自動車におけるハイブリッドシステムとは、エンジンと電動モーターの組み合わせによってエネルギー効率を向上させる仕組み。ちなみにハイブリッドとは「合成物」や「雑種」という意味である。
ハイブリッドシステムのポイントは、エンジンの負荷が大きくなる発進時と加速時に電気モーターを加えることで、エンジンを効率的な負荷で使用できるということ。br> また定速走行時だけでなく減速時にも電気を回収する（※①）ことができ、電動モーターを作動させるための電気を蓄えられる仕組みにもなっている。つまりハイブリッド車（ＨＶ）は、従来型の自動車では捨てていたエネルギーを内部で再利用しているということ。純粋な電気自動車(ＥＶ)のように外部の電力を使ってバッテリーを充電する必要がないことも特徴の１つ。

日本で一般的にハイブリッドカーと呼ばれているクルマは、エンジンとモーターを動力源として備えたＨＥＶ(Ｈybrid Ｅlectric Ｖehicle)を指している。これを発展させ、コンセントなどから直接充電できる機能を加えたのがプラグインハイブリッドカー（※②））(Ｐlug-in Ｈybrid Ｅlectric Ｖehicle)だ。日本車、輸入車を問わず、多くのハイブリッド車が製造・販売されているが、その先駆けとなったのはトヨタのプリウスである。1997年に世界で初めて２モーター式のフルハイブリッド車の量産化に成功し、２代目はハリウッドのセレブなどにも愛された。2009年に３代目となり、2015年には４代目にバトンタッチしている。トヨタは多くのクルマのハイブリッド化を積極的に推し進めたから、ハイブリッド専用車として一世を風びしたプリウスの存在感は薄れてきた。ハイブリッドシステムは普通のパワートレインになりつつあるが、2023年に発売した５代目プリウスは高効率のハイブリッドシステムに加え、スタイリッシュなフォルムが人気を呼ぶなど、輝きを取り戻している。

■「ガソリンで動くエンジン」と「電気で動くモーター」のエネルギーを効率よく使いわける！