あれ? もしかして、夏って終わりました?
気がつけば、2018年も数えるところ残り3ヶ月。暑いのが好きなわたしにとって、毎年秋は「寂しいな」と思う季節なのですが、それは気温のせいだけではなく「モータースポーツの今シーズンが終わってしまう」という気持ちからくる寂しさでもあるのでしょう。
モータースポーツに関わるようになってから毎年思うのは、「一年があっという間に過ぎていく」ということです。4月に開幕したばかりと思っていたSUPER FORMULA(SF)も、すでに6戦が終わり、信じられないことに今年は最終戦を残すのみとなりました。
寂しすぎる! JRPさん、あと何戦か追加してもらえませんか?
Welcome Back to SUPER FORMULA!!
今年のSFを振り返ると「なかなか天気に恵まれていないな」という印象が強いのですが、「ツインリンクもてぎ」での第5戦は、レース観戦日和の晴天の下で開催されました。2スペックタイヤでのレース開催が3年目となった「もてぎ」での見所は、スペシャルなドライバーラインナップです。
2016年まで参戦していた中山雄一選手とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が、出場できない選手に代わって第6戦のみ参戦を表明。F1直下のF2で活躍中の福住仁嶺選手が、開幕戦以来のSFカムバックを果たす一戦となりました。
わたしがオフィシャルMCを担当している土曜日もトークショーは、この3人がゲスト。金曜日にパドックで会ったオリベイラ選手は、意外と(?)リラックスムードで、トークショーでも「スポット参戦だから、今まで以上に楽しんで戦いたいんだ」とベテランドライバーの余裕を感じさせてくれました。
同じく2016年以来のSFマシン「SF14」を体感した中山選手は、変わらないチームの雰囲気にほっとしながらも、進化したSF14とタイヤのスペックに驚きを隠せない様子。2016年のライバル同士でもあった二人は、久しぶりのフォーミュラレースに「楽しみたい!」とワクワクした表情で語ってくれたのが印象的でした。
そして、開幕戦以来の参戦となったルーキー福住選手は、普段の天真爛漫なイメージと違って、どこか緊張気味の様子……!? 開幕戦でいきなりチームメイトに迫る速さを見せてくれた福住選手に期待するファンも多く、ステージにもたくさんの方が応援に駆けつけてくれました。海外で生活をしながら各地でレースをする福住選手の今シーズンは、体力とプレッシャーとの戦いだったはず。そんな彼を母のように心配し応援しているわたしは、日本でのSFでは思い切り走って、良い意味で発散できるレースをしてほしいなと思うのでした。
晴天の下、最高のコンディションで争われた2スペックタイヤでの決勝レースは、19台がまさに「ガチ」な戦いを見せてくれました。ディフェンディングチャンピオンの石浦宏明選手がポールトゥウィンを決め、選手としてはもちろん、チームの力強さを見せた一戦に!
カムバック選手たちに注目が集まりましたが、決して経験者が有利であるわけではないことや、海外での経験があっても簡単に結果を出せないことなど、SFのレベルの高さを改めて見たような気がしました。
そしてもうひとつ。とても個人的なお話ですが、この「もてぎ」大会でわたしがSUPER FORMULAオフィシャルMCになって4年が経ちました。毎年のように進化していくSUPER FORMULAを、これからも皆さんと一緒に追いかけていきたい! 5年目もよろしくお願いします☆
チームにもお客さんにもありがとう
打って変わって、大雨で開催すら危ぶまれた第6戦は「岡山国際サーキット」で開催されました。岡山のレースは、過去に悪天候で中断になってしまったこともあり、なんだかイヤナヨカン……。水しぶきで視界が悪い中、セーフティーカーの先導により開始された決勝は、予想通り、数周で赤旗中断になってしまいました。
30分以上に渡りレースは中断され、一度は関係者に中止の案内もされたのですが、雨足が弱まったタイミングでレース再開の決断が下され、残り約50分で決勝レースは再スタート。
過酷な環境と天候の中、あきらめずに待ってくれた観客の皆さんに「感謝しなくてはいけない」、そして「そんな人たちにSFは支えられているのだ」と強く思いました。もちろん、雨の中激しいバトルを展開してくれたチームとドライバーの皆さんにも。
セーフティーファーストであるべきモータースポーツですが、観に来てくれる方たちがいてこそ成立するのもモータースポーツです。あの雨足が弱まったタイミングは選手とチーム、そしてファンの願いが届いた奇跡のタイミングだったと思います。
結果は、レース再開後に激しいトップ争いのバトルを見せた末にポールトゥウィンを決めた関口雄飛選手が、今シーズン初めて表彰台の真ん中に立つ姿が見られました。関口選手の攻めているときの走りは、本当にカッコ良い! 繊細で丁寧な性格と意外(?)な人柄でチームにもファンにも愛されている関口選手が岡山で見せたaggressiveな走りに、ますますファンになってしまった一戦でした。
「ガチ」なレースの「ガチ」なラスト!
「鈴鹿サーキット」で開催される最終戦に持ち越しとなった今シーズンのシリーズチャンピオンは、5人の選手で争われることになります。ポイントリーダーは、今季優勝も表彰台も経験し、ノリが良いその人柄と同じように上り調子のニック・キャシディ選手。「そうはさせるか!」とチャンピオン経験者の石浦宏明選手と山本尚貴選手が僅差で迫っているので、キャシディ選手にとってチャンピオン獲得への道は簡単ではなさそうです。そして同ポイントで並ぶ雄飛選手と平川亮選手も、チャンピオン獲得を懸けて最終戦を迎えます。「価値にこだわる」星野監督のチーム内でのバトルにも大注目です!
SFドライバーの中には、多数のカテゴリーを掛け持ちしている選手も多く、そんな選手たちに聞くとSUPER FORMULAは特に「ガチになれるカテゴリー」なのだそうです。エンジンは違っても、シャシーや与えられた条件は全選手同じ。ミスをすれば自分が負けるし、自分次第で支えてくれるたくさんの人たちと一緒に勝つことができる。ピュアに勝つことに集中できるカテゴリーで、そのトップを極めることは特別なのだとか。
最終戦は、現行マシンSF14が戦う姿が見られる本当に本当の最後のレースとなります。フィナーレはそれぞれが「台風の目」になるようなレースを、全19選手に思い切りレースをしてもらいたい! でも、本物の台風はもう来ないで欲しいんですけどね……。本当、頼みます天気の神様!!
【水村リア】
レースクイーン、モデル、MC。ロサンゼルスでモデルやダンサーで活動後、2011年にレースクイーンデビュー。現在はSUPER FORMULAオフィシャルステージのMCを務めるなど、モータースポーツの場を中心にMCを行っている他、ライターとしても活動の場を広げている。2017年からはN-ONE OWNER’S CUPにレーシングドライバーとして参戦。
ブログ:https://ameblo.jp/xxleahmizumuraxx/
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text by 水村リア edit by 木谷宗義
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