーも必要となり、設備設置の許可をもらえるでしょうか。青空駐車場だとイタズラの恐れもありますし、無許可で充電にくる輩がいないとも限りません。
また自身が解約する際に設備は撤去する必要があるかもしれません。
ハードルは高いように思えます。
賃貸物件(マンション等)敷地内の駐車場
マンションなどの敷地内駐車場はどうでしょうか。
こちらはイタズラの危険性は少ないかもしれませんが、やはり大家さんや管理組合などに許可を得なければいけません。
また駐車場の形態が多岐にわたることも特徴です。タワータイプはそもそも設置不可能です。
地下駐車場ならば可能かもしれませんが、自身が使う為だけに、設置を許してもらえるのか、電気の配線工事など納得してもらう必要がありますし、電気代はどうするのかといった問題もあります。
新規に設置するより元々充電設備が有るマンションを探したほうが早いかもしれません。
まとめ
今回は電気自動車を購入するにあたり、避けて通れない充電に関する注意点を確認しました。
実際には自宅に充電設備を設置せずに、店舗や充電スタンド利用のみで使用されている方もいらっしゃいます。
今後さらに充電スポットは増えていくでしょうし、使い勝手は向上していくと思われます。購入のハードルはまだ高いかもしれませんが、遠くない未来に皆さんはこのハードルをまたぐ必要があるのです。